よく使う「はめあい公差一覧表(JIS B 0401抜粋)」|H7・h6・g6等の数値早見表と軸・穴の選び方

2024年10月26日

 

ここでは、 利用頻度の高い穴(または凹形状)と軸(または凸形状)に使われるはめあい公差(JIS B 0401 抜粋) をまとめています。

 

公差単位は μm となります。

💡 本記事の要点と実務設計のポイント

機械設計の実務で頻繁に使う「はめあい公差(JIS B 0401)」の数値早見表です。H7・H8(穴基準)とh6・g6・f7・k6・p6(軸)の寸法許容差がひと目でわかり、すきまばめ・中間ばめ・しまりばめの用途別の選び方と圧入・位置決めの勘所も解説します。

寸法許容差(JIS B 0401 抜粋)

穴(または凹)の寸法許容差

穴の場合は大文字アルファベットを使います。

 

 

軸(または凸)の寸法許容差

軸の場合は小文字アルファベットを使います。

 

 

表のダウンロード

画像が見づらいという方はエクセルデータを置いておきますのでご利用ください。

 

 

以上です。

 

 


【実務ケーススタディ・トラブル対策集】条件別の設計計算と現場の勘所

▶ 実務ノウハウ:嵌合公差の選定基準と現場トラブルを防ぐ3つの勘所(幾何公差・温度変化・加工限界)

1. 穴基準・軸基準の実務的な選定フロー

  • 穴基準嵌合(H基準):ドリル・リーマ等の刃具サイズが固定される穴側を標準化できるため、工具費用・加工工数の観点から機械設計の標準として優先適用します。
  • 軸基準嵌合(h基準):市販のセンタレス研削シャフト、磨き棒鋼、規格ピンなどの既製品軸を無加工で使用する場合に選択します。穴側を追加工することでトータルコストを抑えます。

2. 常用嵌合と仕上げ工程の対応関係

  • H7 / g6(精密すきまばめ):穴側は標準的なリーマ仕上げ(H7)、軸側は精密円筒研削仕上げ(g6)が標準。精密な案内摺動面や高精度な回転軸受部に適用します。
  • H7 / p6(軽しまりばめ):キーを用いず軸受やカラーを軽圧入固定する用途。分解を前提としない恒久固定箇所に選定します。

3. 設計現場で直面する3大トラブルと回避策

① 表面粗さの「へたり」による保持力低下と幾何公差の連動

しまりばめにおいて穴・軸の表面粗さが粗い場合、圧入時に微小突起の山が塑性変形(へたり)を起こし、設計計算上の締めしろが実質的に目減りして保持力不足(スリップ)を招きます。また、真円度・円筒度・同軸度などの幾何公差が公差幅に対して甘い場合、局部的な片当たりによって圧入かじりや圧入不能が発生します。公差等級に応じた適切な表面粗さ(Ra指定)と幾何公差のセット指示が不可欠です。

② 異種金属の線膨張差による緩み・焼き付き

【最悪のシナリオ】アルミハウジング(線膨張係数:約23 × 10^-6 /K)に鋼製ベアリング外輪(線膨張係数:約12 × 10^-6 /K)を嵌合させた場合、稼働時の温度上昇によってアルミ側が大きく膨張し、しまりばめが緩んでハウジング内でベアリング外輪が共回り(クリープ破損)を起こします。逆に鋼製シャフトにアルミプーリーをすきまばめしている場合は、低温環境下で過小すきまとなって拘束・固着に至ります。必ず「作動温度範囲の最高・最低温度」を前提とした熱変形計算を行い、公差域を設定してください。

③ 加工工程ジャンプによるコスト高騰の防止

公差等級を1ランク厳しく設定するだけで、加工工程が「旋削・フライス切削」から「円筒研削・内面研削」、さらには「ホーニング・ラップ仕上げ」へと移行し、加工単価・検査工数が跳ね上がります。同軸度や伝達トルク、摺動精度を再検証し、機能上許容できる限界まで緩い公差等級を選定することが設計コスト管理の要所です。