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立派な機械設計士になるには多くの経験と学ぶ意欲が必要

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今日は「立派な機械設計士になるには多くの経験と学ぶ意欲が必要」についてのメモです。私は常に立派な機械設計士になりたいと願って日々努力していますが、今日のタイトルにあるように「立派な機械設計士」になるためにはどんなことが必要か改めて考えてみました。またそれらをどのようにコントロールして若手機械設計士を育成していくかにも触れたいと思います。

機械設計士

世の中のあらゆる機械は、機械設計士によって設計され具現化されています。機械設計士は技術を駆使して夢を現実にすることができます。給料はとても良いわけではありませんが比較的良いほうだと思います。機械設計士になるには資格は必要ありません誰でもなれます。一般的には「設計士なんだすごいねぇ」とか「かっこいい」とか持て囃されます。

なのに機械設計士は人手不足です。会社ではコストが高いせいか、設計している人が派遣社員なんてことはよくあります。

機械設計士の経験

機械設計士の記憶に残る多くは、苦難を乗り越え出来上がった機械の事、設計ミスにより周りを巻き込んでしまった苦い経験、徹夜で仕事をして納期に間に合わせた事。 その辺りが機械設計士あるあるだと思います。機械設計というお仕事は正直簡単ではありません。むしろ難しすぎです。装置のシステムを考え、それらに含まれるリスクへの対処を検討し、お客様が求める魅力的品質をできる限り織り込む。そしてそれらを短納期で実現しなくてはいけません。 全てがうまくいくわけがないのです。

機械設計士の学び

機械設計士は「苦い経験」をした時や「徹夜の仕事」を経験すればするほど多くのことを学びます。二度としたくない経験をすることで、ささっと片付く仕事にも緊張感を生みます。意識が飛ぶまでひたすら設計を繰り返さないといけない徹夜の経験をすることで、次の仕事はそうならないように極力無駄を省いていこうと努力します。必要な情報はすぐ手に入るように様々なカタログの切れ端をファイリングして準備します。

そのため、私個人の意見として、機械設計士の学びは「経験」であると思います。「成功経験を積む」という前向きな考えもありますが、設計において100点を得ることは大変難しいこと。どんなに完璧な設計をできたとしても、それはあくまで成果物が許容される範囲内の製作物なだけです。「ここが思っていたより貧弱だったな」とか「思ったより使い勝手が悪い」と感じるものです。

「この設計は成功した」と言い切れるものは少なく、成功の経験はどちらかというと「納期内に設計を終わらせた」という経験なのかもしれません。

 

立派な機械設計士

いろいろな経験できて、学ぶことができてきた機械設計士は数少ないのではないだろうかと思います。様々な経験をすることですらなかなかできないものです。継続的に経験する機会がある設計士と、常に新しいものの設計をしなければいけない設計士とでは立派な設計士として必要な質は違ってくるかも知れませんが、私が個人的に思う立派な設計士は、1回のチャンスを確実にものにして次に生かす意欲(向上心)を持っている人だと思います。似たような経験を100回受けて徐々に確実に成長してくる設計士と、1回の経験で全てを見抜いて2回目にはニアピンを狙ってくる設計士とでは立派の度合いがぜんぜん違います。

 

若手機械設計士の育成

では、私たちが若手機械設計士の育成を行おうとしたときはどうすればよいでしょうか。立派な設計士になるためにステップを上手にコントロールしてあげることで十分可能ではないかと考えています。

経験を積ませる方法

機械設計の仕事は、時間に余裕はありません。そのため、案件ごとに一から教えながら進めていくのが一般的かと思います。でもそれは仕事をこなす方法を教えているだけで本人のためになっていません。時間がなくなってくればいきなり答えを教えてしまう人もいるのです。 私もよく使ってしまいますが「今回のユニット、ベアリングに入るシャフトの公差はn6にしといて」と、先に答えを言ってしまいます。これでは確実に何も考えずに「n6」にしてくると思います。 仕事の完成度でいえば100点です。 しかし、ここが大きなポイントだと思っています。もしその人を機械設計士として成長させようと思ったら、そのあとに「なんで今回はn6かというと・・・」という補足情報を必ず教える必要があります。問題の答えと、答えになった理由です。それをセットで教えることで、次回以降の公差選択の方法を意識させることができますし、以前着手した装置との用途別の考え方もできるようになります。教えながら選定の経験を積ませるんです。

経験はいろいろな方法があります。ゆるい設計であれば、わざと面倒を見ずに仕事を好きなように進ませる場合があります。そのときに注意したいのが「その設計士の時間をとめてはいけない」ということです。要するに自分の責任で行う仕事は上司から請ける仕事よりも集中力が違ってきます。自分で考える時間、すんなり答えにたどり着かない場合もあります。それは先ほどの「選定経験」が無いからです。私たち仕事を預ける側としては、間違った方向に進もうが面倒を見ないと決めた以上、その設計士の成長の時間を止めてはいけません。 考えて考えて煮詰まったころを見計らって「答え+補足情報」でアドバイスをします。選定経験が無いから進んでいないのです。その選定経験をその場で積ませてあげると大きく成長します。答えを見つけるまでの考える時間は大変貴重な経験だと私は考えています。

先ほども書きましたが、若手機械設計士の成功経験も「設計を納期内に終わらせた」ということがとても重要だと思っています。わざと痛い目にあわせる必要は全くありません。自然とレベルが上がってきたときに必ず痛い目を見るときがくるからです。苦い経験、徹夜での仕事はいずれ経験します。

学び方を教える方法

ここでいう機械設計士の学び方は「Aの原理を知りたかったらBのカタログに詳しく書いてあるよ」などの情報を得る方法のことです。私はその学び方を教えないようにしています。それはなぜかというと、私自身あれこれ試してきましたが「経験」に勝る学びがないのです。知りたい情報を必死で探し、その情報が間違っていて失敗をする。知りたい情報の場所を探すのに1日使うこともあります。若手はそんな経験を積むのが一番であると考えているからです。 各企業の設計マニュアルは簡潔に答えだけ書いてあるのが多いです。整いきったマニュアルを早い段階で手に入れてしまったらマニュアル以外の情報を学ばないようになってしまうと思います。マニュアルは仕事の標準化であり、個々のレベルアップアイテムではありません。

 

学び方は、本人が必要としているサポートアイテムを、過剰すぎず必要なときに出してあげることができればいいと思います。私たちが先輩にしてもらったことの中でずっと今でも使っているアイテムは一緒に共有したほうがよいと思います。

 

立派な設計士に育て上げる

これまで書いてきた全てを上手にコントロールできるわけではありません。納期に間に合わせる中で、忙しいときは必ずあります。しかしそこで手を抜かずに忙しい時こそ基礎を徹底すること、時間をかけて丁寧に説明することも私たち育成者にとって必要な事です。1日24時間もあるんです。丁寧に教えただけ次に生きてきます。

同じミスを何度も何度も繰り返す若手機械設計士もいるかと思います。しかしそのミスはその若手機械設計士が悪いのではなく、実は私たちが作り上げてきた基礎つくりの失敗なのかもしれません。機械設計は大変難しい職業です。今エンジニアがどんどん不足していく中、どのように育成していくかが大きなポイントであると私は考えています。

ちなみに私は、100回教えられた事でも、忘れることがあると理解しているので、ミスが起きたら何度でも教えるスタンスで仕事をしています。いつでも全力です!

 

最後に

機械設計メモ1(旧ブログ)でも機械設計士について記事を書いています。そちらもよろしければご確認ください→機械設計の仕事

 

以上です。

 




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