今日は「インチ寸法の意味・読み方・変換の仕方」についてのメモです。機械設計において、お客様の指定でアメリカ製の製品を購入・利用したりアメリカの設備図面を日本版に置き換え、設備を作り直し・改造をする仕事があります。
日本の図面に慣れている方が見るとインチ寸法は一見意味の解らない寸法で表示されています。そのインチ寸法を読み取る際には少し変わった解釈をしないといけないので、それら基礎をメモしておきます。
インチ寸法とは
インチはヤード・ポンド法の長さの単位で、1インチは25.4mmとなります。基本的に記号は、ISOでもJISでも「in」と定められているのですが、ダブルプライム記号「″」でも表されることが有ります。
読み方の例:5″=ごインチと読みます。
図面では「.813」などの読み取れない寸法があったりする
1インチは25.4mmで、全てが25.4を割り切れる場合は「3/4in=19.05mm」などの表現になります。
インチの代表的な数値
- 3/4in=19.05mm
- 5/8in=15.875mm
- 1/2in=12.7mm
- 3/8in=9.525mm
- 1/4in=31.75mm
- 1/16in=1.5875mm
しかし、上記のような数値で表しきれない細かい寸法値は図面の寸法において「.←ポイント」を利用されています。例えば「.813」などのようにです。
例1:.813=20.6502mmとなります。変換式は「0.813in×25.4mm=20.6502mm」です。
例2:12.523=318.0842mmとなります。変換式は「12.523in×25.4mm=318.0842mm」です。
0.813inのように1″(いちいんち)に満たない寸法値は「0.813″」となるところの「0ゼロ」を省きます。
ルール1:「.813″」などの小数点以下は3桁まで記載する
インチ呼びの際は、小数点以下3桁まで記載します。(よほどの特例がない限りそうなっていると思います)
ルール2:「.813″」などをミリに変換した際は小数点以下は2桁まで記載する
インチ呼びをミリに変換する際は、小数点以下は2桁まで記載します。
ですので、上記で変換した数値
例1:.813=20.6502mmは、0.813in×25.4mm=20.65(表示値)となります
例2:12.523=318.0842mmは、12.523in×25.4mm=318.08(表示値)となります
ルール3:分数表示のインチはミリに変換の際小数点以下1桁まで表示する
これは図面ルールといいますか、私が知る限りでの表現方法のルールとして、分数表示のインチはミリに変換の際小数点以下1桁まで表示するというのが有ります。
ですので「3/4in=19.05mm」は「3/4in=19.1mm」ですね。
【補足】ご注意:「′」はフィートですのでインチではありません
よく勘違いするのが「5′」を「インチ」と呼ぶ方がいますが「5フィート」いう意味です。フィートは「′(プライム記号)」となります。お気をつけください。
以上です。
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