機械設計士のブログ。機械設計の仕事・ノウハウ・感じた事・設計資料をシェアしています

機械設計メモ2

・エアシリンダ

SMC製ロッドレスシリンダMY1Mのガタを解消する方法

投稿日:




今日は「SMC製ロッドレスシリンダMY1Mのガタを解消する方法」についてのメモです。ロッドレスシリンダを購入したがガタに困っている方、これから購入する方の情報になれば幸いです。※タイトル長くてすみません。

今回記事に出てくるシリンダは以下の型式(シリーズ)になります。(MY1Cは参考まで)

 

ロッドレスシリンダ

従来のロッド式のエアシリンダではなく、ロッドが見えないシリンダも各メーカーさんが出しています。そしてそれらロッドレスシリンダには、そのユニット内にガイド機構を設けたシリンダも数多く出ており、選定する側の私たちにとって「どれが適切なのかわかりづらいし、実際どうなの?」という印象があります。

今回、私が設計した装置においてもロッドレスシリンダを負荷率で選定し購入しましたが、実際に取り付けてみるとカタログにない想定を超える大きなガタが発生しており、搬送すら難しい状況に陥いっていました。

 

ロッドレスシリンダのガタ

 

 

ここまで大きなガタを想定していなかったので、違うタイプに変更した物もありますが、買い直しとなるとコストも掛かるので悩んでいたところ、調整する所を見つけましたのでそこで調整可能かトライしてみました。

調整したロッドレスシリンダタイプは「MY1M:メカジョイントのすべり軸受けタイプ」です。

 

ガタ調整の前に確認したこと

このロッドレスシリンダは、カタログで「調整する部分ではないけど付いている」ような記載になっており、調整機構の調整方法は記載がありませんでした。それをメーカーさんに確認したところ「社内調整品なので出荷後の調整はしないです」と教えていただいたのと、調整するための簡単な資料も頂きました。

よくよく考えてみたら、実際にロッドレスシリンダに載っているユニット達を持ち上げるような動作(想定より大きな力を加えていた)を私がしておたので、ぐらぐらするのは当たり前だな。と納得していました。

 

MY1Mのガタ調整場所とその方法

MY1Mのぐらつきの理由は内部のスプリング機構にありました。

 

荷重がかかる→28番のばねが縮み→傾く

大きな荷重が掛かる→28番の大きくばねが縮む→大きく傾く

 

ということです。

 

 

調整の手順は以下のとおり。

①固定ねじを緩める(37番)

②調整ねじを調整する(36番)

 

【参考】出荷時に調整されている値

・MY1M16:0.044Nmで締めつけた後に約60度増し締め

・MY1M20:0.098Nmで締めつけた後に約60度増し締め

・MY1M25:0.016Nmで締めつけた後に約45~50度増し締め

・MY1M32:0.088Nmで締めつけた後に約60度増し締め

・MY1M40:0.157Nmで締めつけた後に約60度増し締め

・MY1M50:0.176Nmで締めつけた後に約60度増し締め

・MY1M63:0.176Nmで締めつけた後に約60度増し締め

上記に対して少しづつ動きを確認しながら増し締めしていくと良いと思います。

 

③固定ねじを締めて調整ねじを固定する(37番)

※元々メーカー調整済みのものであるため、調整後の指標はありません。自己責任(調整者の感覚)となります。

 

【補足】MY1Cのガタについて

MY1Cタイプの調整場所とその方法もあるようですが、カムフォロアタイプはすべり軸受けタイプと違い、スプリングによるたわみが無いのでイメージしていたガタと近かったので使用上問題なく再調整はしておりません。もし必要な場合はメーカーに問い合わせてみてください。

 

最後に

この記事はメーカー及び製品を否定するものではありません。解決に向けて的確な情報をいただきましたメーカー様に感謝いたします。

また、これは数本買ったロッドレスシリンダ(すべり軸受けタイプ)のほとんどが同じ方を発生していたので品質のバラつき(製造のバラつき)ではなく、これがこの製品であり、ある意味面白い特徴であると思います。念のためもう一度書きますが、これら調整はシリンダの短命化となると思うのであくまで自己責任でお願いいたします。

 

以上です。




-・エアシリンダ
-, , , , ,

Copyright© 機械設計メモ2 , 2018 All Rights Reserved.