生産設備・機械・治具を注文する人に必要な仕様書の雛形

2017年4月10日




今日は「生産設備・機械・治具を注文する人に必要な仕様書の雛形」についてのメモです。

 

自動化機械の設計・製造を頼みたいがどんな風に頼んでよいか、仕様書をどう書いたら良いか解らない方などは参考に使ってみてください。

機械の仕様書

 

機械や製造装置の仕様書の書き方は、機械の設備によっても色々な仕様書が存在します。

引用:仕様とは

作るものに関し要求する、特定の形状・構造・寸法・成分・精度・性能・製造法・試験方法などの規定

それら仕様を基に、機械メーカーでは計画、設計、製造していきます。まずは仕様書の雛型をダウンロードしていただき、一緒に見ながら理解を深めてもらえればと思います。

 

 

機械仕様書の説明

ではここから、仕様書の雛型に記載してある内容を説明していきたいと思いますが、 前提として仕様書を書くことに慣れていない限りいきなり完璧な仕様書は出来ない ので、途中ですり合わせを行なえばよいという意識で大丈夫です。※説明が不要な所は省きます

 

表紙

特に説明はありません。

 

依頼概要

依頼概要は、記載項目にある通り「依頼内容」です。簡単に説明をするとこのようになります。

  • 依頼範囲:やって欲しいこと
  • 検収条件:ここまで出来ればよいですという「指標」
  • 納期等:ここまでに「検収を終わらせてください」という期日
  • 検収時・提出資料:欲しいもの
  • 保証:納品後の保証期間とその内容
  • その他:その他に依頼しておくこと

 

 

依頼概要の補足。やってはいけない・言ってはいけないことがある

機械を作る場合、これら依頼内容が非常に重要 ですので、この依頼概要のところでとても大切なことは「出来たらで良いです」とか「こういうのあったら良いなと思います」とかの 曖昧な表現や、補足事項を口頭で伝えない ようにしましょう。 

 

それは機械作りにおいて、曖昧な表現から起こる問題が多いためです。 もちろん実現するかしないかわからない機械もあるでしょう。 そんな場合でも明確なゴールを設定することで、機械製造側が目指す機械品質が明確になります。

 

装置概要

特に説明はありません。

 

ワーク概要

機械を設計する上で、このワーク(機械で扱う対象物)は非常に重要です。機械発注側が、この対象ワークを間違えたり、設計が進むにつれて徐々に追加されていくのは基本的に良くありません。図面だけでなく、管理寸法、CADデータなど、ワークに関する情報を充実させると良いです。

 

全体行程概要

これから機械化したい範囲の行程を漏れなく記載します。設計製造側ではこれら記載されている行程を把握・現場確認などを行い機械へと変えていきます。またこれら行程が機械のボリュームを決める大切な要素になるので、ここが多かったり抜けていたりすると見積り金額にも影響が出てくるポイントです。機械メーカーに正しく把握してもらうコツとしてお奨めするのは、QC工程図や動画を用いるなどの方法も細くとして添付することです。

 

工程(番号)概要

ここは上記「全体行程概要」を更に細かく指示をする場合にご利用ください。

 

管理項目一覧

ここでは、全体工程及び工程での管理値を一覧で表示します。管理する機器の記載があると設計がスムーズに行きますので実績のある機器を記載しましょう。新しい機器を利用する場合、管理基準を測定できる物かの検証を先に行っておく必要があります。仕様提出時に管理基準を測定する機器が決まっていない場合、依頼時にどのように機器を選定するか協議してください。

 

条件等

ここの条件等とは、機械が設置される空間から機械に利用する機器のメーカー指定など、設計をしていく上で必要な条件を指定します。機械を構成する駆動機器やセンサーなどは、多くのメーカーが存在しているため、発注側が選択の範囲を絞る事で設計等楽になることがありますので、できる限り条件を指定することが重要です。また、ここで指定するメーカーを今後も利用していくことで設備の運用も楽になっていきます。

 

タッチパネル構成

タッチパネルとは、機械を運転するための指示をしたり、部分的に動作させたり、作業員の方が使うものです。

※キーエンスさんからお借りしました(タッチパネルディスプレイVT3シリーズ)

画像のように、タッチパネルは構成を決めることができます。 そのため、タッチパネル内に記載すべき内容や階層を指定することで画面作成の効率化も図れます。 この部分は 検収付近になって変更が多く発生する場所でもある のでベース設計・構造(ページ内のレイアウト)だけはここで行うようにしましょう。

 

そして、ここは ひな形 を機械製造メーカーさんが持っている場合があるので、それを基に作ってアレンジしていく形でも良いと思います。

 

プログラム構成

プログラム構成は、機械の動作及び構成内容の説明をします。各社扱っている製品(ワーク)は製造工程も様々で、それらワークの対してやって良いこと、悪いことの判断を装置製作メーカーで全て把握することが難しい場合もあります。

 

そのため、サイクル停止から始まり、自動運転時のあるべき払い出し方法の指定をします。

 

まとめ

今回、仕様書を纏めてみましたが私は過去に、プラント系、生産設備、機械要素、航空宇宙関連などなど、比較的他分野の仕様書を見てきた中から仕様書のごく基本的な雛形を作ったつもりです。

 

人材不足への対応や、生産効率を上げるために自動化を急がなければいけない会社さんも多いと思っています。しかし、こういった専用機械の注文自体に難しさもあります。私の力も極わずかではありますが、貢献できればと考えています。

 

また、機械発注に対して仕様書の作成サポートが必要な企業様に対し、機械設計者の私が その時の作業単価 でサポートも承っております。 私のメイン業務ではないのですが、過去それなりに仕様書を見てきているので、最低限のものは作成可能です。 必要であればご利用ください。

 

以上です。

 

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