今日は「スパナの規格サイズと許容差の表・JIS規格」についてのメモです。この記事は
- スパナのJIS規格寸法を知りたい方
- スパナの正式な呼び方を知りたい方
- スパナ2面幅の公差・許容差を知りたい方
- 機械設計における組立スペースの検討をしたい方
に向けた記事となります。 このメモはスパナの規格に特化しているので、六角ボルトの頭寸法に対するスパナのサイズが知りたい方は、この記事ではなく ボルトの頭寸法 で解説していますのでそちらをご確認ください。
スパナの規格サイズの載っているJIS規格
スパナの規格サイズと許容差が載っているJIS規格は「JIS B 4630:1998」になります。
スパナのサイズと形状について(JIS規格抜粋)
まず、JISに規格されているスパナの形状と等級、硬さ大きな分類は以下の通りです。
上記の大まかな分類があり、スパナのJISに規格されているスパナのサイズは、最小は3.2(M1.6六角ボルト用)から最大120mmまであります。当初スパナのJISが出来た時「丸形」と「やり形」でサイズは、丸形が5.5~80mmまで、やり形が5.5~30mmまででしたが、それに追加でさらに小さいサイズは3.2~5が追加され、大きいサイズは50~120mmが追加されて今の規格になっています。
それらの寸法は記事最後のほうで纏めています。
スパナの「丸形」と「やり形」基本的な頭部の違い
スパナの頭部形状には丸形とやり形で違いがあります。違いは以下の通り。
上記2つのスパナの頭部形状で、片口スパナ及び両口スパナがあります。
スパナの規格では、サイズの二面幅についてはどのスパナも同じ公差で、外幅や厚さの最大値が違います。ですので、設計においてスパナが入るエリアを確保する場合は使うであろうスパナのJIS規格を参考とする必要があります。設計においてスパナのスペースを考慮する場合、
- ボルトのピッチと回せるエリア:丸形スパナを参考とする。
- 工具を回す半径:両口スパナのL寸を参考とする。
という感じです。
スパナの呼び方
一応、スパナのJIS規格によるスパナの正しい呼び方も確認しておきます。
- JIS B 4630 丸形両口スパナ 強力級 8×10
もしくは
- やり形片口スパナ 12
とされています。
スパナの規格サイズ別2面幅の許容差について
スパナのサイズ別2面幅の許容差は以下の通りです。
【補足】対するナットの寸法許容差は?
補足情報ですが、スパナの2面幅公差は上記になりますが、対する六角ボルトの2面幅やナットの2面幅の許容差はどうなるかというと、以下のようになります。ボルトとナットの2面幅は等級によって公差が変わってきますので、参考までに粗級の公差を記載しておきます。
エクセルシートのダウンロード
今までの内容で、スパナにはJIS規格で従来は「丸形」と「やり形」があり、それに追加で2面幅が更に小さい幅と大きな幅が規格に追加されたと説明いたしましたが、全部を網羅したところで設計に上手く利用しずらいので、「丸形」優先で( )内を「やり形」とし、さらに赤字で追加規格の小さい幅ほ方のみを表に落とし込んであります。
組立しやすい設計をする為にご利用ください。
JISB[4630スパナ寸法【丸形(やり形)】
以上です。