今日は「出図前に組立図やモデルを見ながら確認すること」についてのメモです。
自分の設計に関しても、他の方の設計に関しても、組立図やモデルの見方についてコツがあると思うので、全てではありませんが今日はそれを少しシェアできたらと思います。
設計の確認
今回の記事について、前提として伝えておきたい事があります。今回の記事は、使用する購入品(機器)についてではなく、それらを含めた設計が構造的にどうなのか?という事ついての話になります。
状態の把握
ある程度設計が進んできた段階で、組立図もしくは、3DCADであればアセンブリモデルを確認するときがあります。
他の設計士の書いた組立図やモデルであれば、客観的に見ることが出来るので案外ミスに気づけます。しかし、自分の設計を自分で見直す時は「思い込み」があるので簡単なミスでさえ見逃す場合があります。特に初心者の場合は、やりっ放しの図面を上司に提出するのではなく、最低限下記の項目について自分なりの理由をつけられる組立図やモデルにしてみてください。
①そもそも構造じゃなきゃだめなのか?
まずは、ここまで書いたのに根本的に見直す事をします。別の方法じゃ満足できないのかを考えます。
「今更」ではありますが、今だからまだ間に合うという事もあります。あるあるな話で言うと、別の方法に気づいてはいたが、納期的な問題やDRに間に合わないなどの理由から「見てみなかった事」にするパターンです。
そして、それが出図後やDRの時に発覚するパターンです。DRと言うのは複数人であらゆる角度からダメ出しをするのが目的なので絶対にバレます。
ですので、気づいた時に修正を始めても実は遅くありません。まだ間に合ってる段階です。私の場合は構造が悪くないとわかれば、後は「これなくならないかな?」と、出来るだけ解りやすい形状になるようにシンプルを目指します。
以上のように、構造を満足して要らないものが無くなれば最適に近い形になってきていると思います。
②当たり前の設計は出来ているか
二つ目は、当たり前の設計ができているかどうかです。
これは単純ですね。①の構造がベストだとしたら、力の掛かる方向や振動のイメージ、計算、検証をして、力に対して真っ向勝負しているか、別の力で受けようとしていないかなどの、当たり前の設計が出来ているかを確認します。
まぁ、いっかな。
ではなく、①にも似ていますが、この力を受ける方向はバッチリだけど、受け方はこの方法じゃなきゃだめなの?と、常に問いかけしながら、この方法がベストだと確信を得るまで図面のあらゆる部分を確認、繰り返します。当たり前の設計が解りづらい方は「参考記事」を参考にしてみてください。
上司(チーフ)だろうが初心者だろうが考えることは同じはずです。
以上のように、組立図やモデルを見て考えることはあまり多くないです。そしてこれらは図面を仕上げる設計士(製図者)も見直すときに考える事ですし、それを受け取った上司も同じように考えるのです。
慣れて中級クラスになってくると、加えてネジの位置だったり、ネジの長さだったり、万が一ダメだった場合のメンテナンスが容易な構造かどうかだったり、モデルの色だったり、雰囲気だったり、見た目だったり、色々ありますが、、、これらは趣味の話になるので、まずは上記2項目をマスターしてもらえれば根本的に間違わない設計になると思います。
特に初心者の方は、上司やチーフ、仕様書、計画モデルなどから設計を始めていくと思いますが、言われたままに作業すると後でやり直しが掛かる場合があります。それが先ほど少し触れた「見て見なかった事」にしている部分もあると思いますし、そもそも大丈夫だと思い込んでいて気づいていないパターンです。
参考記事:先輩機械設計士からのお願い。「お願い!違和感を感じたら言って!」
このようにならない為にも、上記注意点を頭にいれながら作業をして、気づいたらまずは報告する習慣を身に付けましょう。私の場合、気づいた場合、解決策の目処を立てた状態で責任者に問いかけをするようにしていますが、私もまだまだ未熟者。頑張ろうと思います。
以上です。
関連記事:機械設計の話