今日は 「機械ベース架台の設計タイミング」 についてのメモです。
先日、納期がやばいからって計画後すぐに出図を迫られたベース架台は追加工は有ったものの無事だった件について、メモを残しておきます。 ベース架台の設計・製作を、他の設計士がどう対応しているか気になる方は是非参考にしてみてください。
機械のベース架台
今回私が設計した装置は、完全ゼロから設計の上に何がどんなレイアウトで載っかるかも正確に決まっていない状況での出図でした。出図を迫られた理由は納期に対応する為です。「架台図面出して!」と言われても「危険過ぎます!出せません!」というやり取りがありながらも、見出だした方法が
- 製缶図面の出図(大型の穴だけ含む)
- 2週間後に穴あけ加工図の出図
こんな流れでベース架台を出図しました。装置の大きさは計画段階で把握できていたので製缶図面は早めに出すことが出来ましたが、2週間後に迫った穴あけ加工図はハッキリいって「一か八か」でした。(でも仕方なかったです・・・)
実際に組立が始まり機器がどんどん載っていく際に、もちろん追加工はありましたし、載るものが増えていって余裕があったサイズがギリギリになってしまっていましたが、何とか載りきりましてホッとしました。
ベース架台が持つ課題
機械のベース架台は、
- 一番最後に設計が終わる部品
- 溶接があったりするため一番納期掛かる
- 一番最初にないと組立が開始できない部品
であるため、ベース架台の設計・製作はタイミングが非常に難しいと思います。
ベース架台の設計と手配のタイミング
そんな悩みをツイッターで呟いた所、いつもお世話になってる皆様から以下の回答を頂きましたので箇条書きでシェアさせていただきます。
私からの質問
納期がやばからって計画後すぐに出図を追われた架台は追加工があったが無事だった。 良かったって思ったけれどよく出図できたなって思います。
これ、装置設計の課題ですよね。 一番最後に設計が終わり一番納期が掛かるけれど一番最初に無いといけない部品。 皆さんどうされています?
ベース架台設計・製作に対する皆様の状況
「b」さん
内容物の配置で設計が変わるので、全部終わってから出図してます。
「Y」さん
仮図で材料取りだけしてもらい、他が固まったら出図ですかね。細かい機器が沢山つく場所があれば架台にアルミフレーム固定して変更が利くようにするかもしれません。角パイプ程度なら後で追加工も出来るのであまり心配しないで出すかもしれませんが
「あ」さん
自分なら天板にピン打っといて天板の上に板を1枚追加してその板を追加工か板ごと変えるかですね。あと架台は足が多いと平行出しが難しく、キャスターも5点以上は極力避けたいですね。その辺は剛性との兼ね合いですが。
「s」さん
納期の長い順に出図が基本なんだけど、架台関係はそもそも設計工数が大きく、しかも搭載される機器、部品に変更があれば架台も変更必要、ってことはぜーんぶ決まらないと架台って出図できないよね?になってしまう・・・アルマイトのベースなんて追加工も「?」だし。毎回悩んでます。
「た」さん
機器選定概要・配置概要が終わったら架台は先にやるかも
「ま」さん
ある程度乗っかるものの配置が決まったら架台詳細に手をつけます。流用や類似のものなら、乗っかるものがそれ程変わらないので結構早目に出します。調達の納期次第な所はあります
まとめ
簡単にまとめてみます。機械のベース架台・設計とは、
- 基本的にレイアウトが決まってきたら出図の対象となる。
- 出図後の変更に備えた手を打っておく
- 追加工は仕方がない
機械のベース架台は上記3つのように、納期に応じた対応方法と、リスクを理解しておく必要があります。
貴重な情報をくださったエンジニアの方々、本当にありがとうございました。
以上です。