機械設計でフリーランスになる方法と、なった場合の話

2020年7月26日




 

今日は「機械設計でフリーランスになる方法と、なった場合の話」の話です。

 

※この記事は常に最新情報でリライトしています。(リライト日は更新日をご確認ください)

 

機械設計というお仕事をしていると、色々な機械・製品を設計してみたいとか、もっと年収をあげたいとか、技術者それぞれ 先の事を考えている かと思いますが、その中に 機械設計でフリーランスを目指す・独立する という選択肢もあるかと思います。

 

良いこともあれば上手くいかないこともあります。 この記事では、フリーランスになる為にやっておく事、実際にフリーランスで働くメリットやデメリットなど、リアルな話をします。少し長い記事になってしまいますが、是非参考にしてみてください。

機械設計でフリーランスになる方法と、なった場合の話

機械設計者のフリーランス

①フリーランスになる為の準備・具体的な方法

では早速、フリーランスになる為の準備と具体的な方法をメモします。 ・・・・・方法といいましても、 フリーランスになるには開業届けを出せば良いだけの話 なので特に難しくはないです。 費用も書類の郵送費程度です。

 

ちなみに私は開業に当たって freee というWEBサービスで行いました。  このサービスは開業から日々の経理、確定申告まで出来るWEBサービスで、2024年の今でもずっと継続しています。

 

それとは別に、フリーランスになる為の実質的な準備・タイミングの話をしていこうと思いますが、 機械設計でフリーランスになる為の準備ポイントは3つ あると思っています。

 

  1. 独立時のお客様について
  2. CADの準備について
  3. 集客の準備について

 

です。 

 

 

①-1 独立時のお客様について。2ルート獲得しておくと良い

まず、フリーランスとして活動するに当たって 2ルート以上獲得しておく、もしくは取って行く動き が必要だと思います。 「パターン」という表現を利用していますが、 一つは実際に仕事を出してくれるお客様と二つ目はパイプとなってくれるお客様 です。

 

機械設計者の一般的な独立は、一人で仕事をこなす事が多いので、 仕事を出してくれるお客様が複数ある場合にどちらかを選ばなければいけない状況になる ため、始めは 安定してお仕事をくれそうな企業様一社だけでも良い と思います。

 

この1社が見つかっていない場合は独立はやめたほうが良いと思います。

 

そして、実際に仕事をくれるお客様は一社でいいの? と、心配な方もいらっしゃるかもしれませんが、与えられた仕事を最後までやりきる事を繰り返していれば、仕事を得られやすい環境を作れるようになります。 そして、その設計者を気に入ったお客様が、フリーランスの引退まで抱えてくれる場合も多いです。 

 

ただ、それだけだと足りなくて、2つ目の パイプとなってくれる企業様 との交流も必要です。 私はここが現場によく出入りしている商社さんでした。

 

私はたまたま 仕事をやめるときに「仕事を出したい」言ってくれていたお客さんからお仕事をすぐもらえましたが、中にはフリーランスになった途端、来るはずだった仕事が来ない方も居る んです。 

 

フリーランスは甘くないので、そうなった時のためにも、 事前に発注のお約束をしてくれているお客様1社と、今後、他のお客様に繋いでくれそうなパイプを強く持つ企業様(WinWinになれる関係)との良好な関係作りがフリーランスになる場合押さえておくポイント だと思います。

 

ここの関係作りですが、普段 サラリーマンでの仕事の中で構築していくのが一番自然 だと思いますが、これが今在籍している会社との契約上で問題となる事が多いので、SNSや知り合いをたどって副業と言った形でゆっくりとしたスタートを切っていくのも良いと思います。(これは③でもお話します)

 

 

①-1-1 業務内容も2パターン以上あると良い

実際に獲得ルートが2パターンあっても、業務内容が同じもしくは似ている場合はリスクがあります。 2019年12月から流行したコロナウィルスの影響で日本以上に世界の影響が製造業にありました。 その中でも影響が大きかったのが部材の不足です。

 

私は運よく 新規の機械設計と既設改造の設計 この2つのパターンを得ていた ので 部材不足が大きく影響した新規の機械設計が減った分は改造の仕事で案手した収入を得ることが出来ました。

 

機械設計でフリーランスになる場合、得意分野で活動していく事に加えて、その技術が活かせる、もしくは過去やった事がある別のジャンルでの仕事を得る気持ち・動きがフリーランスとしての活動を安定させる と思います。

 

 

①-2 CADの準備について。 時代はサブスクで大きな継続出費が懸念される

2020年以降のCADについて、大きな変化が起きてきています。 従来は買い切り(スタンドアロン)で仕事が出来ていましたが、CADもサブスクリプション化してきた ことです。

 

これは、私たちフリーランスと同じく、CADを扱い企業様全体に大きなコスト増となっています。 

 

もちろん、得意なCADを準備したり、お客様が決まっていれば、始めから借りる申し出をしておくことで乗り切れますが、それでは保証がない状態で活動していくことになるので、例えばソリッドワークスで独立を考えているようならサブスクリプションに加入する勇気が必要になるかと思います。 

 

 

 

 

①-3 集客の準備について。 SNSやブログでの集客も準備をしておく事が望ましい

これは絶対にやってください。 その理由はリスクヘッジになるからです。 SNS運用は、この後に出てくる仕事を得る方法の一つとなります。

 

おすすめの持つべきSNSはX(旧Twitter)とブログで、尚且つ専用アカウントを持つこと です。

 

実際、私はX(旧Twitter)を運用していますが、プライベートな内容は呟いても後で消したりアカウントに機械設計という色をつけています。この Xアカウントを持つ事は、機械設計でフリーランサーになるなら必須じゃないでしょうか。 ただ、私は集客においてブログをメインに行っていきたい気持ちから、2024年からXは情報収集利用のみで一言はブログTOPページで行うようにしています。

 

 

その他:設計の妥当性を図る備品は準備必要なし

フリーランスになると不安なのが 自分の知らない分野へ触れた時に自分の設計が正しいか不安になる ことです。

 

会社の時は各部署ごとに分業していた仕事も、フリーランスになると広範囲で取り組む時があります。 検証作業も現場でやってもらっていたのを自分でやらなければいけないと感じる時もあります。

 

しかし、検証機器を集めだしたらキリがありません し、目安を測る程度の検証機器はもっていても効果が薄いので不要だと思います。 我々設計者が求めるのは長期間で安定的に動く機械なので、その長期間の検証は現場でないと出来ない のです。

 

その為、この部分での準備は不要だというのが私の持論です。 設計の妥当性を図る機器よりも現場で一緒に組み立てるための工具を準備するほうが良いでしょう。

 

 

その他:設計スキルは必要最低限で良いがそのレベルは高い

開業に必要な備品購入は最低限CADとPCくらいなもので高くても200万有れば済みますが、 設計独立に向けて設計スキルがどれくらい必要か というのも気になる所ですが、 結論、必要最低限だけ設計スキルあればフリーランスにはなれます。

 

この最低限というのがあいまいなんですが、自身で完結できる能力が最低限必要です。

 

逆に言えばお客様の求めるレベルであれば十分だということです。 もちろん、十分足りているか不安な事もあるし、実際始めたら必要な知識も見つかるでしょうが、 それはその時に学べば良いこと なのでスタートしてみることが大切で一番大切な行動です。

 

ただ、 生産設備の設計がしたいのに過去ジグだけしか設計した事がないなどは少し無謀な独立になる ので、フリーランス開始時は自分の得意分野で攻めるのが良いかと思います。

 

 

 

②フリーランスでの実際

②-1 実際の年収(私の場合)

フリーランスになった時の月収・年収ですが「(時間単価×労働時間)-経費-税金=手取り」ですね。 私の実績を話すと(時間単価×労働時間)が、 1年目の2018年は売上1000万、 2年目の2019年はコロナの影響で800万、 3年目の2021年は1200万、 4年目の2022年は1900万、 5年目の2023年は3200万(見込み)です。

 

私の場合、協力会社さんにお仕事を振ることもあるので売り上げは上がるものの、個人の所得としては普通です。 機械設計のフリーランスになると、設計単価3000〜3500円で、一年間プロダクト販売無し、単純な工数請求の場合、フルで仕事があれば年収は1200万〜1300万あたりがほぼ最高値になります。 

 

ただ、このあたりになると 税負担が大きくなってくるので 単純計算 (売上-経費-控除)/2=現金 という計算 になります。

 

実際、設計メンバー募ってがむしゃらに働いた2023年は売り上げで3000万を越えましたが、私一人の工数には限界があることから個人的な所得は変わらなかったです。(むしろ出張しまくっていたので経費が増え所得が減る結果となっています)

 

この経験により、基本工数報酬なので働けば働くほど税負担が増えてくることから。 私みたいに設計ばっかりしていたいという人は節税という意味で単価をガツンと下げるのがお役様にとっても自分にとっても良いのかもしれません。(これについてはいつも悩んでいます)

 

ただ、 フリーランスは時間配分を自在に調整できるメリットがあるので、会社員の方と単純に年収で比較はできない です。 私の場合は、年収以外の時間的メリットが家庭事情にも合っているためにフリーランスを維持しています。

 

 

 

③最後に

以上で、機械設計でフリーランスになる方法となった場合の話を終えたいと思います。 どうだったでしょうか? 機械設計のフリーランスに魅力はありますでしょうか?

 

私はフリーランスになって得られる物が増えました。 残業が続いていたサラリーマンの時とは違い、今は家族との時間も増えました。 もちろん、仕事が無い時の不安や収入の保証など失った物も大きいと理解しています。

 

私たち製造業には多くの問題があると思いますが、その問題の解決策の一つに、我々機械設計フリーランサーの充実もあるかと思っています。 私は引き続き機械設計フリーランサーとして頑張っていきますし、悟った話や有力情報はどんどん発信していきます。

 

以上です。

 

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