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【必読】図面の役割と製図者の意識

2018年8月12日

今日は「図面の役割と製図者の意識」についてのメモです。先日、仕事を共にする若手・新人に向けて図面の役割と製図者の持つべき意識を厳しく伝えました。

 

正確に言えば、叱りました。そうなった経緯と、その後の話をまとめてみようと思います。

図面の役割

やりっ放し(出力して確認していない)

機械設計の仕事は大変難しいです。ここ最近、ある大型案件で日中は設計ミスが起きないように皆のサポートしながら、夜は出図された図面を検図する日々が続いてました。

 

検図を進める中で、寸法の入れ忘れはたくさんありました。ですが、私の考えとして、寸法の入れ忘れは、外部に図面が出るまでに入っていれば済む問題なので、この時点においてひどいミスだと私は考えていません。

 

それより酷かったのが「図面レイアウトがめっちゃダメ」だった事です。

 

要するに、部品図を書き始める際にまず考えるべき事「どうやったら見易いかなぁ~」とか「形状が解りやすい断面、斜視図はこれかなぁ~?」などといった寸法を入れる前の図面レイアウトです。これを明らかに検討していないレイアウトで、パッと見た瞬間に形状がわかりづらい図面が沢山有りました。

 

そのために、部品図の書き直しが沢山発生したんです。数えきれないほど。そしてその全ては深夜の時間です。納期はすぐそこだったので「はいじゃあこれ修正ね~」なんて次の日にやり直しさせる時間もありません。それら図面が完全にダメなのかというと、拡大すれば解るやつもあれば、時間掛ければ理解出来る図面でした。しかし、ベストなレイアウトが解っていながらそれを見逃したくない性格なので、私はやり直しました。

 

 

図面の役割と製図者の意識を伝えた。

そして、それら内容を皆に伝えることにしました。

 

改善前の図面と改善後の図面これをみてどう思う?

全然ちがうよね。

みんなは寸法入れる前にやることやってないよ。図面はアホでも解る図面にしないとだめ。これじゃ簡単に形状把握出来ないし、図面作る方も大変じゃん。

あと、これだけやり直しがあると、皆がやった仕事は意味のない仕事をやっていたのだと理解できる?

そしてやり直しにお金は発生しない・・・

 

と。

 

 

図面の役割

設計の仕事は誰にでも出来るわけでなく、難しいのはわかります。

 

図面一つにしても様々な形、表現があります。確実に言える事は、図面とは相手に伝える手段なわけで、それを理解しているのとしていないのでは全く別物になります。図面の役割について私が意識している事があります。私がその都度意識している「図面」とは一言で「アホでも解る図面」です。(先ほどの文章にも出ていましたが・・・)

 

今、誤解を恐れずに「アホでも解る」と書いていますが、図面とはそれくらいシンプルに伝えられなければダメだと思っているんです。

 

その図面は、これから多くの人に利用されるんです。図面って、将来の可能性を左右する大切な物なんですよ。たかが1分のレイアウトを考える時間にどれだけ未来の効率化が出来るのか。誰でも解るくらいシンプルで解りやすいものだとしたら、それに関わる人達の図面を眺める時間が個々では短い時間かもしれませんが、まとめるとかなりの効果になるんです。ただ単純にお絵かきだと捉えているとだめなんです。だから、その後皆に伝えたのは

 

「それが本当によく解る図面か、見直してごらん」です。

 

 

大切な事は見方を変えること

みんなが見ている(本気出している)のは知っています。ですが、こういった結果になるなら意味の無いことをしていますから、自分のやっている作業を見直すことは非常に大切です。

 

具体的なやり方としては、紙で出力してマーカーチェック、次の日にチェックするなどです。これ、ベテランの人は皆「当たり前」だとおもうかもしれませんが、若手は意外としりません。紙が勿体ないからとかの理由なら「それ言うならこの仕事するな」って感じです。

 

そんなときの私の呟きがこちら

 

「よし!終わった!」と、製図したら すぐ検図しなくていいから、お洒落なカフェでお茶でもした後で検図(客観的に見つめ直し)をしてごらん。

やり忘れた事や、違和感に気づけたり、新しい発見があるよ。 その「自分で気付く」経験が設計士には必要。 その為の時間なら自由に取って良いです。

 

でも、そう思うんですよね。僕は完璧ではないけれど、これは登竜門です。

 

大切な事は自分で気づくこと。

 

 

叱った後の取り組み風景

吠えましたね。心の半分は「嫌われてもいいや」という気持ちでした。みんなと楽しくお酒が飲めなくなる可能性もありますからね。しかしその後改善が見られました。私が図面を開くとパッとみた感じ「美しいレイアウト」に加えて、

 

  • 隠れ線出す所と出さない方が解りやすい部分で分けて表示
  • 形状の分かりやすい方向にその形状寸法を入れている
  • 部品に対して適切な図枠を利用している
  • 解りにくい部分は補足をちゃんと注記でいれてある

 

こんな感じの図面に早変わりしました。もちろん寸法抜けなどは安定してあるものの、それをみた私がその製図者の

 

  • 伝えたいこと
  • 表現したいこと

 

が、直感的にわかるようになりました。ですから私からは「寸法抜けがあったよ」というのは叱らずサラッと済ませて「こういう表現したいなら、こうした方が良いよ」などといった、指摘の質が上がりました。

 

 

最後に

人に嫌なこと伝えるのは誰もが苦手ですけど、自分の想いが伝わったのか、逆にムカついて頑張ってくれたのかは解りませんが、ちょっと思いやりのある図面見ることができて、感動しました。私も、勇気を出して叱る事の効果も体感し、一歩前進しました。

 

図面の役割と製図者の意識。製図が苦手だという若手の皆さん、「アホでもわかる図面」にするんだ!と、自分の書いた図面を見つめ直してみてください。

 

以上です。

 

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