今日は「メカストッパーとオーバーランセンサの位置関係」についてのメモです。
先日、機械一部の「モーター+ボールねじ」の機構において、メカストッパーとオーバーランセンサをつける作業がありました。
設計を始めた当初は オーバーランが何か・メカストッパーとオーバーランセンサの位置関係が解らなかった ので、今日は「メカストッパーとオーバーランセンサの位置関係」についてのメモしておきます。
オーバーランセンサーとは予定している動作範囲(予定していた移動量など)を越えた際に機械を緊急停止させるためのセンサーです。 そしてこれには 基本のレイアウトがあります ので、簡単な説明ではありますが考え方の参考にしてみてください。
メカストッパーとオーバーランセンサの関係
では早速、メカストッパーとオーバーランセンサの位置関係をメモします。
ここでは、最近使う事が多くなった電動アクチュエータを使って基本レイアウトをまとめます。
このようなレイアウトが 基本的な使い方 です。
位置で言うと
となります。
上記で参考にさせて頂いた機器はCKDさんのETSシリーズです。 モーター+ボールねじの構造でガイド付きテーブルが駆動されます。 今回のレイアウトは参考にし易かったので使わせていただきましたが、直動系の構造であればこの位置関係は基本全てに該当する と思います。
オーバーランセンサは 予定している範囲を超えた所で「超えているよ」という事を把握するためのセンサ であり、メカストッパーは これ以上行けない状態を作るもの です。(今回の参考は機器内部にメカストッパーが付いています)
では、以下補足いたします。
オーバーランセンサについての補足
これをみて、メカストッパーが内蔵されているなら
- オーバーランセンサって要らなくない?
- メカストッパに当たった際に過負荷アラーム出るよね
- 使用ストロークがフルストロークギリギリ使う場合設置できないよね
など、オーバーランが必要ない、もしくは付けられない時もあると思いますが、確かに 衝突速度・衝撃が低く、構造上でメカストッパーに当たるまで関連する他の部分が当たる事はない場合は、必要性が低い かもしれません
が、
それは あくまで想定上の設定で駆動された時の話 であって、実際は予定していなかった タクトタイムを縮めるために駆動スピード上げることも想定される ので、基本的に必要だと私は考えています。(ここは相談ですね、お客様では判断しきれない部分もあるかと思います)
また、センサには NO(ノーマルオープン)とNC(ノーマルクローズ) という区分があります。 簡単にまとめると
- NOタイプは 物体が検出領域内に無い状態では出力OFF、物体を検知して出力開閉素子がON となるセンサ。
- NCタイプは 物体が検出領域内に無い状態で出力開閉素子がON、物体を検知して出力OFF となるセンサ。
であり、取り扱うワークの検知(無い所から物体を検知する)にはNOタイプを一般的に利用し、オーバーランなどは、断線した事も検知するためにNCタイプを使います。
- オーバーラン=ONしている所からOFFになるので非常停止合図となる
- センサの故障(断線)=ONしている所からOFFになるので非常停止合図となる
ですね。
メカストッパーについて補足
メカストッパーも同様です。機械は想定外のことが起こりうるので、別途設置する場合は 予定の衝撃ではなく最大値での衝撃を考慮するべき です。 もしかしたらその重量物が破損・転倒などで人災になる可能性もあります。
今回参考にした機器は内部にメカストッパーが含まれますので外部のメカストッパーは、何か別の用途が無ければ必要ありません。
以上です。