多関節ロボットを部分的に利用する事の構造的メリット

2020年2月1日




 

今日は、最近僕が感じている「多関節ロボットを部分的に利用する事の構造的メリット」についてのメモです。

多関節ロボットのメリット

多関節ロボット導入の設備の構造的メリット

先日、こんな呟きをしました。

 

 

多関節ロボットを部分的に利用する事のメリット

・複雑工程の省スペース化が可能
・工程前後レイアウトの自由度

ただ、導入後の貢献度が図りづらい事から初期費用に目が行きがち

ロボットは導入した後の改造・工程変更などの費用が安く済むはず

つまり見えづらい部分のコストダウンになると思う

 

 

今日は多関節ロボットのメリットを、メカ設計者目線から見てみたいと思います。

 

多関節ロボット導入で複雑な工程の省スペース化が可能

多関節ロボットと言うと、誰もが「複雑な動きが可能」という認識だと思います。

 

確かにそうなんですが、大切なのは複雑な動きか出来るからこそ複雑な工程が省スペースで可能になるという事だと思うんです。また、複雑な動きの軌道をコントロール出来るため、障害物も避ける事が出来ます。これにより

 

  • 既存の機械を動かせない時
  • 単純なメカ構造が入らない時

 

などには有効かと思います。多関節ロボットは各動作を省スペースで済ませる事が出来るというメリットがとても大きいです。

 

補足

省スペースと言うのは、要素同士が接近できるという意味で、カバー・安全柵は各社ルールに従い必要になります。

 

 

多関節ロボットによって工程前後のレイアウトに自由度が出る

機械と言うのは基本的に、縦に積み上がるか横に繋がっています。そしてそれらが決められた位置に設置されていないとダメですが、多関節ロボットを使うメリットをざっくり言うと

 

機械同士が一旦離れちゃっても大丈夫

 

という点ですね。その離れ方は縦にも横にも斜めにも対応できるので、他の基準・要素を両立させる事ができるようになります。簡単な例を挙げると

 

機械AとBはお互いにパスレベルが違うためAにBを合わせる

 

といった事をしなくてもよくなります。AはAが最大限活かせる構造、BもBで最大限活かせる構造、その両方を繋ぐことができるのです。

 

 

 

多関節ロボットは導入後の貢献度が一番メリットがあると思う

多関節ロボットは、導入後の貢献度が図りづらい事から初期費用に目が行きがちです。これまでの2点のメリットを考えると、多関節ロボットを部分的に利用することで

 

  • 機械の分離
  • 機能の遮断

 

が出来ます。例えば導入後に生産するワーク変更や、設備変更が必要になったとき、一連の機械よりも扱い易いというメリットもあります。

 

扱いやすい → 改修工事が楽 → 結果的にコストが安い

 

つまり、見えづらい部分のコストダウンになるんです。もちろん、潰しの利かせ方は生産するアイテムにもよりますし、生産技術さんの腕に掛かる所だと思います。

 

以上です。

 

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