金属や樹脂を温める為に必要な加熱容量の仮計算

2017年4月13日




今日は 「金属や樹脂を温める為に必要な加熱容量の仮計算」 についてのメモです。先日のお仕事で金属を暖める「カートリッジヒーター」の選定をしました。そこで金属を温める為にどれだけの容量が必要なのかを計算しましたので、そのときに作成した計算シートをUPしておきます。

金属や樹脂を温める為に必要な加熱容量の仮計算

加熱容量を仮計算するために必要な情報

計算に必要な情報は以下のとおりです。

  • A被加熱物の質量(kg)
  • E被加熱物の比熱(kcal/kg℃)
  • C上昇させる温度(℃)
  • D加熱時間(h)

※Dの加熱時間は加熱するまでに使ってよい時間だとお考えください。

※比熱とは1gあたりの物質の温度を1度あげるのに必要な熱量で、比熱は大きくなるほど、温まりにくく、冷め難い。

 

金属や樹脂を温める為に必要な加熱容量の仮計算

 

必要な容量を求める(kWの場合)

・W[kw]=(A*E*C)/(860*D*0.35)

※効率(п)は一般的に0.2~0.5であるのでこの計算シートでは中間値0.35を利用しています。

 

必要な容量を求める(Wの場合)

・W'[kw]=(A*E*C)/(860*D*0.35)*1000

 

補足:比熱(単位:J/kg℃)から(単位:kcal/kg℃)への変換式

・950/4.18605/1000=0.227

※上記計算式における数値950はアルミの比熱950(J/kg℃)です。各メーカー様ごと比熱単位が違うので、今回の計算式では「kcal/kg℃」を利用していますので、ご参考になる比熱単位が「J/kg℃」の場合は「kcal/kg℃」に変換してください。

 

計算エクセルのダウンロード

加熱容量の仮計算のフォーマットは以下でダウンロードできます。どうぞご利用ください。また、このエクセルシートは比熱単位「J/kg℃」で入力し、シート内で「kcal/kg℃」へ変換して計算しています。

 

使用上の注意

上記の加熱容量の仮計算は、暖める物体の置かれている環境を正確に考慮していません。このエクセルシートでも「仮」と表現していますが、実際の設計としては

  1. 金属や樹脂を温める為に必要な容量を仮に計算する
  2. 設計が終了したモデルや環境において放熱を調べる
  3. 放熱を加味しても仮計算で選定した容量が必要能力に満たしているか確認する。

という作業が必要です。

 

以上です。

 

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