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機械設計メモ2

・部品図の書き方 4.図面

累進・直列・並列寸法の入れ方と使い分け

投稿日:2019年8月16日 更新日:




今日は「累進・直列・並列寸法の入れ方と使い分け」についてのメモです。

機械設計における寸法の入れ方は各社・扱う部品に応じてそれぞれですが、時にその寸法の意味を間違った使い方で書いてある図面もあります。今日はそれら寸法の入れ方と特徴をまとめます。設計初心者の方は是非参考にしてみてください。

寸法の種類と特徴

機械部品の寸法の入れ方でよく聞くのが「基準・公差」というキーワード。一つの部品に対して基準が設けてあり、それら基準から寸法をおってあるのが基本中の基本ではありますが、機械部品は一緒に組み立てられる他の部品との関係性も合致するものでないといけません。

また、一つの部品で寸法の入れ方や寸法の種類を統一できる訳ではないので注意が必要だと思うんです。それらの意味を、寸法の種類・特徴・使うポイントの3つに分けてまとめていきます。

 

直列寸法記入法とその使い方

直列寸法は文字通り同一直線上に寸法を記載する方法です。

直列寸法記入法

特徴としては個々の寸法に与えられる寸法公差が累積することです。

直列寸法記入法のポイント

穴と穴など、指示箇所からの相対位置を公差範囲内で要求する場合に利用します。

 

 

並列寸法記入法

並列寸法は、寸法を入れる部品に基準・基準面を設け、その基準から並列にそれぞれの寸法を記載する方法です。

並列寸法記入法

特徴として個々の独立した寸法にそれぞれの寸法公差が適用されます。

並列寸法記入法のポイント

基準面からの絶対位置を公差範囲内で要求する場合に利用します。

 

 

累進寸法記入法

累進寸法は並列寸法を同一直線上に記載する方法です。

累進寸法記入法

特徴として並列寸法のように個々の独立した寸法にそれぞれの寸法公差を適用しながら寸法の省スペース化が可能となります。

累進寸法記入法のポイント

基準面からの絶対位置を公差範囲内で要求する場合に利用します。

 

 

補足:ここでいう公差について

ここでいう公差とは、特に記載しない一般公差と、一般公差ではない入力する公差両方を示します。(一般公差はJISB0405)

長さに対する許容差

上記を見ると、距離が長くなればなるほど寸法の入れ方によって狙った穴の位置から大きくずれる事が理解できるかと思います。

 

 

一つの部品で寸法の入れ方や寸法の種類を統一できる訳ではない

私が複数社の図面を拝見している感覚ですと

  • 製缶品(製缶加工品)や板金部品:直列寸法+並列寸法の織り交ざった図面が多い
  • 機械加工品(全切削部品):直列寸法+並列寸法が織り交ざる図面と、累進寸法+並列寸法が織り交ざる図面が半々くらい

こんな感じです。製缶品や板金を扱う図面では累進は不向きだと思いますので「直列+並列」というのは良くて、先ほど書いた特徴の「個々の寸法に与えられる寸法公差が累積する直列寸法」と「個々の独立した寸法にそれぞれの寸法公差が適用される並列寸法」を理解していれば問題なく寸法を入れられます。他の部品との関係性で言えばお互いに取り付くよう基準を揃えて図面を書くとよいと思います。

例_直列と並列寸法

※但し、並列寸法と累進寸法は同じ意味になるので、お勧めはしませんが混乱を招かないレイアウトであれば並列寸法の場所を累進で記載しても大丈夫ということになります。

そして、少し難しいのが、機械加工品(全切削部品)です。単純な形状であれば「直列+並列」で全く問題ありませんが、複雑な部品では出来る限り部品の形状を見やすくしたいので、寸法スペースが少ない累進寸法を利用する事が多いです。しかし、累進寸法は基準からの各寸法にそれぞれの寸法公差が適用されるので、公差穴間などの公差は別途直列もしくは並列寸法が必要になります。

例えば、累進寸法で入れている所に穴間公差を適用する場合

例_累進寸法と並列寸法

このような記入方法です。また、累進寸法はとても便利ではありますが、同一線上に寸法を入れ込むので寸法補助線が出まくるのが見にくさを生んでいる場合があります。そのため、累進寸法でも出来れば穴・面などの属性で分けるとよいと思います。(精密機器の部品ではこの入れ方をしているのをよく見かけます)

 

最後に各寸法記入法のJIS

最後に、直列・並列・累進寸法記入法のJIS規格をメモしておきます(一般的ではないですが他の寸法記載方法もありますのでご参考に)

JIS Z 8317-1:製図-寸法及び公差の記入方法-第1部:一般原則

https://www.jisc.go.jp/app/jis/general/GnrJISSearch.html

以上です。






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