窒化処理の種類と特徴(要点だけメモ)

2020年1月8日

 

今日は「窒化処理」についてのメモです。一言に窒化(チッカ・ちっか)といっても種類が豊富ですが、今日は数多くある窒化処理の種類と特徴を要点だけメモしておきます。




窒化処理とは(nitridization、nitriding)

金属に窒素を浸み込ませるプロセス全般を指し、金属(鋼)表面を硬化する処理のこと。熱処理温度が低いため歪が少ないのが大きな特徴で、表面を硬化させる別の熱処理(浸炭焼入れ・高周波焼入れ)と比べても歪が少なく処理前の加工品で応力除去がしてあると歪がさらに無くなる。

また、硬化層はすごく強いが薄いため圧力に弱い。よって、高面圧負荷がかかる部位への適用が難しい。

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【補足1】

熱処理全般に言えるかもしれませんが、窒化処理による結果を左右するのは、各社処理メーカーのノウハウ。一般名称から枝分かれしてより凄い処理が可能になっているため、まずは相談をするのが最適だと思う。またメーカーごと売り(オリジナル?)の処理があるため幅広く確認が必要

 

【補足2】

窒化処理をした時の後の処理厚さ及び硬度には依頼する処理メーカーの実績を確認すると良い。(オーダーに対応してくれる場合有り)

 

【補足3】

溶接部にも窒化処理は可能(丸ごとOKという意味)

 

【補足4】

窒化させたくない場所は、処理の種類にあわせた窒化防止剤または塞ぐなどをして対応可能(処理メーカに要確認)

 

 

窒化処理全般における特徴

  • 表面に細かい窒化層を作る
  • 鋼の組織を変えずにそのまま膜を付ける。表面は硬いが薄いので圧力に弱い
  • 擦れる・時に滑らせる環境で利用される事が多い

 

窒化処理を利用するメリット(長所)

  • 低温度での処理の為、変形が少ない(歪まない窒化処理もある)
  • 耐摩耗性、耐食性に優れている
  • 摺動性を向上させる(摩擦係数の減)
  • 摺動部での相手材とのかじりが発生しにくい
  • ガスが届く範囲であれば硬化することが可能、小間隙の処理や内径の処理が容易

 

窒化処理を利用した場合のデメリット(短所)

  • 硬化層が浅い
  • 面圧が掛かる場所への適用が難しい

 

窒化処理の種類と特徴

ガス窒化の特徴

  • 材質問わないがSUSは不可
  • 窒化の中で一番処理に時間が掛かる
  • 高コスト
  • SACM645に処理をすると効果が大きい
  • 窒化層は深め

 

ガス軟窒化(SN処理・エスナイト処理・SNプロセス)

  • ガス窒化を浅く早く行う(ガス窒化とは違う処理をする)
  • ガス窒化より短納期、低コスト、無公害
  • Crが窒化化合物生成を阻害するためステンレスには不向き
  • 乳白色
  • 窒化層は浅い(ガス窒化より硬度が低い)

 

特殊浸流窒化(MIC処理・ミック処理)

  • 潤滑性が高くすべりが良い
  • SUS材の窒化が可能

 

塩浴軟窒化(タフトライド)の特徴

  • 材質問わない
  • 仕上がりはグレー
  • 安価で短納期
  • ガス軟窒化が代替にされることがある

 

プラズマ窒化(イオン窒化)の特徴

  • 鋼材を選ばない(特殊材料は確認必要)
  • くすんだシルバー
  • 分子をぶつけるため内径部には処理が難しい
  • 高価
  • 綺麗

 

ラジカル窒化

  • エッジ部の欠損・クラックの発生を改善できる
  • 化合物層が出来ないため磨き不要
  • ラジカル窒化後の窒化部分は溶接可
  • ラジカル窒化後の窒化部分はメッキ可
  • 膜の剥離が無い(拡散浸透型)

 

カナック処理

  • 高密度の硬化層
  • 脆弱層(ぜいじゃくそう)がない
  • 耐ヒートチェック(熱疲労亀裂)性に優れる
  • 焼き付き、かじり改善
  • 処理後の溶接可

 

ガス浸硫窒化

  • 高Cr合金鋼にも可能
  • ガス軟窒化よりは高価

以上です。

 

関連記事:熱処理/表面処理

 

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