今日は、機械設計の勉強やスキル向上を支えてくれる「機械設計便覧」についてのメモです。機械設計は範囲がとても広くどのように勉強したら良いか解らないという人も多いはずです。
自身が所属する会社によっては、日々同じ事の繰り返しでCADスキルなどの操作技術は向上するものの「設計」に関してはなかなか勉強できていないという方もいらっしゃるのではないでしょうか。
今日は、特に機械設計を幅広くを勉強したいと考えている方や、色々な機械要素を知りたい・学びたい方に向けて記事を書きました。
機械設計便覧
皆さんは大切にしている機械設計にまつわる本持っていますか? 私は機械設計をする上で絶対に手放せない本があります。
それは「機械設計製図便覧」という製図方法から機械要素の使い方・寸法など、JISから抜粋し記載している分厚い本です。かれこれ8年くらいは使っているかな・・・。(シミ付いているし・・・2019年についに表紙が破れました・・・。)
この本は綺麗に取っておこうなんて考えていません。持っている機械設計製図便覧には、実務に必要な情報(ノウハウなど)をその都度書き足したり、目立つようにタブをつけて利用しています。タブの内容を見てわかってもらえると思いますが、機械設計に関する内容がかなり幅広く入っています。
そのため、この機械設計便覧は、設計初心者からベテランまで必須の機械設計参考書であり、持っている設計者はかなり多いです。
幅広く機械設計を勉強する方には必須の参考書です。
機械設計では基本を抑えることが何より大切です。ある程度ジャンルも縛られ、決まった設計を行なう会社さんでは「独自の表現方法」が多く見受けられます。それらは基礎を超えた応用ですね。
「この部品を加工する所は良く知っているから、この表現だけでOK」だとかそんな事よくありますよね。
でも、初めて機械設計をする方なんかにはしっかり説明しておかないと、その「独自ルール」が設計や製図の規格なんだと思い込んでしまう場合も非常に多いです。ですからルールの徹底された会社さんの若手設計士さんはこういった機械設計基礎の参考書を持たず設計業務に当たっています。
当時の私もそうでした。
ですが幅広く設計を行ったり、他の会社とお付き合いしていく中でも製図のルールは「JISに則った製図方法」が基礎になります。そして、いちいち「JIS」を見たり探したりしていくうちに、「JIS」に則った製図が出来ないこと・知らない事が設計士としてちょっと恥ずかしくなったんですよね
「こんな状態で僕は設計士してたのか・・・だからたまに通じない表現があったのか・・恥ずかしい・・」と。
そこから機械設計製図便覧を参考書にするため手に入れ、設計の基礎を見直しました。というかそれを基本とするように頭の中身を変えたんです。何か問題や疑問が生まれたときはまずはここから見てみます。
「製図の規格では ”こうしなさい” というルールがあるが、JISでは細かすぎるので一般的には簡略して書くことが多いようだな。確かにJISでは細かすぎる部分があるので一般的なルールに沿って行なおう」
という感じですね。
基本的なルールを把握した上で応用技をきかせるわけです。そうすれば若手設計士も「あぁ、この表現は実際ルールと外れているんだな。でもこういう理由があってこうしているんだな」と解ってもらえるのです。・・・たぶん
若手に対して私がいちいちJISがどうのこうの言うので、その意識が根付いていてくれると良いですね。JISを知っていること・JIS規格の探し方を知っているという事は、他の会社に移っても十分生きていける知識になります。
万能な機械設計士になるためには「幅広く深く」設計業務を行い、加工方法だったり開発の手法だったりありとあらゆる知識が必要です。こういったJISの製図方法は少し古さを感じるときもありますが、どんなカテゴリでも安定した製図が出来る設計士になるためには基礎を徹底して意識することが大切で、それらを知っていることはとても魅力的だと思います。
ある程度になると、他の方の図面を見るだけで技量がわかったりしますしね。データもそうです。どこに気を使っているのか、解るようになるものです。
ということで機械設計の勉強や実務で便利で役に立つ本のご紹介でした。特に設計初心者の皆様は「機械設計製図便覧」を持ってるとよいと思います。出来れば会社の所有物としてではなく、自分で持ち、あれやこれや書き込んでいけると良いですね。
以上です。
関連記事:勉強/参考/本
関連記事:機械設計の話