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・ボールねじ

ボールねじの与圧動トルク計算式

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今日は「 ボールねじの与圧動トルク計算式」についてのメモです。

ボールねじを利用した機械では、機械の種類によって精度の要求度合いが違うため、転造ボールねじでよい機械もあれば、精密ボールねじである程度の精度を出したい機械もあります。今日は精密ボールねじの中でも、より高精度に機械を動かす為に選択する「与圧」の計算式「ボールねじの与圧動トルク計算方法」をメモしておきます。(この記事ではTHKさんの資料を参考にしています)

与圧トルク計算

ボールねじ予圧に関するJIS規格

まず始めに、JISの確認です。ボールねじの与圧に関するJIS規格は以下の情報を参考にしてみてください。

 

  • JISB1192-4(ボールねじ-第4部:軸方向静剛性)に準じて管理されている

 

 

ボールねじの与圧とは

ボールねじに与圧を与える目的と方法

冒頭でも触れましたが、ボールねじは選択する物によって動作における精度に大きく影響します。

この与圧という作業は一般的に与圧が設定されている物(ボールねじでいうナットに当たる部品)を購入して利用しますが、この与圧はボールねじの軸方向すきまが無く軸方向荷重に対しての変位量が小さくなるために高精度位置決めを行う場合、予圧品が適しています。また、ボールねじに予圧を与えるとナット部の剛性が増します。

 

与圧動トルクに関する用語

予圧動トルクというのは、予圧を与えたボールねじを外部から荷重の作用しない状態でねじ軸を連続して回転させるのに必要なトルク(駆動の邪魔をするトルク)ですが、この与圧動トルクにおける用語がいくつかあります。

 

  • 基準トルク ※ここを設計側で計算・想定(把握)します
    目標として設定した予圧動トルク。

  • トルク変動値と変動率 ※ここを設計側で計算・把握します
    目標として設定した予圧動トルクの変動値。基準トルクに対して正・負の変動。変動率はその割合。

  • 実トルク
    実際のボールねじについて測定した予圧動トルク。

 

与圧動トルクの計算式

計算に必要な項目は以下の通りです。

  • d:ボールねじ外径(カタログで確認)
  • β:リード角(カタログで確認)
  • Ph:リード (カタログで確認)
  • L:ボールねじ部長さ(カタログで確認)
  • dp:ボール中心径(カタログで確認)
  • Fa0:予圧荷重(メーカーに確認必要)
  • H1:トルク変動(%)※下記表より選ぶ

 

計算は以下の順番で行います。

① リード角を求める
tanβ=(Ph/(PI()*dp))

②与圧による基準トルクを求める ※N・mm
Tp[N]=(0.05*(β)^-0.5)*((Fa0*Ph)/(2*PI()))

③与圧による基準トルクを求める ※N・m
Tp1[N]=Tp/1000

④与圧トルクの変動値の計算条件を求める
H=L/d

これから先の上変動値・下変動値を求める為に、この表から利用するボールねじの変動域を確認します。

⑤与圧トルクの変動値を求める(マイナス側)※N・mm
Tp2[N]=Tp*(1-(H1/100))

⑥与圧トルクの変動値を求める(プラス側) ※N・mm
Tp3[N]=Tp*(1+(H1/100))

⑦与圧トルクの変動値を求める(マイナス側)※N・m
Tp4[N]=Tp2/1000

⑧与圧トルクの変動値を求める(プラス側) ※N・m
Tp5[N]=Tp3/1000

 

与圧動トルクの計算シート

ここでは与圧トルクの計算シートをダウンロードしていただけます。使えるようでしたらどうぞご利用ください。

以上です。






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