今日は「ショックアブソーバの選定計算式と選定の注意点【RBシリーズ】」のメモです。機械設計では衝撃エネルギーの吸収をしてくれるショックアブソーバーをよく利用いたします。それら選定は少しだけ手間がかかるので、以前設計した機械で使ったショックアブソーバーの確認計算式書をメモしておきます。また、これら計算式はSMC製のRBシリーズのみに適用となりますのであらかじめご了承ください。
この記事の目次
ショックアブソーバの選定計算式
ここでは、ショックアブソーバの選定計算式の説明したいのですがショックアブソーバーの選定計算式は複数の衝撃形態があり、全部を書き出すと見難くなってしまったので、ここでは大まかな選定の仕方を流れでまとめ、全計算は最後の計算エクセルにてご確認ください。
ショックアブソーバーの選定順序
シリンダなどもそうですが、ショックアブソーバも仮に選定した機種に対して評価をする選定方法となっています。また、どのパターンも同じ流れで選定をしますので以下にその流れを記しておきます。
- 設計条件を集める
- ショックアブソーバーを仮選定する
- 衝撃エネルギーを算出する
- 等価質量を計算する
- 仮選定した機種が問題ないかグラフで確認する
以上のような流れです。以下にショックアブソーバ選定での注意点を纏めます。
ショックアブソーバ選定での注意点
ここではショックアブソーバー選定における必要なキーワードとそれらに対しての注意点を纏めています。
最大吸収エネルギー(超重要事項)
衝突物の総エネルギーが表示されている最大吸収エネルギーを超えないように選定をします。そして最大吸収エネルギーは全ストロークを使用した場合の吸収エネルギーになるのと、ショックアブソーバは使用回数が進むにつれて磨耗・劣化による能力低下が起こるので最大吸収エネルギーに対して3割程度の余裕をみてサイズ選定すると良いです。逆に衝突エネルギーが、最大吸収エネルギーの5%よりも小さい場合、機種をひとクラス下げて選定しなおす必要があります。
最高使用頻度
型式ごとに設定されている最高使用頻度を超えてはいけません。
等価質量
緩衝力や減速度に脈動が発生するため等価質量が許容範囲を超えないように選定をします。
衝突速度
緩衝特性の変化やショックアブソーバの破損が起きてしまうため衝突速度が仕様範囲を超えない条件で選定します。
複数本使い場合の注意点(要確認事項)
ショックアブソーバを複数本使う場合、並列使用は均等にエネルギーが掛からないことから掛かる全エネルギーを使用本数で割った値に対して約1.7倍のエネルギーが一本当たりに掛かるそうです。(掛かるエネルギーが少なくなるようです)
衝突物について(要確認)
キャップ無しのアブソーバを使う場合、ショックアブソーバに衝突する物体の硬度はHRC35以上です。また、衝突角度は3度以下にする必要があります。
計算エクセルのダウンロード
今回のショックアブソーバの選定エクセルは、冒頭でも説明しましたとおりSMC製のアブソーバ型式RBシリーズ専用のものです。他の機種にはご利用いただけませんのでご了承ください。また、現在水平使用のみ単独ファイルで、その他は一式に纏めていますので、不要なものは消すなどしてお使いください。
※画像は古い可能性があります。最新計算書にてご確認ください
ショックアブソーバ選定計算書_負荷シリンダ水平_191111
ショックアブソーバ選定計算書_その他_190311
以上です。