機械架台におけるアルミフレームと製缶フレームの比較

 

ここでは FA自動機などで使われる機械架台の構成を担う 「アルミフレームと製缶フレームの比較」 をメモしています。

 

私は、新規装置の構想段階で「この機械架台をアルミフレームで手軽に済ませるべきか、それとも手間をかけて製缶構造にするべきか」という選択に頭を悩ませることがよくあります。

 

アルミフレームを選べば納期短縮や軽量化が期待できる一方で、剛性不足による振動や熱変位が懸念されます。 逆に、製缶フレームを選べば信頼性は盤石ですが、コスト増やリードタイムの長期化、設計変更の難しさといったリスクを背負うことになります。

 

実際、組立現場で多くの機械を見てきましたが「この場所は製缶フレームが最適なのにアルミフレームで組まれている」などによる精度不良などが頻発しています。  設計者がアルミフレームの手軽さを何よりも優先している理由だと思うのですが、フレーム構造の選択は機械だけではなく長期で見たときの精度などにも影響してくる重要なポイントとなります。

 

本記事は、JIS規格に基づいた客観的な数値評価、ヤング率や断面二次モーメントを用いた力学的根拠、そして製造現場でしか語られない応力除去焼鈍や機械加工の実態まで踏み込んで解説しています。

 

さらに、両者の欠点を補い合う「ハイブリッド構造」の具体的な設計手法についても深く掘り下げています。 私が設計現場で培った経験と、不足部分を徹底的に調査したデータに基づき、貴社のプロジェクトにとって最適な選択肢を導き出すための判断基準をメモいたしますので、参考になれば幸いです。

機械架台設計の基礎とJIS規格

JIS規格が定める剛性評価

日本の産業機械設計において、機械架台の品質を客観的に担保するためには、個人の経験則だけでなく公的な規格に基づいた評価が不可欠です。

 

機械架台の性能を定義する上で特に重要なのが、JIS B 6201(工作機械-運転試験方法及び剛性試験方法通則)です。  この規格は主に工作機械を対象としていますが、高精度な位置決めや加工を行う自動機全般の架台設計においても、静的剛性や動的剛性を評価する際の事実上のスタンダードとして参照されています。

 

JIS B 6201では、荷重が加わった際の変位量を測定する方法や、その許容値に関する考え方が示されています。  設計者はこの規格を参考にすることで、「なんとなく揺れそうだ」という感覚的な不安を、「〇〇Nの荷重に対して変位を〇〇μm以下に抑える必要がある」という定量的な仕様へと落とし込むことができます。

 

また、振動に関しては JIS B 0906(機械振動-非回転部分における機械振動の測定と評価)が適用されます。  これはISO 10816シリーズに整合するもので、架台(非回転部分)の振動速度(mm/s RMS値)などを測定し、機械の健全性を評価する基準となります。

 

これらの規格を設計の拠り所とすることで、顧客や社内関係者に対して、なぜそのフレーム構造を選定したのかという設計根拠を明確に示すことが可能になります。  特に海外向けの装置や、厳格な品質管理が求められる自動車・半導体業界向けの設備では、JISやISOに基づいた剛性設計が要求仕様書に含まれることも珍しくないと聞きます。

 

 

ヤング率と断面二次モーメント

機械架台の「強さ」を議論する際、最も基本的かつ支配的な物理定数が ヤング率(縦弾性係数) です。  ヤング率は材料固有の「変形のしにくさ」を表す値であり、この数値が高いほど、同じ力がかかったときの変形量は小さくなります。

 

機械架台の主材料である鉄(SS400など)とアルミニウム(A6063など)を比較すると、鉄のヤング率は約206 GPaであるのに対し、アルミニウムは約69 GPaです。

 

これは物理的な事実として、同じ形状の棒を同じ力で引っ張ったり曲げたりした場合、アルミは鉄の約3倍変形しやすいことを意味します。  しかし、実際の設計において「アルミは鉄の3分の1の剛性しかないから使えない」と短絡的に判断するのは誤りです。  構造物の曲げ剛性は、ヤング率 E と、断面の形状によって決まる断面二次モーメント I の積(EI)で決まるからです。

 

たとえヤング率が低いアルミであっても、フレームの断面積を大きくしたり、断面形状を工夫して断面二次モーメント I を大きくしたりすることで、鉄に近い剛性を確保することは十分に可能です。  アルミフレームメーカー各社が、内部に複雑なリブを持つ断面形状を展開しているのは、軽量さを保ちつつ断面二次モーメントを最大化するためです。  設計者は、カタログに記載されている断面二次モーメントの値を確認し、鉄製角パイプと比較計算を行うことで、適切なサイズ選定を行うスキルが求められます。

 

以下の表は、代表的な構造用材料の物理的性質を比較したものです。

特性項目 単位 鉄鋼 (SS400) アルミニウム合金 (A6063-T5) ステンレス (SUS304) 比較のポイント
ヤング率 (E) GPa 206 69 193 剛性は鉄がアルミの約3倍
比重 (ρ) g/cm3 7.85 2.70 7.93 アルミは鉄の約1/3の軽さ
線膨張係数 (α) × 10^-6 /K 11.7 23.4 17.3 アルミは熱で2倍伸びやすい
熱伝導率 W/(m・K) 50 ~ 60 200 ~ 220 16 アルミは熱が伝わりやすい

参考出典先:JISハンドブック 鉄鋼 / 非鉄金属(日本規格協会)より作成

 

 

静的剛性の重要性と計算

静的剛性とは、静止した荷重やゆっくりと変動する荷重に対する変形の抵抗力を指します。  自動機においては、ロボット本体の自重、ワークの重量、あるいは加工時の反力などが静的荷重に該当します。  静的剛性が不足していると、重いワークを載せた瞬間に架台がたわみ、搬送レベルがずれて搬送ミスが起きたり、検査カメラの焦点距離が狂ったりするトラブルに直結します。

 

特に アルミフレームを使用する場合、梁(はり)のたわみ計算は必須のプロセス となります。  両端固定された梁の中央に集中荷重 P がかかる場合、最大たわみ δ は以下の式で表されます。

 

δ = (P × L^3) / (192 × E × I)

 

ここで L は支点間の距離(スパン)です。  この式からわかるように、たわみ量はスパン L の3乗に比例して急激に増大します。  アルミフレームはヤング率 E が小さいため、長いスパンで使用するとこの影響が顕著に現ります。  例えば、スパンを2倍にすると、たわみは8倍になります。

 

設計者は、許容できるたわみ量(例えばスパンの1/1000など)をあらかじめ設定し、逆算して必要な断面サイズを選定しなければなりません。  もし標準のアルミフレームでは剛性が足りない場合は、より太い高剛性タイプのフレームに変更するか、中間に支柱を追加してスパン L を短くする対策が必要です。

 

静的剛性の確保は、機械が仕様通りの性能を発揮するための土台となる要素であり、コストダウンを理由に安易に妥協してはならないポイントです。

 

 

動的剛性と固有振動数の制御

近年の自動機はタクトタイム短縮のために高速動作が求められており、静的な強さ以上に「動的な揺れにくさ」、すなわち動的剛性が重要視されます。  動的剛性の管理において鍵となるのが「固有振動数」です。  あらゆる構造体には振動しやすい特定の周波数(固有振動数)が存在し、外部からの振動(モーターの回転数やスライダーの往復運動など)がこの周波数と一致すると、「共振」と呼ばれる激しい振動増幅現象が発生します。

 

固有振動数 fn は、簡略化すると剛性 k と質量 m を用いて以下の関係式で表されます。

fn = (1 / 2π) × √(k / m)

 

この式は、剛性 k を高くし、質量 m を軽くすることで、固有振動数が高くなることを示しています。  固有振動数を高く設定することで、一般的な運転周波数帯域から共振点を遠ざけ、安定した稼働を実現できます。  製缶フレームは溶接による一体構造で剛性 k が非常に高く、かつ適度な質量 m もあるため、設計の自由度が高く、振動制御がしやすいという利点があります。

 

一方、アルミフレームは軽量であるため質量 m は小さいですが、ボルト締結部の剛性低下により全体の剛性 k が下がりやすく、結果として固有振動数が低下するリスクがあります。  低い固有振動数は、装置の低速運転時に共振を引き起こし、停止時の揺れ(整定時間)を長引かせる原因となります。  したがって、高速・高精度の位置決め装置の架台には、固有振動数を高く設計しやすい製缶フレームが選ばれることが多いのです。

 

 

構造による減衰特性の違い

振動が発生した際、その揺れをどれだけ素早く収束させられるかという能力を「減衰特性(ダンピング)」と呼びます。  剛性や固有振動数とは異なり、減衰特性に関してはアルミフレーム構造が独特の優位性を持つ場合があります。  これは材料そのものの性質ではなく、「構造減衰」と呼ばれるメカニズムに起因します。

 

アルミフレーム架台は、多数のブラケット、ボルト、ナットを用いて組み立てられます。振動エネルギーが架台に入力されると、これら無数の接触面において微小な滑り摩擦が発生します。  この摩擦作用によって振動エネルギーが熱エネルギーへと変換・散逸され、結果として振動が早く収まるのです。  これに対し、製缶フレームは溶接によって金属組織が完全に連続しているため、内部摩擦が極めて小さく、一度叩くと鐘のように長く振動が残りやすい傾向があります。

 

ただし、このアルミフレームの構造減衰は「結合部が完全に剛体ではない(微小に動く)」ことの裏返しでもあります。  つまり、減衰性を得る代わりに静的剛性を犠牲にしているとも言えます。  製缶フレームで高い減衰性を確保したい場合は、フレーム内部に砂や制振材を充填する「サンドダンピング」や、設置脚に防振ゴムを採用するといった追加対策が有効とのことです。  振動を嫌う精密測定機などの架台選定では、剛性だけでなく、この減衰特性の違いも考慮に入れる必要があります。

 

 

機械架台の熱特性と製造プロセス

熱膨張係数が招く熱変位

精密機械の設計において、温度変化による構造体の伸縮(熱変位)は精度不良の主因となります。  この熱変位の大きさを決定するのが 線膨張係数(熱膨張係数) です。  前述の比較表の通り、アルミニウムの線膨張係数は約 23.4 × 10^-6 /K であり、鉄の約 11.7 × 10^-6 /K のほぼ2倍です。  これは、同じ温度変化環境下では、アルミ製架台は鉄製架台の2倍伸縮することを意味します。

 

具体例として、全長 2000 mm のベースフレームで、朝と昼の温度差が 10℃ あった場合の伸び量を計算してみます。

  • 鉄製フレーム :2000 × 11.7 × 10^-6 × 10 = 0.234 mm
  • アルミフレーム:2000 × 23.4 × 10^-6 × 10 = 0.468 mm

 

この差である約 0.23 mm は、一般的なコンベア搬送などでは許容範囲かもしれませんが、精密検査機、あるいはロボットによる微細組立においては致命的な誤差となります。  熱変位はリニアガイドの真直度を狂わせたり、センサーの検出位置をずらしたりします。

 

設計者は、設置環境の空調管理状況を確認し、もし温度変化が大きい環境で高精度が求められるならば、アルミフレームの使用は避けるか、あるいは熱変位を見越した「逃げ構造(片側固定)」を採用する必要があります。  鉄(製缶)フレームは熱的に安定しているため、精密機器のベースとして長年信頼されてきた実績があります。

 

 

製缶品に必須の応力除去焼鈍

製缶フレーム、すなわち鉄鋼材を溶接して作る構造体を採用する場合、切っても切り離せない重要な工程が「応力除去焼鈍(SR処理:Stress Relief Annealing)」です。溶接は金属を局所的に融点まで加熱して接合するため、冷却凝固時に強烈な収縮力が発生します。  これにより、見た目は真っ直ぐでも、フレーム内部には強い引張応力(残留応力)が閉じ込められた状態になります。

 

もし 焼鈍 を行わずに機械加工で表面を削ると、内部の力の均衡が崩れ、加工中にフレームが反り返ったり、ねじれたりする現象が起きます。  さらに納入後に数ヶ月から数年かけて徐々に応力が解放され、経年変化として装置の精度を狂わせることも考えられます。

 

この工程を経ることで残留応力が除去され、組織が安定化します。しかし、焼鈍には大型炉を持つ協力工場への横持ち輸送費や、数日間の処理期間、そして燃料費などのコストがかかります。  また、焼鈍後は表面が酸化スケールで覆われるため、ショットブラスト等の清掃工程も必要になります。  製缶フレームの信頼性は高いですが、それを得るためにはこうした見えないコストと手間がかかっていることを設計者は理解しておく必要があります。

 

 

機械加工による高精度な仕上げ

アルミフレームと製缶フレームの決定的な違いの一つに、最終的な幾何公差(平面度、直角度、平行度)の達成能力があります。  アルミフレームは押出成形で製造されるため、JIS規格上でも 1 m あたり数ミリ程度の曲がりやねじれが許容されています。  高剛性タイプのアルミフレームであっても、ボルト組立だけで全体の平面度を 0.1 mm 以下に追い込むことは極めて困難であり、調整にはシムテープ等を用いた熟練の技が必要となります。

 

一方、製缶フレームの真価は、溶接・焼鈍後の「機械加工(マシニング)」によって発揮されます。  五面加工機などの大型工作機械を用いて、リニアガイドやモーターブラケットの取付面を切削加工することで、平面度 0.05 mm/1000 mm や直角度 0.02 mm といった高精度な基準面を創出できます。

 

以下の表は、一般的な製缶加工と機械加工の精度目安を比較したものです。

加工種別 精度(公差)目安 特徴 適した用途
製缶のみ(溶接上がり) ± 0.5 ~ 2.0 mm 熱歪みにより精度は低い タンク、一般的な架台、階段
アルミフレーム組立 ± 0.5 ~ 1.0 mm 押出公差と組立誤差が累積 カバー、安全柵、軽搬送ライン
製缶 + 機械加工 ± 0.01 ~ 0.05 mm 切削により極めて高精度 精密ステージ、ロボット走行軸

 

 

製造コストの分岐点を見極める

「アルミは高いが、鉄は安い」という通説がありますが、これは材料単価(キログラムあたりの価格)だけを見た場合の話です。  実際の装置製作におけるトータルコスト(材料費+加工費+組立費+管理費)で比較すると、サイズや生産数量によってコストメリットの優劣は逆転します。

 

小型から中型(一辺が 1 m 程度まで)の架台や、一品ものの専用機、試作機においては、アルミフレームの方が安価になる傾向があります。  これは、アルミフレームが「切断して組むだけ」で完成するため、設計工数や発注管理工数が少なく、溶接や塗装といった中間工程の固定費がかからないためです。  また、変更が生じた際も部材の交換だけで済むため、リスク費も低く抑えられます。

 

対して、大型の架台(数メートル級)や、同じ仕様の架台を何十台も製作する量産案件では、製缶フレームが圧倒的に有利になります。  大型のアルミフレームは剛性を確保するために断面積を非常に大きくする必要があり、高価なアルミ材料費が指数関数的に増大します。  製缶品であれば、安価な鋼材を必要な箇所に配置し、溶接治具を用いて効率的に生産することで、一台あたりの単価を大幅に下げることが可能です。  設計者は「大きさ」と「数量」を軸に、損益分岐点を見極めるバランス感覚が求められます。

 

 

部品調達とリードタイムの比較

プロジェクトの進行において、納期(リードタイム)は品質やコストと同等に重要な要素です。  この点において、アルミフレームは他を圧倒するスピード感を持っています。  主要メーカー(ミスミ、NICオートテック、SUSなど)は標準部材を豊富に在庫しており、カタログ品であれば発注翌日から数日での入手が可能です。  社内に切断機と在庫を持っていれば、図面を描いたその日のうちに架台を組み上げることも夢ではありません。

 

一方、製缶フレームは、発注してから納品されるまでに通常 2 ~ 4 週間程度の期間を要します。  これは「材料入荷→切断→開先加工→仮組み→本溶接→歪み取り→焼鈍→ショットブラスト→塗装→機械加工→検査」という多岐にわたる工程を経る必要があるためです。  特に焼鈍や塗装は専門業者へ外注されることが多く、物流の日数も加算されます。

 

したがって、開発期間が短い緊急の案件や、仕様が固まりきっておらず走りながら設計するような開発案件にはアルミフレームが最適です。  逆に、仕様が確定しており、量産スケジュールがあらかじめ決まっている場合には、信頼性の高い製缶フレームを計画的に手配するのが定石です。  リードタイムの違いは、設計着手のタイミングそのものに影響を与えるため、プロジェクト初期段階での工法決定が重要となります。

 

 

機械架台のハイブリッド構造設計

適材適所のハイブリッド構造

近年、コストパフォーマンスと性能を極限まで高めるために、アルミと鉄を適材適所で組み合わせる「ハイブリッド構造」が主流になりつつあります。  「すべてをアルミにする」「すべてを鉄にする」という二元論ではなく、機能単位で材料を使い分ける高度な設計アプローチです。

 

ハイブリッド設計の基本思想は、「主要な力の通り道(ロードパス)は鉄で作り、アクセサリーや非構造部材はアルミで作る」というものです。  具体的には、ロボットの足元、精密ステージのベース、高速搬送軸の土台といった「コア構造」には、製缶フレームを採用します。  ここでは鉄の重さが振動を抑えるアンカーとして機能し、機械加工面が幾何公差を保証します。

 

その一方で、安全柵、センサーブラケット、ケーブルダクトの支柱、操作盤スタンド、カバーの骨組みといった「サブ構造」にはアルミフレームを採用します。  これらの部位は大きな荷重がかからず、現場での据え付け調整や、将来的なカメラの追加・位置変更が頻繁に発生するため、アルミのT溝による拡張性が最大限に活きるのです。  この使い分けにより、製缶品の「重くて加工できない」という欠点と、アルミの「剛性が低くて高価」という欠点を相互に補完し合うことが可能になります。

 

冒頭の話に戻りますが、ここを間違える(設計を楽に終わらそうとする)と、機械にとって大切な精度が保証できなくなるのでとても大切な考え方です。

 

 

目的に適した機械架台の選び方

機械架台の選定に絶対の正解はありません。  あるのは、そのプロジェクトの制約条件(納期・コスト・要求精度・環境)に対する「最適な妥協点」だけです。  これまでの解説を総括し、設計者が最終的な意思決定を行うための指針を以下にまとめます。

 

  • アルミフレームを選ぶべきケース:
    • 納期が最優先で、1週間以内に架台が必要な場合。
    • 開発要素が強く、頻繁なレイアウト変更や改造が予想される場合。
    • クリーンルーム内など、塗装剥がれや発塵を極端に嫌う環境。
    • 装置全体を軽量化する必要がある場合(可搬式設備など)。
    • 要求精度が ± 0.2 mm 程度と比較的緩い場合。
  • 製缶フレームを選ぶべきケース:
    • ミクロン単位の位置決め精度や高い平面度が必要な場合。
    • 重量級のロボットや高速スライダーを搭載し、振動対策が必須の場合。
    • 量産装置で、1台あたりのコストを極限まで下げたい場合。
    • 屋外や多湿環境など、過酷な条件下で使用される場合。
    • 数トンクラスの荷重を支える必要がある場合。
  • ハイブリッド構造を選ぶべきケース:
    • 性能と使い勝手の両方を追求したい場合。
    • ベース剛性は譲れないが、周辺機器の取り付け調整を行いたい場合。
    • 製缶品の重量を少しでも減らしつつ、主要部の精度を確保したい場合。

 

プロの機械設計者としての役割は、これらの特性を深く理解し、プロジェクトの目的に合致したリスクとメリットのバランスを意図的に選択することです。  自信を持って「今回はこの理由で、この構造を選びました」と説明できる設計を目指していきましょう。

 

 

まとめ

  • 機械架台の設計はJIS規格(B 6201, B 0906)に基づき数値で剛性を評価する
  • ヤング率は鉄がアルミの約3倍だが断面二次モーメントの工夫で剛性は補える
  • 静的剛性の計算ではスパンの3乗に比例してたわみが増える点に注意する
  • 動的剛性は質量と剛性のバランスで決まり固有振動数の制御が共振回避の鍵となる
  • アルミフレームは結合部の摩擦による構造減衰が期待できる
  • 熱膨張係数はアルミが鉄の2倍であり精密機器では熱変位が致命傷になり得る
  • 製缶フレームは応力除去焼鈍(SR)を行うことで加工後の歪みと経年変化を防ぐ
  • 機械加工を施した製缶品はミクロン単位の幾何公差を実現できる
  • 製造コストは小型・単品ならアルミが有利で大型・量産なら鉄が有利となる
  • リードタイムはアルミが圧倒的に早く製缶品は数週間の期間を要する
  • ハイブリッド構造は鉄の剛性とアルミの柔軟性を兼ね備えた現代的な解である
  • 仕様変更の頻度や設置環境に応じて適切な工法を選択する判断力が求められる
  • 設計者はコストや納期だけでなく物理的な裏付けを持ってフレームを選定すべきである
  • 最適な架台設計は装置全体の性能と信頼性を決定づける最も重要な工程の一つである

 

以上です。