今日は「平座金を使う場所の参考」についてのメモです。設計者それぞれ、各会社さんそれぞれで平座金の使う場所、入れる場所にはルールがあると思いますが、設計初心者の方に向けて、平座金を使う場所とその考えについてメモを残そうと思います。
平座金がよく使われるところ
平座金が使われる場所として長穴がありますね。長穴には平座金が必須になります。なぜ長穴に平座金がそこに必要かというと、通常の穴と長穴ではボルトの押さえつける面積が違います。
その面積の違いで何が起きるかと言うと、 長穴を切られているプレートがボルト軸力により結果的に窪んだり、板自体がずれてしっかり長い穴センターで止められない場合、ボルトにも偏った荷重が掛かるのでよくありません。
組立調整する所も平座金が必要でここでばね座金も有効になる
長穴を使う場所の代表が組立の調整部です。
組立調整の場所は調整方法にもよりますが、ここで平座金に加えてバネ座金を利用する事で 軽い力を加えながら調整できるので組立調整が楽になるメリットがあります。 バネ座金は不要だと言う話もあり、実際締結しきってしまうとバネ効果が低くなるので確かに不要ですが、調整しやすくさせる目標であれば良い利用方法になります。
平座金を使うと面圧力が下がる
補足ですが、先ほども書きましたように、 ネジの軸力は押さえつけている力になります。 例えば樹脂を締結する場合などですが、母材への応力が大きく窪んでしまうのを平座金を使い面圧を下げるテクニックもあります。
長穴までもしないが大きめのキリ穴で締結したい場合
機械のベースなど大きなプレートを締結する場合、キリ穴を大きめにとって微量の調整を可能にさせる場合がありますが、こういった大物+大きめのキリ穴の場合は、平座金ではなく、厚みのある金属ワッシャを利用すると良いです。
切り穴が大きいと言う事は座金の設置面積も狭くなり、ボルト中心と座金外周で応力が大きくなり平座金が曲がってしまうからです。
平座金が必要ないところ
ワッシャが必要ないところは、使う意味のないところ全てです。例えば焼入れしてあるパーツを抑えているところなどです。
平らな面にワッシャ使うのに深ザグリのときに使わない理由?
一般的には深座ぐりの時は平座金を利用しません、深座グリの場合は基本的に調整をする必要が無いことが考えられます。
しかし、調整する場所は深座ぐりの長穴を使う場合もあり、そんな場合は平座金が必要です。
以上です。
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