カムとは何か。カムを利用するメリットの基礎知識まとめ

2016年12月1日




今日は「カムとは何か。カムを利用するメリットの基礎知識まとめ」のメモです。カムとは何か、カムの考え方やカムを利用することでどのようにメリットがあるのか、カム機構には難しいキーワードも多くありますので、ここではカムの基本を知りたいという方用にわかり易くまとめていますのでどうぞご利用ください。

カムとはどんな機械要素か

カムとは何か。カムを利用するメリットの基礎知識まとめ

カムは任意の形状を持った「直接接触によって相手側に任意の動きを与える」機械要素になります。ウィキペディアでは「カムは運動の方向を変える機械要素」とされています。動きとして、カムの波打つ表面を回転させたり、直動させたりしてその波打つ表面により相手側が動かされるのです。

 

機械にカムを利用すると生まれるメリット

波打つ表面を作るのは大変ですが、カムを利用することでメリットがあります。そのメリットを以下にまとめます。

 

カム+機構で動きに多くのバリエーションを得られる

カムを回転させたり、直動させたりする機構は一般的にモーター、直動のアクチュエータなどになりますが、カムに任意の動きを与えられる機構にはカムフォロアー、レバー、リンク等多数の機構を付加することができます。

そのため、駆動原ひとつと直接接触によって相手側に任意の動きを与えるカム+機構次第で多くのバリエーションを持った動きが可能になります。カムを利用する最大のメリットとなります。

 

高速化と精度

カムを機械構造に入れることで、かなりの高速域で機械を動かすことができるようになります。一般的に半導体や電子部品などを高速で尚且つ多く製造する機械でカムは多く用いられています。高速実行にカムのスムーズな動きは重要な機械要素となります。カムの設計次第では高速実行中に任意の停留区間も取れます。

また、カムは回転角で動作を決められます。一般的に短い時間で動作させるためにシリンダーやサーボモータで機械を構成すると同期をとることが難しかったりしますが、カム機構を用いて構成された装置では駆動原を極力少なくし、安定して同期制御やオーバーラップが可能となります。

 

安定化(保守の容易さ)

カムは構造は基本的に単純です。カムは他の機械要素と比べて部品点数が少ない分、故障が格段に少なくなります。機械を高速で長期間運転する場合において、カムを利用することは高い信頼性を維持することにつながります。

 

動きの滑らかさ

カムを適切に設計できれば、カムにより運動させられるものが連続したかのようなスムーズな動きをします。高速実行でのスムーズな動きを得るにはカム機構が向いています。