POM・ジュラコン・デルリン・セルコン・ユピタール・テナックについて

2020年2月9日




 

今日は「POM・ジュラコン・デルリン・セルコン・ユピタール・テナック」についてのメモです。機械設計をしていると図面の材質指定にPOMなどの記載がありますが、何種類か見る事があるので以下の

  • POM
  • ジュラコン
  • デルリン
  • セルコン
  • ユピタール
  • テナック

について、これらは実際にどのような違いがあるのか簡単にメモしておきます。

基本材質はPOM

POMという材料はポリアセタール、ポリオキシメチレンの略称であり、強度・弾性率・耐衝撃性に優れたエンジニアリングプラスチックとして用いられています。摺動特性にも優れているので軸受け部品としても利用されていますね。

このPOMは以下のような呼び方と違いがあります。

 

  • POM:ポリアセタール及びポリオキシメチレンの略称
  • ジュラコン:ポリプラスチック社のPOM商品(Duracon)
  • デルリン:アメリカ合衆国の化学会社「DUPONT(デュポン)」のPOM商品(Delrin)
  • セルコン:セラニーズの子会社「Ticona(ティコナ)」のPOM商品
  • ユピタール:三菱ガス化学社のPOM商品
  • テナック:旭化成のPOM商品

 

このように、沢山の名称を持つ理由は基本材質POMを各メーカーの同等品に置き換えたメーカーの「商品名」ということですね。

 

【補足】設計としてはどのような表現が適切か

設計の人は極力「POM」という購入幅を広げるような表現を使用した方がいい気もしますが、生産管理もしくは加工側から考えると曖昧な表現なのかもしれませんので

 

特に細かい特性まで必要無い時は材料欄には「POM」という表現より、シェアが比較的多い「ジュラコン相当」とか、「デルリン相当」と記載した方が問合せ回数が減るかもしれませんね。 もちろん量産部品であればメーカー・材料名称まで指定するべきでしょう。

 

以上です。