今日は「圧力配管用炭素鋼鋼管サイズ(STPG370/STPG410)」についてのメモです。
一般に「STPG」と呼ばれる350℃程度以下で使用する圧力配管(炭素鋼鋼管)のサイズと、この材料を使う際に押さえておきたいポイントをメモしておきます。
圧力配管用炭素鋼鋼管サイズ(STPG370/STPG410)
JIS規格
規格:JIS G 3454
※高圧配管用炭素鋼鋼管(STS370/STS410/STS480)とは違うので注意。 高圧配管用炭素鋼鋼管は JIS G 3455 にある。 参考として圧力配管はスケジュール10〜80、高圧配管はスケジュール40〜160となる。
種類と使い分け
種類はSTPG370とSTPG410の2種類。
STPG370(水、油、ガスなどの輸送用配管)
一般的に中圧や高圧の配管に使用される。比較的柔軟性があり、加工性(溶接性)などが良い。引張強さは370N/mm^2以上。
STPG410(高圧蒸気、石油、化学工業などの高圧配管)
高圧の配管に適しており、STPG370よりも高い強度を持っている。 溶接性が良いが、STPG370に比べると少し難しい。 引張強さは410N/mm^2以上。
圧力配管用炭素鋼鋼管サイズ一覧
スケジュール(Sch)について
配管のスケジュール(Schedule)は、配管の厚さ(肉厚)を表す規格です。 上記表のようにスケジュールは数字で表され、Sch40、Sch80、Sch160など、スケジュール番号が大きいほど配管の肉厚が厚くなり、配管はより高い圧力に耐えることができます。
スケジュールを選定する計算式
計算式は以下の通り。
Sch=P/S*1000
Sch:スケジュール番号
P:設計圧力[MPa]
S:設計温度における配管の許容引張応力[N/mm2]
※この計算に当てって材料規格の引張強さの値ではなく配管の温度別許容応力を調べる必要がありますが結論として
・STPG370-S:-10℃〜350℃までの許容引張応力=92N/mm2
・STPG370-W:-10℃〜350℃までの許容引張応力=78N/mm2
・STPG410-S:-10℃〜325℃までの許容引張応力=103N/mm2 326〜350℃=102N/mm2
・STPG410-W:-10℃〜325℃までの許容引張応力=88N/mm2 326〜350℃=87N/mm2
となります。詳しくは JIS B 8265(圧力容器の構造-一般事項)に記載がありますので必要に応じてご確認ください
スケジュールを選定する計算例
例(6MPaの圧力を50℃、STPG370-Sで設計する場合)
6/92*1000=65.2 Sch となるのでSch80以上を選定する必要があります。
以上です。