今日は「検図は図面だけではない。検図の全容を学べる本」というメモです。
私たちの働くこの製造業は、ここ数年で
- そもそも検図する人がいない
- 検図する人が忙しい
と、こんな感じになってると思うんですよね。 検図はあらゆる 失敗から学び・体系化している会社も多く、その体系化された仕組みが製品の品質を決めるような物 なので、検図のやり方などの情報が外に出ません。
その為、他の設計者さんや企業が どんな事をしているか解らない工程がこの検図 です。機械設計において、検図はある意味で一番緊張する工程なのかもしれませんが、これから私たち製造業において
- 検図の出来る人が減ってくる
- これからは自分でやるしかない
という流れが今よりも加速してきて、設計者の負担がより増えると思います。 結果的に協力されたり、修正されるのは◯(マル)ですが、検図は他人の協力が得られるハズという考えはこれからは捨てた方が良いかもしれません。
今は検図のノウハウがあっても、これからは検図レスのノウハウが重要になってくるかもしれませんね。
もちろん、検図レスといっても検図の基礎知識が無いと出来ないと思いますが、どんな形であれ、検図を学ぼうとしている方は絶対に読むべき本をメモしておきます。
検図を学べる本
「正しい検図」
検図を語るのはとても大変。とてもボリュームがありますし、一言に「検図」と言っても扱うカテゴリーによって検図する内容が違ってきます。
検図の目的を広い範囲でいうと 検図はミスを事前に見つける為の行為 ですが、検図と言うのは一般的なチェック項目があって、そのチェック項目を各カテゴリー別に各社アレンジしている形になります。
一般的な検図チェック項目は以下の通り。
- 客先要求仕様を設計で満足しているか(環境・安全対策など)
- 社内要求を満足しているか(過去ミス反映・極力購入品化など)
- 干渉が無いか(動作・強度など)
- 組み立てられるか
- 図面は正しく書けているか(寸法・処理・材質・公差など)
- コストは適切か
これらが一般的な検図の内容ですが、これだけだとどう具体的に検図してよいかわからないと思います。
そのヒントをもらえるのが「正しい検図」という書籍です。
元自動車メーカーの設計者で、現在は製造業・経営コンサルタントとして活躍している中山聡史さんが検図に対する1から100まで、全部書いてくれています。この本では、より細かく・具体的なチェック項目と検図のタイミングを説明してくれているので 検図作業が上手く行かなくて困っている方は「目からうろこな情報」が多い と思います。
つまり、この「正しい検図」で 通常見ることの出来ない大手の検図フローから。自社にあった検図方法をピックアップすれば良い と思います。(こんな言い方良くありませんが、ここまで検図をまとめられている書籍はありがたいので大企業ノウハウをパクってしまいましょう。)
私も、この本を読む事で、まだまだ足りない部分が見えてきたので大変勉強になりました。私は今後、自己検図の能力を上げていこうと思います。
簡単ではございますが、以上です。
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