今日は「エアシリンダの無接点スイッチの動作範囲は数ミリで、応差は1~1.5ミリ以下」というメモです。
先日、一つのエアチャックを利用して複数のワークを把持するを設計しましたが、その時に調べたエアシリンダ無接点スイッチの動作範囲・応差 をメモしておきます
エアシリンダの無接点センサの動作範囲
結論から言うと、エアシリンダの無接点スイッチ検知の種類は2種類(応差と動作範囲)があり
- 応差:1色式と2色式で違い、その範囲は1mm~1.5mmとなります
- 動作範囲:1色式と2色式、及びシリンダの径によって違います(大体5mm前後が多い)
以下、エアシリンダメーカーの引用です。
シリンダスイッチの応差とは(CKD・SMC)
ピストンが移動してスイッチがONした位置から、逆方向に移動して、OFFするまでの距離です。この間にピストンが停止するとスイッチの動作は不安定となり、外部の影響を受けやすい状態となります。
シリンダスイッチの動作範囲とは(CKD・SMC)
ピストンが移動してスイッチがONし、さらに同一方向に移動しOFFするまでの範囲をいいます。動作範囲の中心は最高感度位置です。この位置をピストン停止位置にセットしますと、外乱を受けにくく、スイッチの動作も安定します。
シリンダスイッチの動作範囲(SMC)
オートスイッチの動作範囲は、シリンダの機種・サイズにより異なります。各シリンダカタログの巻末に「オートスイッチ取付」の項目があり、オートスイッチの動作範囲(目安)が記載されていますのでご参照ください。
出典:CKD(シリンダスイッチ技術資料)、SMC(オートスイッチFAQ)
このようになりますので、エアシリンダのスイッチの動作範囲は全てのメーカーで一定の値ではありません。
【補足】動作範囲が複数ある場合の対処
ここでの補足は、設計初心者の方に向けて エアシリンダの動作範囲が複数ある場合のセンシングをどうするかについて、一般的なやり方をメモしておきます。
エアシリンダに付属される(付属させる)センサーは基本的に2つです。エアシリンダの良い部分は、ストロークエンドまで供給圧力に対して一定の力を発揮する部分ですが、それを生かして多品種対応で複数のワークに1つのシリンダで対応することがあります。また、センサーの場所も任意で決められるので、使い方も自由度があります。
単純な行きと戻りで利用する2点位置で使う場合は、その2点にセンサを動作範囲内以下で取り付ければ良いですが、複数の位置で使う場合はそのセンサの動作範囲を越える場合があるので、検知したい位置の数に対してセンシング出来る数が足りなくなります。
シリンダの内部ロッドは2点センサの間に複数の位置に止まるので、シリンダのロッドやチャックが何処にいるのか、何をしているのか解らない状態になります。その場合にシリンダが持つ2つのセンサーをどこに利用するかというと、基本的にシリンダの動作だけに使います。
- 戻り端(戻ってます、または、原点にいます)
- 行き端(行き過ぎています、ワークありません)
このように、戻りと行きの2点はシリンダ自体の動作を管理し、そのシリンダにより押されたり挟まれたりするワークは 別途ワーク検知用のセンサーを設置 して対応するとよいです。
つまり、
- 戻り端の検知はしていない(シリンダは出ている)
- ワーク用の別置センサ検知している(ワークここにあり)
- 行き端の検知もしていない(何らかの理由で来ていない)
このような状態を作ります。もちろん、仮にロッドの位置が数ミリの差の場合は有接点のスイッチを使う手もあります。 エアシリンダによるセンシングの方法は様々だと思うのでこれらが全ての正解ではありませんが、ご参考まで。
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以上です。