【用語解説】超音波センサ(反射型 / 透過型)とは?機械設計での使い方と実務の注意点

2026年10月8日

超音波センサ(反射型 / 透過型)とは?

超音波センサとは、高周波の音波(通常20kHz以上)を放出し、検出対象物(ワーク)から反射した音波、または対向する受信部へ到達した音波の伝伝搬時間や減衰を測定することで、ワークの有無や距離を検知する非接触式センサです。光学式センサと異なり、透明体(ガラスやアクリルフィルムなど)や光沢面、黒色ワーク、粉塵環境下でも安定して検出できる特徴を持ちます。

反射型と透過型の原理と特徴

1. 反射型超音波センサ

発振部と受信部が一体化(または近接配置)されており、センサから出た超音波がワークに当たって跳ね返ってくる時間(Time of Flight: ToF)を計測します。片側配線・設置が可能で省スペース化に貢献しますが、センサ直近の反射波を分離できない「不感帯(ブラインドゾーン)」が存在することや、ワークの傾きによる反射波の散逸に注意が必要です。

2. 透過型超音波センサ

発振器(投音部)と受信器(受音部)を対向に配置し、その間をワークが遮ることで受音強度が減衰・遮断される現象を利用します。長距離検出が可能で、ワークの表面状態や傾きに影響されにくく、シート材の重なり検知(2枚送り検知)や搬送ラインの通過確認などに多用されます。

機械設計における選定・配置の重要ポイント

  • 指向角と周辺干渉:超音波センサはコーン状に音波が広がるため、搬送フレームや近接部品による誤検出(迷光ならぬ迷音)を防ぐ十分なクリアランスが必要です。
  • 不感帯(ブラインドゾーン)の逃がし:反射型の場合、ヘッド近傍数センチ〜数十センチは検出不能領域となるため、ブラケット設計時にオフセット距離を確保します。
  • 環境要因(温度・気流・外乱音):音速は周囲温度によって変動(331.5 + 0.6t m/s)するため、高精度距離測定には温度補正機能付きセンサの選定や、エアブロー・局所吸気による気流の乱れを避けるレイアウトが不可欠です。

現場の実務における注意点(故障・選定要因とクリティカルポイント)

自動化ラインや組立装置において、超音波センサを「動作完了」や「ワーク供給完了」のインターロックトリガとして用いるケースでは、センサの経年変化や取付緩みによるチャタリングが重大なライン停止を招きます。

  • 「完了」トリガの信頼性確保:搬送やプレス完了の検知に超音波センサを採用する場合、残留振動(リンギング時間)の影響でチャタリングが発生し、上位PLCが「完了未達」と誤判定するトラブルがあります。アンプ側のフィルタ設定やタイマ処理(チャタリングキャンセル)をハード・ソフトの両面で組み込むことが必須です。
  • 保守更新のクリティカルポイント管理:超音波振動子(圧電セラミックス)は、連続駆動による圧電素子の経年劣化や保護樹脂の硬化によって、感度低下が不可逆的に進行します。特に24時間稼働ラインでは、定期点検スケジュール(点検マイルストーンや長期リプレイス時期)を明確な「クリティカルポイント」として工程計画・保全計画に組み込み、感度低下による不意の誤検出が発生する前に計画交換を行う体制を設計段階から織り込んでおくことが極めて重要です。