今日は「ねじの強度区分とはなにか。強度区分の考え方と一覧表 」についてのメモです。
ねじの強度とは何か、またそのねじの強度に対する区分がどうなっているのかを纏めています。最後にはねじの強度区分一覧のシートもご用意していますのでどうぞご利用ください。
ねじの強度区分
ねじの強度区分に関するJIS
ねじの強度及び強度区分が含まれるJI規格は以下のとおりになります。
- JISB1051:炭素鋼及び合金鋼製締結用部品の機械的性質
- JISB1054-1:耐食ステンレス鋼製締結用部品の機械的性質
- JISB1057:非鉄金属製ねじ部品の機械的性質
JISの内容を検索する人は以下のページを参考にしてみてください
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炭素鋼のねじ強度と強度区分
ここでは出来るだけ簡単に説明してみます。まず、JISB1051に規格されている強度区分を参考にしてお話します。JISB1051には「炭素鋼及び合金鋼製締結用部品」のねじ強度区分の内容が書かれていますが、代表をいくつか表示すると以下の通りになります。
強度区分と強度の関係(代表)
- 強度区分4.8は「引張り強さ420N/mm^2、下降伏点336N/mm^2」です。
- 強度区分6.8は「引張り強さ600N/mm^2、下降伏点480N/mm^2」です。
※JISでは数値が丸められていますがここでは細かく表示しています。
おそらく初めて強度区分というキーワードを知った人は「なんのこっちゃ?」と感じるかと思いますが、簡単に言えば材質の強度を数字で表しているだけです。「引張り強さ420N/mm^2、耐力336N/mm^2」の強度のねじを強度区分4.8のネジだと言っているだけです。その強度区分の呼びと強度に関しては以下を参考にしてください。
この表を見て降伏応力比という言葉の意味が解らない方に説明します。
表にある「.8(コンマハチ)」の部分は「降伏応力比」と呼ばれるもので、引張り強さはねじの破壊限界を示す強さで、力を加えた時に材料が変形して元に戻らなくなる強さを降伏点といいますが、その比になります。これがねじ強度区分にも記載されています。そのため、ボルトの頭に記載されている数字を見れば引張り強度と降伏点(耐力)がわかるようになっています。
※降伏点は耐力とも呼ばれています。
ステンレス鋼のねじ強度と強度区分
ステンレス製のネジ部品の強度と強度区分は鋼種区分と強度区分の二つ表現で表されます。
強度区分と強度の関係(代表)
- A1-50は「オーステナイト系ステンレスの引張り強さ500N/mm^2」です。
- C1-70は「マルテンサイト系ステンレスの引張り強さ700N/mm^2」です。
ステンレス製ねじの強度区分と強度の関係は以下をご確認ください。
ステンレス製ねじの強度区分に対する強度ですが、ねじに表示されるのは引張り強度のみです。降伏点(耐力)はねじ自体に表記されませんが規格では「0.2%耐力」が適用されています。0.2%耐力とは、応力を加え除荷したときに0.2%の塑性ひずみを生じさせる応力です。
非鉄金属のねじ強度と強度区分
非鉄金属は銅、銅合金及びアルミニウム合金を示します。非鉄金属の強度区分は材質の区分によって表します。以下をご確認ください。
非鉄金属のねじ強度区分で特徴的なのが、ねじサイズによって強度が違うことがあげられます。ですので非鉄金属製のねじを利用する際は強度をしっかり確認してから利用するようにしてください。また非鉄金属もステンレス鋼と同じく0.2%耐力が降伏点となっています。
ややこしいのでちょっと補足します。
これまでを纏めると、炭素鋼の表現は引張り強度と降伏応力比の二つがボルトに記載され、降伏点(耐力)の推測が容易ですが、ステンレス鋼及び非鉄金属のねじには降伏応力比の記載はありません。これはステンレス鋼及び非鉄金属は明確な降伏現象を示さないために、0.2%のひずみ現象を示す前の応力を0.2%耐力(降伏点)としているためです。
ステンレス鋼や非鉄金属は、炭素鋼の強度区分のように降伏応力比がはっきりしていないので、
例えば
引張り強度400N/mm^2×0.8=320N/mm^2が耐力とはならないということです。
結果的に0.2%の歪を発生させる応力はJISもしくは下部にある一覧表でご確認ください。
ねじ強度区分の一覧シート
ここでは「ねじ強度区分の一覧」エクセルシートをダウンロードできます。ねじの強度区分を理解しても一覧をなかなか見つけられないのでこちらで作ってみました。また、その他として小ねじに使われる材質及び高強度ステンレスの強度も記載しています。
ねじの強度区分とはなにか。強度区分の考え方と一覧表
以上です。
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