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機械設計メモ2

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モーター選定の要素。インクリメンタルとアブソリュートの違い

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今日は「モーター選定の要素。インクリメンタルとアブソリュートの違い」についてのメモです。以前記事にしたモーターの回転方向と併せて理解しておきたい、初心者に向けたモーターの選定要素になります。これを読めば「それら特徴と、どれが機能として一番充実しているのか」が理解できるようになります。機械設計士での守備範囲はモーターの型式までが一般的だと思いますので、これを機に理解してみてください。

 

インクリメンタルとアブソリュート

 

Free-Photos / Pixabay

3種類の違いを簡潔に言うと

インクリメンタル・アブソリュート・バッテリレスアブソリュートの違いを簡潔に纏めると以下の通りです。原理を知りたい方は各モーターメーカーの技術資料を参考にしてみてくださいね。

 

インクリメンタルは

インクリメンタルのモーターは、ドライバ電源がOFFのときにモーターの位置情報を保持していません。※電源ONの時位置情報が保持できています。

 

アブソリュートは

アブソリュートのモーターは、ドライバ電源がOFFのときにモーターの位置情報を保持しています。※ドライバ電源OFFの時、バッテリ電源を供給され位置情報を保持している。ユーザーがバッテリの電池切れを気にする。

 

バッテリレスアブソリュートは

バッテリレスアブソリュートのモーターは、電源がOFFのときにモーターの位置情報を保持しています。そしてさらにバッテリがありません。

 

以上のように簡単な仕分けが出来ますね。

 

3種類の違いにより何が違ってくるかと言うと

もう少し深くこの3種類を理解してみます。

 

インクリメンタルは

インクリメンタルのモーターは、電源がOFFになってしまうと位置情報がないので原点復帰動作が必要になり、戻る先の原点センサーが必要です。

簡易的な設備では問題となりませんが、複雑な装置であるとその原点復帰プログラムを作成するのも大変になります。複数軸を利用する場合は各軸ごと行なう必要があるのと、戻り方も正しくプログラムしないと原点復帰の際に当たってしまうこともありえます。

また、ワーク搬送中に非常停止を喰らうと原点復帰動作を行なう必要があるので、途中でのワークの取り出しなどが面倒になる場合があります。

 

(バッテリレス)アブソリュートは

アブソリュートのモーターは、電源がOFFのときにモーターの位置情報を保持しているので、原点復帰無しで作業原点まで移動できます。自分で居場所が解るので、外部の原点センサーなんかが必要ない場合もあります。(これは電気屋さんと相談してください)アブソリュートモーターで活きてくる場所は、例えば「電動チャック」のような、(押し付けでない)把持をしている状態で電源OFFを喰らったとしても再起動時に原点復帰が不要なので、把持した状態で次の作業に移ることができるのです。※押し付けている場合は押し付けではなくなります。

バッテリレスは物理的にバッテリースペースが不要になり、バッテリに関してメンテナンスも不要になるので良いことばかりですね。そのため今ではバッテリレスがスタンダードの選択であると思います。

 

バッテリレスアブソリュートのモーターは高いのか

やること成すこということ無しのバッテリレスアブソリュートですが、機能が充実している分、値段が高いイメージがあります。しかし、バッテリレスアブソリュートのモーターはコストメリットが大きいんです。簡単に言えばバッテリが無いためインクリメンタル仕様のモーターと同じくらいの価格帯になります。通常のアブソリュートはバッテリがありますのでコストは高いですね。

 

機械設計における考え方と使い分け方

ここでは上記内容と補足情報を加えインクリメンタルとアブソリュートの使い分けを纏めます。

 

部分引用:三菱電機様資料より

  • 絶対位置指令方式(ABS:ABSOLUTE):原点からの距離を指令する方式。

例)Aに行くには、原点から500番地へ。Bに行くには、原点から1300番地に行きなさいの命令を与える。

 

  • インクリメンタル位置指令方式(INC:INCREMENTAL):現在位置を起点にして、次の位置決め点までの方向と距離を指令する方式

例)Aに行くには、起点から右へ500m。Bに行くには、Aから右へ800m行きなさいの命令を与える。

 

上記の説明は、私達機械設計士がモーターを使い分ける上で、とても理解しやすい説明でしたので引用させていただきました。これらからインクリメンタルとアブソリュートを使い分けるとすると

 

  • X/Y/Zなどの複合動作を行なう装置には(バッテリレス)アブソリュートを選択。
  • ロールフィーダなどのピッチ送りなどにはインクリメンタルを選択するのが基本。

 

補足ですが、例えば装置内で長距離走る「ラック&ピニオン」や、上下昇降する「ボールねじ+モーター」なども、原点復帰が必要なインクリメンタルで設計してしまうと、原点復帰異常停止の際にかなり時間が掛かるのでアブソリュートを選択してください。

 

以上です。

 




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