JISで推奨されている図面尺度と実用的な図面尺度

2023年12月3日




今日は 「JISで推奨されている図面尺度と実用的な図面尺度」 についてメモします。

 

尺度とは 対象物の実際の長さ寸法に対する原図に示した対象物の長さ寸法の比 ですが、 私たちが扱う機械製図において JISZ8314 製図-尺度 では図面に利用してよい尺度を規定しています。

 

今日は JISで規定されている尺度と実際に実務で用いる際のポイントをメモしておきます。

図面の尺度・縮尺・倍尺

尺度の種類と記載のルール

尺度とは 長さをはかる規準 ですが、製図において尺度は3つに分かれます。

  • 現尺=1:1
  • 倍尺=1:1より大きい尺度(2:1)
  • 縮尺=1:1より小さい尺度(1:2)

です。

 

この尺度は一枚の図面にいくつかの尺度を用いることも多く、その場合、 主となる尺度だけを表題欄に示し、そのほかの「すべての尺度」は詳細を示した図近くに示す というルールがあります。

 

また、尺度についても推奨とされる尺度(第一選択)と、 やむを得ず推奨尺度を適用できない場合には中間の尺度(第二選択)を選んでもよい。というルールもあり、それを含めると以下のようになります。※倍尺は第一選択のみ表示しています。赤太字が第二選択です。

  • 現尺=1:1
  • 倍尺=50:1、20:1、10:1、5:1、2:1
  • 縮尺=1:1.5、1:2、1:2.51:3、1:4、1:5、1:6、1:10、1:15、1:20、1:251:301:40、1:50、1:60、1:100、1:200・・・・・

となっています。

 

それ以外の特別な条件として、 上記に示した尺度より大きい倍尺又は小さい縮尺が必要な場合には上記尺度の範囲を超えて上下に拡張してもよいが用いる尺度はこの表の尺度に10の整数乗を乗じて得られる尺度にする というルールもあります。

 

上記の縮尺の中には 1:8 がありませんが、私の場合は図面尺度に 1:8 を追加して運用 しています。 JIS的にはダメなのかもしれないのですが、 1:6 と 1:8 の選択で図面の見え方が大きく違うのと、 今ではあまり見ることがありませんが 三角スケール というもので 1/400表示 があるので倍にして読めば読めるから という設計駆け出しのころ教わったことを今も適用しています。

 

では次に、図枠と尺度について  JISにも記載してある

尺度は,描かれる対象物の複雑さ,及び表現する目的に合うように選ぶ。 すべての場合において,描かれた情報を容易に,誤りなく理解できる大きさの尺度を選ばなければならない。すなわち,図面の大きさは,尺度と対象物の大きさとで決まる。

これについて補足をメモします。

 

 

図面サイズに対する尺度の選択方法

図枠サイズと尺度の関係

ここでは、一品一葉図面(図面1枚に1部品)に関して書いていきますが、 図枠と尺度の選択が図面の見やすさを決めるといっても過言ではない位大切 になります。

 

私の考えとして 文字は形状認識を邪魔するものだから文字の大きさとモデルのバランスでおおよそ図枠を決めても良い と思っていて、組立図は現尺(1:1)で表現するというのはものによっては難しいのですが、部品図に使用する尺度の目安第一候補は1:1で書ける図枠サイズ とし、A1~A4は問わない ですが 図枠内の部品占有率が70~80%程度が埋まるサイズの選択がベスト だ思います。

 

図枠に対して小さすぎてもダメだし大きすぎてもダメ。 部品図はデザイン なので見た目が綺麗な図面を心がける必要があります。  斜視図で測定目的は基本的になく、形状を伝えやすくするものなので、 斜視図においては第二選択の 1:1.5 や 1:2.5 を使用して良いと思っています。

 

図枠の中には 

  • 基本的に外観3面入れるようにする(必要に応じて6面)
  • 断面で見せた方が解りやすい面を出す
  • 詳細(部分拡大)したい部分を配置する
  • 必要に応じて斜視図を余った場所に出す

 そしてこれらに寸法が入り、その内容が 図枠に対して7~8割の表現が出来る図枠を選択 していきます。

 

 

認識のしやすさで尺度を選択する

先ほど 部品図は1:1の現尺をベースに。 とメモしていますが、特例として、機械の安全柵カバー(ガードカバー)などのように、 四角に穴だけ みたいな 容易に形状が認識できる部品は 縮尺を掛けて 小さく表示(1:2など) などでも良いです。 逆に 小さい部品は 積極的に 倍尺を掛けて 大きく表示(2:1など) した方が良いでしょう。

 

補足:図枠に3面以上入れる必要性について

例えば、「3-φ10通し」 などとした場合、穴が確定となるので 側面は書くな という教育を受けた方もいらっしゃるかと思いますが、それは 2DCADによる作図の場合、正面・側面・平面 が合っていない図面が目につくこと、それによって製作ミスが起きるためにそのような言い方をされてきた歴史があります。

 

3DCADにおいてはそのような事が基本的には起きないので、適切に側面や平面を書くのは必要だと個人的に思っています。 むしろ6面好きです。

 

図面を扱う会社さんの中には 「簡単に出せるんだから基本的に6面入れなさい」という会社さんもあります。 この6面出すという作業のメリットは沢山あって、またどこかで記事にしたいのですが、 作図している時や、出図された後のことを考えると親切に入れておいた方が使い勝手の良い図面になりますので私は最低3面入れること、少し紛らわしい部品は6面入れることを推奨しています。

 

最後に

わざわざ記事にする内容でもなかったかもしれないのですが、 図面はデザイン。設計センスがあっても図面が汚かったら勿体ない です。 私も引き続き綺麗な図面を書いていくよう努力していきたいです。

 

以上です。

 

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