LM(リニア)ガイドとリニアブッシュの構造比較と使い分け

2026年1月4日

 

ここでは 「LM(リニア)ガイドとリニアブッシュの構造比較と使い分け」 についてのメモです。

 

24時間稼働が当たり前となった現代の生産ラインにおいて、機械設計者が真に恐れるべきは、設計段階では見えにくい「運用後のトラブル」だと思います。  例えば、深夜に直動部品が破損した際、交換作業で芯出し調整に数時間を費やし、生産計画を崩壊させてしまう。  そんな悪夢のような事態は、カタログスペックの比較だけでは防ぐことができません。

 

多くの設計で「荷重」や「精度」といった数値の比較に終始しがちですが、実務で本当に必要なのは、その数値の裏側にある「構造的な問題」と「メンテナンスまで見越した設計思想」を深く理解することだと思います。

 

例えば 直動ガイドの使い分けは良い例です。  単独の自動機ではあまり悩まない直動ガイドも、生産設備などになると搬送距離やコストの兼ね合いでLMガイドの場所もあれば、リニアブッシュを使ったガイドを採用するなどの対応が取られます。 しかし、実際はこの使い分けがとても難しいです。

 

この記事では、LMガイドとリニアブッシュガイドの使い分けについて、LMガイドとリニアブッシュの決定的な構造差がもたらす性能の違い(基礎知識)から、交換時のダウンタイムを劇的に短縮するための再現性設計、そして長期間の安定稼働を実現するためのトータルな保守戦略までをメモしています。

LMガイドとリニアブッシュの構造比較

構造の違いと接触メカニズム

直動案内機構を選定するにあたり、まず理解しなければならないのが、ボールと軌道面がどのように接触しているかという「接触メカニズム」の違いです。  リニアブッシュは、円筒状のシャフトと、その外周を転がるボールを内蔵したナット(外筒)で構成されています。  この構造上、ボールとシャフトの接触は幾何学的に「点接触」となります。点接触は接触面積が極めて小さいため、転がり抵抗(摩擦)が非常に小さく、軽く滑らかな動きが得られるのが最大の特徴です。

 

しかし、荷重が一点に集中するため、接触応力が高くなりやすく、重荷重を受けると軌道面に圧痕が生じやすいという物理的な限界を持っています。

 

一方、LMガイドは、レール側にボール径に近似した曲率を持つR形状の溝(サーキュラーアーク溝やゴシックアーチ溝など)が精密に研削加工されています。  これにより、ボールはレールに対して「面接触」に近い状態で、包み込まれるように接触します。接触面積がリニアブッシュに比べて飛躍的に大きいため、同じボール径であっても、負荷できる荷重の許容量(定格荷重)は桁違いに大きくなります。  また、面接触効果により、外部からの衝撃荷重に対しても高い剛性を発揮します。

 

【ゴシックアーチ溝(4点接触)】
ボール1個で上下左右の4方向からの荷重を受けることができ、予圧を与えた際の変位量が小さい。高剛性が要求される工作機械やZ軸昇降機構に適している。

【サーキュラーアーク溝(2点接触)】
調心性が高く、取付誤差(特に取付面の平面度誤差)を吸収しやすい。一般的な搬送装置に適している。

 

したがって、搬送ワークが軽量で、かつ軽快な動作や低コストを最優先する場合はリニアブッシュが有力な候補となります。  逆に、重量物の搬送や、切削抵抗などの外力がかかる用途、あるいは高い剛性と位置決め精度が求められる場面では、構造的に有利なLMガイドを選択するのが設計の定石 といえます。

 

 

剛性とたわみの特性差

機械設計における「剛性」の捉え方は、両者で大きく異なります。  リニアシャフトを使用する場合、シャフトは通常、両端をシャフトホルダで固定する「両端支持梁」として機能します。  この構造では、スライダー(負荷)が中央付近に来た時、荷重によってシャフト自体が弓なりにたわむ現象が避けられません。  材料力学の公式に基づくと、このたわみ量は支点間距離(スパン)の3乗に比例して急激に増大します。

 

ここで設計者が特に注意しなければならないのは、単に「精度が悪くなる」だけでは済まないという点です。  シャフトがたわんで弓なりに変形すると、直線状のリニアブッシュ(ナット)との間で角度の不一致が生じます。  すると、ナットの出入り口付近にあるボールにだけ過大な荷重が集中する「エッジロード(片当たり)」と呼ばれる現象が発生します。

 

点接触であるリニアブッシュにおいてエッジロードが発生すると、その一点の面圧が許容限界を超え、シャフト表面に「圧痕(ブリネル圧痕)」という微小な凹みを形成してしまいます。

 

一度シャフトに圧痕ができると、ボールがその凹みを通過するたびに振動や異音が発生し、それが新たな摩耗を引き起こすという悪循環に陥ります。  これが「フレーキング(剥離)」の起点となり、計算上の寿命より遥かに早く破損に至る原因となります。  したがって、たわみ計算を行う際は、精度の許容値だけでなく、このエッジロードによる早期摩耗のリスクを考慮し、十分なシャフト径を選定するか、シャフト全長を支えるサポートレールの採用を検討する必要があります。

 

以下の表は、それぞれの接触形態、定格荷重、剛性特性に関する比較を詳細にまとめたものです。

 

表1:リニアシャフトとLMガイドの構造・剛性比較総括

比較項目 リニアシャフト(ブッシュ) LMガイド 設計上の含意
接触形態 点接触 (Point Contact) R溝接触 (Surface-like Contact) LMガイドは接触面積が広く高負荷・衝撃に強い。
定格荷重 低い(集中応力大) 非常に高い(応力分散) 重量物搬送や長寿命化にはLMガイドが有利。
支持構造 両端支持(梁構造) 全長固定(連続支持) シャフトはスパンが長いとたわみが支配的になる。
たわみ挙動 スパンの3乗に比例 ベースの平面度・剛性に依存 長ストロークでシャフトを使うなら径アップ(4乗則)が必要。
断面二次モーメント I = πD^4 / 64 (径の4乗に効く) レール断面形状によるがベース依存大 シャフト径を少し太くするだけで剛性は激増する。
予圧効果 限定的(ガタ取り程度) 高い(ラジアルすきまC0, C1等) 精密位置決めにはLMガイドの予圧品が不可欠。

参考出典先:THK 技術サポート(https://www.thk.com/jp/ja/products/lm_guide/selection/

参考出典先:ミスミ 技術講座(https://jp.misumi-ec.com/tech-info/categories/technical_data/td06/x0124.html

 

 

定格荷重と寿命計算の基礎

カタログに記載されている基本動定格荷重(C)は、直動部品の寿命を予測するための最も重要な指標です。  前述の通り、点接触であるリニアブッシュは応力集中が避けられないため、同等の軸径・レール幅を持つLMガイドと比較して、定格荷重は数分の一から十分の一程度に留まることが一般的です。

 

設計者は、搬送物の静的な質量だけでなく、加減速時に発生する慣性力や、装置固有の振動・衝撃係数を考慮した「等価荷重」を算出し、それが許容値内に収まっているかを確認する必要があります。

 

寿命計算においては、一般的に「定格寿命(L)」を走行距離(km)で算出します。  ここで注意が必要なのは、ボールを用いた転がり案内の寿命式です。  寿命は荷重比(C/P)の「3乗」に比例します。つまり、負荷荷重を半分にできれば、計算上の寿命は8倍に延びます。  逆に、想定外の衝撃荷重で負荷が倍になれば、寿命は1/8に激減します。

 

また、メーカーによって定格寿命の基準距離が「50km」の場合と「100km」の場合があります。  これらを比較検討する際は、ISO規格などの補正式を用いて基準を揃える必要があります。  例えば、50km定格の製品データを100km定格に換算する場合、その値は約0.79倍となります。  リニアブッシュは衝撃荷重に弱いため、計算結果に対して十分に余裕を持った安全率(通常は2〜3以上)を見込むことが、トラブルのない設計への近道です。

 

 

モーメント荷重への耐性

搬送ユニットには、単純なラジアル荷重(下向きの重力)だけでなく、ローリング(Rolling)、ピッチング(Pitching)、ヨーイング(Yawing)という3軸方向の回転モーメントが作用します。  リニアブッシュは、構造上ボールが一列に並んで転がるため、ブッシュ単体ではこれらのモーメント荷重を受けることができません。  無理にモーメントを受けると、ボールとシャフトが偏当たりし、早期摩耗やかじり付きの原因となります。

 

さらに、設計者が軽視してはならないのが「衝撃荷重」に対する耐性の違いです。  例えば、搬送物がストッパに衝突した際や、非常停止で急減速した際、ガイドには瞬間的に巨大な慣性力がかかります。  リニアブッシュは点接触であるため、基本静定格荷重(C0)が低く、許容できる衝撃の限界値も低くなります。  もし衝撃荷重がC0を超えると、ボールが軌道面に食い込み、永久変形(圧痕)を残してしまいます。

 

これは、必ずしも「回転モーメント」がかかる場面に限りません。  例えば、2本のリニアシャフトで搬送していても、重心が片側に寄っていて片方のブッシュに過大な負荷がかかった状態で、さらに走行中の段差乗り越えなどの衝撃が加われば、その一瞬でブッシュが損傷し、以降の動きがゴリゴリとした感触になり、急速に破損(焼き付きやロック)へと進みます。  一方、LMガイドはR形状の溝による面接触効果で荷重を分散して受けるため、衝撃に対する許容範囲が広く、ラフな動きに対しても粘り強く耐えることができます。

 

 

調心性と取付誤差の許容

ここまでの比較では、剛性や負荷能力においてLMガイドの優位性が目立ちますが、リニアブッシュには「調心性」という独自の強力なメリットがあります。  自動機の架台として多用されるアルミフレームや溶接製缶フレームは、μmオーダーの平面度や平行度を出すことが難しく、また経年変化や温度変化で歪みが生じやすいものです。  こうした精度の出にくい取付面に対して、高剛性なLMガイドを無理に固定すると、レールが歪んでしまい、スライド動作が重くなる「こじり」が発生します。

 

リニアブッシュの中には、外筒や保持器の構造によってシャフトのたわみや取付誤差を吸収する「自動調心機能」を持った製品が多く存在します。  これらは、シャフトに対してブッシュがわずかに傾くことを許容する(例えば0.5度程度)ため、取付面の平行度が完全でなくても、スムーズな摺動を維持できます。  コストダウンのために取付面の精密機械加工を省略したい場合や、あえて構造に柔軟性を持たせて「逃げ」を作りたい場合には、リニアブッシュの調心性が設計を助けてくれます。

 

 

LMガイドとリニアブッシュの設計手法

JIS規格と寸法系列の確認

日本国内の設計現場において、直動部品の選定には「JIS規格」の理解が欠かせません。  転がり軸受全般は  JIS B 1511  などで規定されていますが、リニアブッシュについては、歴史的に「アジア寸法(ミリサイズ)」と「欧州寸法」などが混在しており、メーカー間での互換性に注意が必要です。  国内向けの自動機であれば、通常はJIS公差に基づいた標準的なミリサイズ(例:LM○○UUなど)を選定すれば、将来的な交換部品の入手性に問題はありません。

 

LMガイドに関しても、かつてはメーカー独自の寸法が主流でしたが、現在はISO規格との整合性が図られ、主要寸法(高さ、幅、取付穴ピッチ)が世界標準サイズ(グローバルスタンダード)に統一されたシリーズ(THKのSHS形やHSR形など)が主流となっています。

 

これら「互換性のある寸法系列」を採用することは、特定のメーカーに依存しない設計を実現し、部品供給リスクを低減させる上で非常に重要です。  また、海外工場へ出荷する設備の場合、現地でも同等品が入手しやすい世界標準サイズを選定しておくことが、メンテナンス性を高めるポイントとなります。

 

 

取付基準面の精度と加工

直動ガイドの性能、特に走行精度と寿命を最大限に引き出すためには、取り付ける土台(ベース)の精度が極めて重要です。  LMガイドはレール剛性が高いとはいえ、ベースの歪みに倣って変形する性質があります。  したがって、ベースの平面度が悪いと、レール自体が波打って固定され、スライド動作時に予圧が変動し、早期摩耗を招きます。

 

設計図面においては、レールを真っ直ぐに取り付けるための「基準面(突き当て肩)」を設けるのが一般的です。  この際、加工上の重要なポイントとして、基準面のコーナー部には必ず 「逃げ溝(アンダーカット)」 を設けるか、レールの面取り寸法よりも大きなR加工を行わないよう指示する必要があります。  もしコーナーにRが残っていると、レールの角部と干渉してレールが浮き上がり、直角や水平が出なくなってしまいます。

 

また、基準面の高さ(肩の高さ)にもメーカーごとの推奨値があります。  高すぎるとスライドブロックと干渉し、低すぎると強固な位置決めができません。  各社カタログに記載された推奨肩高さを遵守することが、トラブル回避の基本です。  リニアシャフトのサポートレールを使用する場合も同様の配慮が必要ですが、シャフトホルダーのみで固定する場合は、各ホルダーの取付面高さのバラつきがシャフトの傾きに直結するため、ベース面の一括平面加工を行っておくことが望ましいでしょう。

 

 

2軸平行度の調整テクニック

多くの搬送ステージは、剛性と回転止めを確保するために、2本のレールまたはシャフトを平行に配置して使用します。  この「2軸平行度」が確保されていないと、移動に伴って摺動抵抗が大きく変動したり、異音が発生したりします。  設計および組立のセオリーとしては、片側の軸を「基準側(マスタ)」とし、もう一方を「従動側(サブ)」として扱います。

 

基準側のレールは、ベースに加工された基準面にしっかりと突き当てて固定し、走行の真直度を決定します。  一方、従動側のレールは、基準面を設けずに仮締め状態とし、実際にテーブル(ブロック)を何度も往復させ、基準側の動きに倣わせて自然な位置で本締めするという手法がよく取られます。

 

LMガイドの場合は剛性が高いため、無理な取付は即座に寿命低下につながりますが、リニアブッシュであれば、前述の「自動調心機能」があるため、多少の平行度誤差(数十ミクロン程度)であれば吸収してくれることがあります。  設計者は、求められる精度レベルと現場の調整スキルを考慮し、どこまで厳密な調整機構を盛り込むかを判断する必要があります。

 

 

LMガイドとリニアブッシュの運用保守

位置決めピンと再現性設計

24時間稼働が常態化している生産現場において、部品交換に伴うダウンタイムは最小限に抑えなければなりません。  摩耗したガイドを交換した際、再度ダイヤルゲージを出して数時間かけて真直度調整を行うのは、生産効率の観点から許容されにくいものです。  そこで、設計段階から「誰が交換しても、ボルトを締めるだけで元の精度が出る」仕組みを組み込んでおくことが重要です。これを実現するのが「位置決めピン」の活用です。

 

一般的なノックピン(平行ピン)は、はめあい公差の設計 によっては圧入が必要で取り外しが困難なため、頻繁なメンテナンスには向きません。  推奨されるのは、ねじ込むことでセンタリングされる「テーパーピン」や、嵌め合い公差を持ちながら微小なピッチ誤差を逃がせる「ダイヤモンドピン(ひし形ピン)」です。

 

最近では、LMブロックやリニアブッシュのハウジングにあらかじめ高精度なリーマー穴(ノック穴)が加工されたオプション製品も販売されています。  これらを採用し、ベース側にも対応する穴加工を施しておけば、交換作業は「ピンを差し込んでボルトを締めるだけ」となり、熟練技能に頼らない再現性が確保できます。

 

 

ユニット化による保全性向上

ガイド単体を現場で交換・調整するのではなく、ガイド、テーブル、ボールねじなどがあらかじめ組み付いた「ユニット(カセット)」ごと交換する設計思想も、保全性を飛躍的に向上させます。  予備のユニットを機外の定盤上で完璧に調整して準備しておけば、ライン停止時はユニットごとの載せ替え作業(ボルト数本と配線の脱着)だけで済み、復旧時間を数十分レベルまで短縮できます。

 

この「ユニット化」を成功させるためには、ユニットとベースフレームの結合部における位置再現性が鍵となります。  ここでも前述のインロー(はめ合い段差)や位置決めピンが活躍します。  特にリニアブッシュを使用する場合、シャフトとブッシュ、ホルダーを含めたアセンブリ状態でユニット化しておけば、現場での面倒な平行出し作業を完全に排除できます。  イニシャルコストは予備ユニットの分だけ上昇しますが、停止損失コスト(ダウンタイムコスト)と比較すれば、十分に投資対効果が見込める戦略です。

 

 

LMガイドとリニアブッシュの最適解

ここまで、構造、設計手法、メンテナンス性の観点からLMガイドとリニアブッシュを詳細に比較してきました。  どちらが「優れている」という単純な優劣ではなく、それぞれの特性が活きる場面で正しく選択することが設計の最適解となります。具体的なケーススタディを通して、最適な使い分けの基準を整理しましょう。

 

リニアシャフト(リニアブッシュ)推奨ケース

以下のような条件が揃う場合は、リニアシャフトの採用が合理的であり、コストパフォーマンスを最大化できます。

 

  • コスト最優先かつ軽負荷な搬送:装置全体の予算が限られており、かつ搬送ワークが軽量で衝撃荷重がかからない場合。シャフトとブッシュは安価で入手性が良いため、イニシャルコストを大幅に抑制できます。
  • 取付面の精度が出せない場合:アルミフレームや溶接フレームなど、ベース面の平面度加工が難しい場合。リニアブッシュの持つ調心性とフローティング構造を利用することで、こじりを防ぎスムーズな動きを実現できます。
  • 粉塵環境での使い捨て運用:研磨材やガラス粉などが舞う環境で、どんなに防塵対策をしても早期摩耗が避けられない場合。高価なLMガイドを使い潰すよりも、安価なリニアブッシュとシャフトを消耗品と割り切って頻繁に交換する運用の方が、トータルコストが安くなることがあります。
  • 回転と直動の複合動作:ストロークと同時に回転運動も必要な場合。「ストロークロータリーブッシュ」などを選定することで、1軸で複雑な動きを実現できます。

 

LMガイド推奨ケース

以下のような条件では、LMガイドの性能が不可欠であり、リニアシャフトでの代用はリスクが高くなります。

 

  • 重量物搬送やモーメント負荷:重いワークを運ぶ場合や、オーバーハング(張り出し)積載でモーメントがかかる場合。面接触による高い定格荷重と剛性が、長期的な安定稼働を保証します。
  • 高精度・高剛性が求められる位置決め:工作機械や半導体製造装置など、ミクロン単位の位置決め精度や、停止時の高い剛性が求められる場合。予圧をかけたLMガイドでなければ、要求仕様を満たせません。
  • 省スペース設計(単軸使用):設置スペースが狭く、ガイドを1本しか配置できない場合。幅広タイプのLMガイドなら、1本でモーメント荷重を受けられるため、装置をコンパクトに設計できます。
  • メンテナンスフリー化(給油困難箇所):装置の奥まった場所など、給油作業が困難な場合。自潤滑ユニット(QZやK1)を装着したLMガイドを採用することで、数年間のメンテナンスフリーを実現できます。

 

最後に、本記事で解説した重要なポイントをまとめます。

  • リニアブッシュは点接触のため摩擦が小さく軽快だが、エッジロードによる圧痕リスクがある
  • LMガイドは面接触により定格荷重が高く、衝撃やモーメント荷重に対しても粘り強い
  • シャフトのたわみはスパンの3乗に比例し、許容値を超えるとブッシュの早期破損を招く
  • リニアブッシュの自動調心性は、取付面精度が悪い場合の「逃げ」として機能する
  • 交換時の再現性を確保するには、テーパーピンやインローによる位置決めが必須である
  • ダウンタイム短縮の切り札として、調整済みの予備ユニットごと交換する設計が有効である
  • 潤滑不足と異物混入は直動部品の二大故障原因であり、自潤滑パーツやシールの選定が重要
  • コスト比較は単なる部品代だけでなく、加工費、組立工数、将来の保守費用を含めたトータルで判断する

 

以上です。