今日は「問題・矛盾解決が出来るTRIZ(トゥリーズ)の手法40の発明原理」のメモです。
40の発明原理は 「技術的な矛盾」を解決する具体的な方法 であり、これらの内容は 膨大な数の発明の具体的方法で、多くの問題をブレークスルーしたアイデア になります。
Contents
- TRIZ(40の発明原理)
- 40の発明原理(ブレークスルーの為のアイデア)
- 1.分割の発明原理(セグメンテーション)
- 2.分離の発明原理
- 3.局所性質の発明原理(局部的性質)
- 4.非対称の発明原理
- 5.組み合わせの発明原理
- 6.汎用性の発明原理
- 7.入れ子構造
- 8.つりあいの発明原理
- 9.先取り反作用の発明原理(予備応力)
- 10.先取り作用の発明原理
- 11.事前保護の発明原理
- 12.等ポテンシャルの発明原理
- 13.逆発想の発明原理
- 14.曲面の発明原理
- 15.ダイナミック性の発明原理
- 16.アバウトの発明原理
- 17.他次元移行の発明原理
- 18.機械的振動の発明原理
- 19.周期的作用の発明原理
- 20.連続性の発明原理
- 21.高速実行の発明原理
- 22.災い転じて福となすのの発明原理
- 23.フィードバックの発明原理
- 24.仲介の発明原理
- 25.セルフサービスの発明原理
- 26.代替の発明原理
- 27.高価な長寿命より安価な短寿命のの発明原理
- 28.機械的システム代替の発明原理
- 29.流体利用の発明原理
- 30.薄膜利用の発明原理
- 31.多孔質利用の発明原理
- 32.変色利用の発明原理
- 33.均質性の発明原理
- 34.排除/再生の発明原理
- 35.パラメータ変更の発明原理
- 36.相変化の発明原理
- 37.熱膨張の発明原理
- 38.高濃度酸素利用の発明原理(強力酸化剤使用)
- 39.不活性雰囲気利用の発明原理
- 40.複合材料の発明原理
- 40の発明原理(ブレークスルーの為のアイデア)
TRIZ(40の発明原理)
今日メモする40の発明原理は、TRIZにおける知識データベースの中の「技術的矛盾」を解決するための定石集となります。
私は、工場内で動く生産設備の設計をしていますが、新しいことや既存の効率化を図るにはアイデアは欠かせません。 もちろん問題も多く出るわけですが、それらを突破するためにこの発明原理のアイデアをお借りしています。
正直めっちゃオススメです。
今回の記事は、難しいことがわからない方でもわかりやすいようにメモしています。 何か矛盾問題にあたった時、ここを読んでいるだけでも問題をあっさりクリアする事があるので。どうぞご利用ください。
40の発明原理(ブレークスルーの為のアイデア)
1.分割の発明原理(セグメンテーション)
- 一つの物体を複数の独立した部分に分ける(区別する)
- 物体のセグメンテーションの程度を高める(セグメンテーション:性質を持つ固まりに分けること・ 細分化)
2.分離の発明原理
- 物体から不隠な部分や特性を抽出。除去または分離する
- 必要な部分または特性のみを抽出する(不隠:状況が不安定で危機や危険をはらんでいること)
3.局所性質の発明原理(局部的性質)
- 物体あるいは外部環境の均一な構造から不均質な構造に移行する
- 異なる機能を実行する物体の異なる部品を持つ
- 物体のそれぞれの部品をその作動にとって最適な状態に置く(不均質:むらがあったり、性質が部分部分で偏っていたりするさま)
4.非対称の発明原理
- 物体の対称的な形式を非対称的な形式に置き換える
- 物体がすでに非対称性の場合、非対称性の程度を高める
5.組み合わせの発明原理
- 均質な複数の物体、あるいは連続的な運転のために予定された物体を空間で組み合わせる
- 均質あるいは連続的な運転を時間で組み合わせる(均質:成分や密度、また品質などにむらがなく一様であること)
6.汎用性の発明原理
- ほかの物体を持つ必要性が取り除かれる複数の機能を行う物体を持つ
7.入れ子構造
- 別の物体の中に含まれ、その物体もさらに次の物体の中に置かれる
- 物体が別の物体の空洞を通る
8.つりあいの発明原理
- 上昇させる力を持つ別の物体を結合させることにより物体の重量を相殺する
- 空力的あるいは流体力学的な力を提供する環境との相互作用により物体の重量を相殺する
9.先取り反作用の発明原理(予備応力)
- ある作用を実行する必要がある場合には事前に反作用を考える
- 問題の内容により物体が張力を持たなければならない場合には、事前に反作用を与える
10.先取り作用の発明原理
- 事前に完全または少なくとも部分的に必要とされるアクションを実行する
- アクションを待つために時間を無駄にすることなくアクションに入れるよう物体を手配する
11.事前保護の発明原理
- 物体の低い信頼性を「緊急手段を準備して補正」する
12.等ポテンシャルの発明原理
- 作業条件を変化させて物体を重力場中で上下させる必要性を除去する
- ポテンシャル場中では、限界位置が変化する(ポテンシャル:潜在すること。可能性としての力)
13.逆発想の発明原理
- 問題の解決に使用する動作を逆にする
- 可動部分や外部環境を固定したり、固定部分を可動にしたりする
- 物体やプロセスを「逆さま」にする
例)Aにする代わりにBをする。Bにする代わりにAをする
14.曲面の発明原理
- 直線状の部品、表面、形を使用する代わりに、曲線状のものを使用する
- 平坦を球面にする。直線運動を回転運動に変更し、遠心力を利用する
15.ダイナミック性の発明原理
- 物体の特性、外部環境、プロセスを変更して、あるいは変更するように設計して、最適にするかまたは最適の作業条件を見出す
- 互いに相対的に運動できるように、物体を部分に分割する
- 物体またはプロセスが不動あるいは不変である場合は、可動にするかまたは適応性を高くする
(ダイナミック性:動的・力強いさま・力学的)
16.アバウトの発明原理
- その解決法で効果を確実に獲得するのが困難な時、その解決法で程度を「もう少し小さく」または「もう少し大きく」する
17.他次元移行の発明原理
- 物体を2次元または3次元空間内で移動させる。
- 物体を単層ではなく多層に配列する
- 指定された領域の「反対側」を利用したり、物体を傾けたりする
18.機械的振動の発明原理
- 物体を振動させる。物体の共振振動を利用する
- 振動数を超音波になる程度まで増大させる
- 機械的振動ではなく圧電振動を使用する
- 超音波振動と電磁界振動を組み合わせて使用する
19.周期的作用の発明原理
- 連続的な動作の代わりに、周期的または脈動的動作を利用する
- 周期的であれば周期の程度や頻度を変更する
- インパルスの間の一時停止を利用して別の動作を遂行する
20.連続性の発明原理
- 作業を連続的に遂行。物体のすべての部分が常に最大負荷で動作するようにする
- または遊休状態あるいは断続的な動作や作業をすべてなくす
21.高速実行の発明原理
- 破壊的、有害、あるいは危険な操作等のプロセスや段階を高速で実行する
22.災い転じて福となすのの発明原理
- 環境や周囲条件の有害な影響を利用して有益な効果を得る
- 主な有害動作を別の有害動作に追加して相殺する
- 有害要因を、有害でなくなるまで「増大」させる
23.フィードバックの発明原理
- フィードバックを導入してプロセスや動作を改善する
- 既にフィードバックを利用している場合は、その程度や影響度を変更する
(フィードバック:前の状態を参照すること)
24.仲介の発明原理
- 中間のキャリア物質または中間プロセスを利用する
- 物体を簡単に除去できる他の物体と一時的に組み合わせる
(プロセス:過程・工程・方法)
25.セルフサービスの発明原理
- 補助的な支援機能を遂行して「物体がセルフサービスを行うようにする」
- 廃棄資源、廃棄エネルギー、廃棄物質を利用する
26.代替の発明原理
- 利用しにくく、高価で壊れやすい物体の代わりに、単純で安価なコピーを使用する
- 物体またはプロセスを、光学的にコピーしたものと置き換える
27.高価な長寿命より安価な短寿命のの発明原理
- 寿命などある属性を犠牲にして、高価な物体を多数の安価な物体に置き換える
28.機械的システム代替の発明原理
- 機械的手段を、光学、音響、味覚、嗅覚などの知覚手段に置き換える
- 電界、磁界、電磁界を利用して物体と相互作用させる
- 固定フィールドから可動フィールドに変更する
- 強磁性体のように、フィールドによって活性化される粒子とフィールドを組み合わせて利用する
29.流体利用の発明原理
- 膨張、液体充填、エアクッション、静水圧、流体反応など、物体の固体部分ではなく気体または液体部分を使用する
30.薄膜利用の発明原理
- 3次元構造の代わりに柔軟な殻や薄膜を使用する
- 柔軟な殻や薄膜を使用して物体を外部環境から分離する
31.多孔質利用の発明原理
- 物体を「多孔質(多孔質要素)を追加・挿入・コーティング」する
- 物体が既に多孔質の場合は、孔を使用して有用な物質や機能を導入する
多孔質:多数の細孔をもつこと・ポーラス
有用:役に立つこと
32.変色利用の発明原理
- 物体の「色(透明度)や外部環境を変更する」
33.均質性の発明原理
- 物体を「同一の特性を持つ材料の物体と相互作用させる」
- 相互作用:二つ以上の存在が互いに影響を及ぼしあうこと
34.排除/再生の発明原理
- 機能を完了した物体の部分を「溶融や蒸発などにより廃棄や排出をする」こと
- または動作中にその部分を修正したり、逆に物体の消耗部分を動作中に回復させる
35.パラメータ変更の発明原理
- 気体、液体、固体などといった物体の物理的状態を変更する
(パラメータ:外部から投入されるデータなどのこと)
- 例)濃度や均一性の変更、柔軟性の程度を変更、温度を変更。
36.相変化の発明原理
- 体積の変化、熱の損失や吸収など「相転移の間に発生する現象」を利用する
(相転移:ある系の相が別の相へ変わるこ)
物質が気体・液体・固体になる相を気相・液相・固相と呼ぶ
物質が気体から液体や固体へ相を変えることを相転移と呼ぶ
37.熱膨張の発明原理
- 材料の熱膨張や熱収縮を利用する
- 既に熱膨張を利用している場合は、熱膨張係数の異なる材料を利用する
38.高濃度酸素利用の発明原理(強力酸化剤使用)
- 通常の空気を濃縮空気に置き換える
- 濃縮空気を酸素に置き換える
- 電離放射線により空気または酸素を処理する
(電離放射線:物質に電離作用を及ぼす放射線)
39.不活性雰囲気利用の発明原理
- 通常の環境を不活性な環境に置き換える
- 真空状態でプロセスを実行する
40.複合材料の発明原理
- 均質な材料を複合材料に置き換える
以上です。
参考にした書籍:TRIZの理論とその展開―システマティック・イノベーション
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