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スピコンのメータアウトとメータインの違いと使い分け【保存版】

2017年3月3日

今日は「スピコンのメータアウトとメータインの違いと使い分け」についてのメモです。この記事は

 

  • エアシリンダの駆動回路でスピコンを利用する方(特に初心者)
  • スピコンのメータアウト・メータインの違いや特徴を勉強をしたい方

 

に向けての記事となります。

スピコンのメータアウトとメータイン

スピコンを利用する目的

スピコンは名前の通りエアのスピードをコントロールするものです。(推力は調整できません)

 

圧縮エアをそのまま通過させるわけでなくエアを絞って流量を調整、シリンダなどのスピードを結果的にコントロールするものです。その絞るタイミングを入り口で絞るのがメータインで、出口で絞るのがメータアウトになります。

 

 

メータインとメータアウトで覚えておくべきポイント

スピコンの記号について説明します。メータアウトとメータインでは以下のような大きな違いがあります。

 

スピコンのメータアウトとメータインの違いって、出口で制御するか入り口で制御するかの違い。2

 

 

スピコンのメータアウトとメータインの違いって、出口で制御するか入り口で制御するかの違い。1

 

※取付け側とはエアシリンダポートの事で、この記号の見方は、「>」が広がっている方向に対して自由に空気が通過で、逆の流れ(>の閉じている方向への流れ)が調整可能となります。

 

  • メーターアウト:シリンダから排気されるエア量を制御し、シリンダの速度を調整する(主に複動用)
  • メータイン:シリンダに供給するエア量を制御し、シリンダの速度を調整する(主に単動様)

 

SMC様のサイトでは細かく違いが記載されているので引用記載しておきます。

引用:SMC(FAQ)スピードコントローラのメータインとメータアウトの違いと使い分けを知りたい。

【メータアウト制御】
シリンダの駆動時にシリンダからの排気流量を制御し、シリンダの速度を調整する制御方式です。
「特徴と動作」
・調整しやすい。
・負荷変動に対して速度が安定する。
・垂直方向でも制御できる。
・排気側の圧縮空気がないと制御できない。(シリンダの飛び出し現象の発生)

 

【メータイン制御】
シリンダの駆動時にシリンダへの供給流量を制御し、シリンダの速度を調整する制御方式です。
・排気条件に左右されない(飛び出し現象発生の抑制)
・動き出しが早い。
・負荷変動に弱い。
・外力や負荷の慣性力の作用を受けやすく,垂直方向の制御が難しい。
・エアクッションが使用しにくい。

 

 

メータアウトとメータインはシリンダの動作にも違いがある

メータアウトとメータインはシリンダの動作にも影響の違いがあります。メータインを利用する場合、入り口でチョロチョロと空気をいれてスピードを調整するのですが、入る空気量も少なくなり排気側は大気圧になるので、予定していた推力を得るためには若干時間が掛かります。推力自体のコントロールは難しいです。

 

逆にシリンダから出てくる空気を絞って(出づらくして)スピードをコントロールするのがメータアウトのスピコンになるのですが、メータアウトを利用する場合は、シリンダ内部の排気側と給気側共に圧縮空気が充填された状態になります。常に設定圧力が掛かった状態で出口を絞っているので安定した推力を得られ、スピードをコントロールできる特徴があります。

 

 

メータアウトとメータインの違いと使い分け

全てメーターアウトにすれば良いのでは?と思います。メータアウトは一般的に複動形のシリンダに良いとされています。

 

これは良いとされていると言いますかメータインを利用するメリットがないからです。安定した推力を得ながら出口でスピードを調整する。それはロッド押し出し方向も、引き側でも同じことです。

 

逆にメーターインが利用される場所としては単動シリンダに多く利用されます。これは構造を考えると理解しやすいですが、単動は入る側しかスピードを調整できない欠点があります。そのため必然的にメータインを利用する必要があります。

 

 

メータアウトとメータインの回路

結局、スピコンをどう図面に落とし込めばよいの?と疑問の方もいらっしゃるかと思いますので、参考までに回路図面におけるスピコンの表記方法を記載しておきます。

(ちなみに回路図に使えるデータはSMCさんなどの空圧機器メーカーさんで配布しています)

 

以上です。

 

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