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【これでOK】位置決め方法のセオリー「3・2・1の法則」

2020年8月24日

 

今日は「位置決め方法のセオリー3・2・1の法則」についてのメモです。

 

機械の設計・メカ設計において、セオリー(確立された情報)がいくつかあります。

 

そこで、今日は機械設計の仕方で 押さえるべきセオリーの1つ、プレート(角形状)の部材を位置決めする方法の基本「3・2・1の法則」 をメモしておきます。 「3・2・1の法則」を知っている人が多いのか少ないのか・・・。

 

私は、基礎知識なく設計を始めた現場叩き上げの設計者なので、そのような法則がある事を教わらず経験から位置決め方法を知ったタイプです。 私に限らず多くの人は、実際の図面をみたり、失敗した経験から、あるべき設計を学ぶ事が多いと思いますし「経験して覚える・師匠から技術を盗む事で成長していくんだ」と、結果的にそんな指導になっている会社さんもあることでしょう。

 

しかし、それでは理解するまでに時間とお金、労力が掛かりますよね。

 

私個人としては、こういった情報は早めに知りたかったですし、早めに教えるべき(検図対象にしても良いくらい)だと思っていますのでメモします。 

 

今日の内容は、特に設計初心者さんには参考になると思います。 これ以上もこれ以下もありません。 このセオリーを把握・理解して是非設計にいかしてみてください。

これで大体いける位置決め方法のセオリー3・2・1の法則

機械設計の位置決め方法

まず始めに、位置決めについて大切な事をメモします。

 

良い機械を設計する人と、そうでない人の違いは位置決めの有無やその方法を見れば大体検討が付きます。 あくまで個人的な意見ですが、良い設計がされた機械は各部材・ユニットの位置決め方法が適切 です。

 

私は、位置決めを以下のように理解しています。

 

位置決めの数が多いと組立調整の難易度下がるが、位置決め方向を間違えると組立調整の難易度を上げる。

 

そして、

 

位置決めの数が多いと組み立ての再現性が上がるが、位置決め方法が悪いと再現性が落ちる

 

つまり、 ただ位置決めしとけば良いという話ではありません。 ここの差が良い設計かどうかの違いに大きく影響すると思います。 

 

では、どう位置決めをすれば良いのか、そこで必要になってくる考えが「3・2・1の法則」というものです。

 

 

3・2・1の法則について

この「3・2・1の法則」という位置決めパターンを理解し、意識して設計するだけで良い機械・構造になります。 「3・2・1の法則」とは、単純に基準としたい面から 3 → 2 → 1 の数だけ位置決めしていくというもの です。

  • 第1面:3ヵ所
  • 第2面:2ヵ所
  • 第3面:1ヵ所

 

これが基本で、増えも減りもしないのでとてもわかりやすいです。 もちろん、位置決めにおいて3方向あるうちの1方向にはスライドさせたいという思いもあるでしょう。 その際は第3面の1ヶ所を外せば2面決まった状態で1方向にスライドできます。

 

という事は、

 

  • 第1面を3点で支持しただけの場合は、第2面、第3面方向は動けます。
  • 第1面を3点で支持し、第2面を2点支持すると、第3方向に直動(スライド)します。
  • 第1面を3点で支持し、第2面を2点支持し、第3方向を1点支持してあげれば物は動けません。

 

これが位置決めの正しい理解で良いと思います。 文章だけでも とても良質な位置決め、固定方法 だと解りますよね。

 

 

3・2・1の法則をどう使い方こなすか

使い方は簡単です。 プレートを固定する時の3面を理解し、スライドさせる(微調整できる)構造にするなら、その方向に合わせて面を決めれば良いだけです。もちろん、重力は下に働いているので平面を3点の第1面とするとやり易いですが、側面(壁側)を3点としたい場合、重力の掛かる方向に位置決め面が来れば良いだけですよね。(載せてたままスライドできるようにする)

 

どうでしょうか。 こんな形で 位置決めする方向を考えながら設計すると、位置決めが結構簡単に出来そう なの解りますよね。

 

 

 

ちょっと補足します

このように、「3・2・1の法則」を使って位置決めする場合、CADによる設計で盲点になるのが位置決め基準となる部分(立ち壁やピンなど)にどう押し付けるかにも意識できると良いですよね。 部材はたわむし、部材端面も凹んだり傷がついたりします。

 

例えば先ほどの 重力が働いているので平面に3点を持ってくるとやり易いといいましたが、これは体感な話で、CAD上ではそんな重さなんて感じることは出来ないのです。 なので、良い設計は位置決めも適切だが、組立調整の事を考えて組みやすさも考慮されています。 そして調整する方向には当てて固定するのではなく、調整する方向へ調整できるようになっています。

 

また、上記を読むと「全部に調整入れとけば良いじゃん」という若手の方もいるかと思います。 その場合は 基準としたい部品やユニットは調整なしの位置決めで固定し、関連する部品やユニットを調整してあわせていくという方法 があります。 きっとそっちのほうが良いでしょう。 全部調整だとそもそもの基準が無くなりますので。

 

 

まとめ

少し纏めますが、機械設計における位置決めをマスターするには

 

  • 基本となる「3・2・1の法則」を理解する事
  • 何に対してどんな方向で位置決めをするのか考えてレイアウトする事

 

この2点は凄く重要です。(上手く伝わりましたでしょうか・・・)

 

 

最後に

今まで位置決めに対しての記事をずっと書きたかったのですが、どう文章にしたら良いか難しくてなかなか書く事が出来ませんでした。

 

が、

 

今日の位置決めや固定方法について、私よりも的確に図をもって説明してくれている書籍を見つけた のでメモしておきます。

 

その書籍は「はじめての治具設計」という本です、タイトルだけを見るとベテランの方は避けてしまう本かもしれませんが内容は素晴らしい んですよね。 今回の記事は機械設計においてほんの一部の話で、こういったセオリーは多く存在します。

 

この書籍では

  • 丸棒「縦向き・横向き」の位置決めの基本
  • 位置決め部の面・ピン当たり・調整方式
  • 穴基準で位置決めする方法や公差の決め方

 

なと、第1~3章までは機械設計者必読の位置決めノウハウ、4章以降は初心者に向けた一部機械要素の説明が入っています。

 

私もたまたま目について購入した本ですが この本に出会えて良かったです。 これがあればほぼ全部の位置決めが解るんじゃないかなと思います。 新しい書籍なので、内容も厳選されているように感じました。ぜひご利用ください。

 

以上です。

 

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