ベルトコンベアのベルト種類とベルト選定【完全ガイド】

2025年7月28日

 

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ここでは「ベルトコンベアのベルト種類とベルト選定」についてのメモをしています。

 

ベルトコンベアのベルト選定は、工場の生産性や安定稼働を左右する重要な要素です。  しかし、ベルト種類は材質や構造によって多岐にわたり、どのベルトを選べば良いか迷う機械設計者の方も少なくないと思います。(私も未だに悩みます)

 

搬送物や使用環境に合わないベルトを選んでしまうと、蛇行や早期摩耗といったトラブルにつながり、生産ラインの停止という最悪の事態を招きかねません。

 

この記事では、ベルトコンベアのベルト選定で失敗や後悔をしないために、機械設計者が知っておくべきベルトの基礎知識から、種類ごとのメリット・デメリット、そして実践的な選定ポイントまで、網羅的に解説していきますので、選定の参考になれば幸いです。

正しいベルトコンベアのベルト種類とベルト選定の基礎知識

まずは理解したいベルトコンベアの基本

ベルトコンベアは、工場や物流倉庫など、さまざまな現場で製品や部品を連続的に搬送するための基本的な設備です。 その構造は、主にコンベア全体を支える「フレーム」、ベルトを回転させるための「プーリ(ローラー)」、そして搬送物を直接載せる「ベルト」の3つの要素で構成されています。 モーターの力で駆動プーリが回転し、その摩擦によってベルトが動き、物を運ぶというシンプルな仕組みです。

 

しかし、このシンプルな仕組みの中で「ベルト」が果たす役割は極めて大きく、その選定がコンベア全体の性能を決定づけると言っても過言ではありません。 搬送する物の重さ、形状、温度、油分の有無、そして設置される環境(湿度、クリーン度など)といった多様な条件に合わせて最適なベルトを選ばなければ、ベルトの蛇行、早期摩耗、搬送物の落下といったトラブルが発生しやすくなります。

 

したがって、ベルトの材質や構造に関する正しい知識を持つことが、安定的で効率的な生産ラインを設計する上での第一歩となります。

 

 

多岐にわたるベルト種類の全体像

ベルトコンベアのベルトは、非常に多くの種類が存在しますが、大きく3つの観点から分類して考えると理解しやすくなります。 それは「表面材質」「心体(しんたい)材質」「構造タイプ」の3つです。

 

「表面材質」は、ベルトの最も外側にあり、搬送物に直接触れる部分の材質を指します。 この部分が、耐油性、耐熱性、非粘着性といったベルトの基本的な化学的・物理的特性を決定づけるため、選定において極めて重要です。

 

「心体材質」は、ベルトの内部にある骨格のような部分で、ベルトの強度や張力を支える役割を担っています。ベルトが伸びたり切れたりしにくいかどうかは、この心体の性能に大きく依存します。

 

「構造タイプ」は、ベルト全体の形状や仕組みのことです。一般的な平らな一枚のベルトだけでなく、ブロックを組み合わせたものや、歯が付いているものなど、用途に応じて特殊な構造を持ったベルトが存在します。

 

これらの3つの要素を正しく理解し、それぞれの組み合わせを考慮することが、最適なベルト選定への鍵 となります。

 

 

一覧で比較するコンベアベルト材質のリスト

ベルトコンベアに使用される材質は多岐にわたります。 ここでは、選定の第一歩として、どのような材質が存在するのかを一覧で示します。 この表は、材質の大まかな分類と代表的な種類を把握するためのものです。 各材質の詳細な特性については、後続のセクションで詳しく解説していきます。

分類 材質・タイプ
表面材質別 樹脂系: ポリウレタン (PU), ポリ塩化ビニル (PVC), シリコン (SI), フッ素樹脂 (PTFE), ポリオレフィン (TPO)
ゴム系: 一般・耐摩耗ゴム, 耐油ゴム (NBR), 耐熱ゴム (EPDM)
金属系: ステンレス, スチール
その他: フェルト, コットン
心体材質別 ポリエステル (EP), ナイロン (NN), アラミド, スチールコード, 綿
構造タイプ別 平ベルト, タイミングベルト, モジュラーベルト, ネット/メッシュベルト, Vベルト, 丸ベルト

 

 

搬送面を決定する表面材質別の特徴

ベルトの表面材質は、搬送物に直接触れるため、ベルトの性能を決定づける最も重要な要素の一つです。 この材質によって、ベルトがどのような環境や搬送物に適しているかが大きく変わります。 例えば、油分を多く含む食品を搬送するラインでは「耐油性」が、高温の製品を冷却しながら搬送する工程では「耐熱性」が求められます。 また、粘着性の高いパン生地などを扱う場合は、ベルトに製品が付きにくい「非粘着性(離型性)」が不可欠です。

 

ここでは、表面材質を選定する上で特に重要な「摩擦係数」と「搬送物の重量」という2つの観点から、材質選定の考え方を解説します。

 

 

摩擦係数の理解と選定への応用

摩擦係数は、ベルト表面の「滑りやすさ」または「グリップ力の強さ」を示す指標です。

 

  • 高い摩擦係数(高グリップ)が求められるケース
    傾斜をつけて製品を上や下に運ぶ「傾斜搬送」では、高いグリップ力を持つベルトが必要です。 さもないと、製品がベルトの上を滑り落ちてしまいます。 また、急な加速や減速を行うラインでも、製品が慣性でずれてしまわないように、グリップ力の高いベルトが選ばれます。 一般的に、ゴム系のベルトや、表面にラフトップと呼ばれる凹凸加工が施されたベルトは摩擦係数が高くなります。

 

  • 低い摩擦係数(滑り性)が求められるケース
    一方で、意図的に滑りやすいベルトを選ぶ場面もあります。 代表的なのが「アキュームレーションコンベア」です。 これは、コンベアの終点で製品を一時的に停止させ、溜めておく(滞留させる)使い方で、ベルトだけが製品の下を滑り続ける必要があります。 もしグリップ力が高いと、製品同士が押し合って破損したり、モーターに過大な負荷がかかったりします。 フッ素樹脂(PTFE)や一部のポリオレフィン(TPO)などは、低い摩擦係数を持ち、滑り用途に適しています。

 

 

搬送物の重量に応じた材質選定の考え方

搬送物の重量は、ベルトの材質だけでなく、コンベア全体の構造にも影響を与える重要な要素です。

 

  • 軽荷重搬送(数kg程度まで)
    個包装された食品や電子部品、医薬品など、比較的軽いものを運ぶ場合は、樹脂系ベルト(ポリウレタンやPVC)が主流です。 これらのベルトは薄くて軽量なため、コンベアフレームもアルミ製のシンプルな構造(ストリンガーフレーム)にでき、設備全体のコストを抑えることが可能です。

 

  • 中荷重搬送(数十kg程度)
    段ボール箱や自動車部品など、ある程度の重さがあるものの搬送には、厚手の樹脂ベルトや、心体の層(プライ数)を増やして強度を高めたベルトが使用されます。 一部の軽量なゴムベルトもこの領域で使われることがあります。

 

  • 重荷重搬送(数百kg以上)
    土砂や鉱石、鋳物といった非常に重いものを運ぶ場合は、ゴムベルトがほぼ唯一の選択肢となります。 これらの用途では、ベルト自体の厚みと強度に加え、衝撃に耐える強靭な心体(ナイロン帆布やスチールコード)が不可欠です。コンベアフレームも、鋼材を三角形に組み合わせた頑丈な「トラスフレーム」構造が採用されます。

 

このように、表面材質は摩擦係数や搬送物重量といった物理的な要求に応じて選定する必要があります。  さらに重たいものを搬送する場合はローラーコンベア も視野に入れて検討してみてください。

 

 

食品や物流で活躍する樹脂系ベルト

樹脂系ベルトは、ポリウレタン(PU)やポリ塩化ビニル(PVC)などを主材料とし、軽量で加工しやすく、衛生的なため、特に食品業界や物流業界で広く採用 されています。

 

 

主な樹脂系ベルトの種類と特徴

  • ポリウレタン(PU): 耐摩耗性、耐油性に優れており、食品衛生法に適合したグレードも豊富です。 ゴムに比べて摩耗粉が出にくいため、クリーンな環境にも適しています。一方で、PVCに比べるとコストは高くなる傾向があります。
  • ポリ塩化ビニル(PVC): 経済性に優れており、一般物流や包装ラインなど、幅広い用途で基準材質として使用されます。 ただし、耐摩耗性や耐油性はPUに劣るため、過酷な条件下での使用には向きません。
  • シリコン(SI): 優れた非粘着性(離型性)と耐熱性が特徴で、お菓子やパン生地など、粘着しやすい食品の搬送に最適です。 しかし、物理的な強度は他の樹脂に比べて低いという側面もあります。
  • フッ素樹脂(PTFE/テフロン): 最高レベルの非粘着性と耐熱性(最高260℃)、耐薬品性を誇ります。高温での焼成工程や、腐食性の高い化学薬品を扱うラインで使用されますが、非常に高価です。

 

樹脂系ベルト選定の注意点

樹脂系ベルトを選ぶ際は、まず食品衛生法やFDA(米国食品医薬品局)、EU規則といった国内外の規制に適合しているかを確認することが不可欠です。 特に食品が直接触れる用途では、適合証明書の提出が求められる場合 もあります。

 

また、同じポリウレタンでも、熱で溶着しやすい熱可塑性(TPU)と、硬度が高い熱硬化性(PUR)では加工方法が全く異なるため、設計段階で考慮が必要です。 洗浄工程で熱水や蒸気を使用する場合は、加水分解に強い耐湿熱タイプのベルトを選ばないと、早期劣化の原因となります。

 

 

耐久性が求められる現場のゴム系ベルト

ゴム系ベルトは、樹脂ベルトと比較して厚く頑丈な構造を持ち、主に屋外や重工業の現場で活躍します。砂利や鉱石といったバラ物や、重量物の搬送など、高い耐久性、耐摩耗性、耐衝撃性が求められる過酷な環境に最適な材質です。

 

用途に応じたゴムの種類

  • 一般・耐摩耗ゴム: スチレンブタジエンゴム(SBR)などが主成分で、最も汎用性が高いタイプです。 鉱業や建設現場で土砂や石炭を運ぶコンベアでよく見られます。
  • 耐油ゴム: ニトリルゴム(NBR)を主成分とし、油分によるベルトの膨潤や劣化を防ぎます。 油が付着した金属部品の搬送や、油分を含む廃棄物を扱うリサイクルプラントなどで使用されます。
  • 耐熱ゴム: エチレンプロピレンゴム(EPDM)などが用いられ、100℃を超える高温物の搬送に対応可能です。鋳物工場やセメント工場で、高温の製品や原料を運びます。
  • 難燃性ゴム: 自己消火性を持ち、火災の延焼を防ぐ特性があります。JIS K 6324などの規格で等級が定められており、炭鉱の坑内やトンネル内など、火気厳禁の場所で法的に使用が義務付けられています。

 

ゴム系ベルト選定の注意点

ゴムベルトを選定する際は、まず搬送物の特性を正確に把握することが大切です。 例えば、搬送物の温度が60℃を超える場合は、耐熱ベルトの選定が必須となります。 ただし、搬送物の温度とベルト表面温度は必ずしも一致しないため、専門メーカーへの確認が推奨されます。

 

また、ゴムベルトは樹脂ベルトに比べて重く、駆動させるためにより大きな動力が必要になる場合があります。 ゴム特有の臭いがあるため、食品工場やクリーンルームなど、衛生や臭いを嫌う環境には不向きなケースが多い です。

 

 

詳細から学ぶベルトコンベアのベルト種類と最適なベルト選定

高温やクリーン環境で使う金属系ベルト

金属系ベルトは、主にステンレスやスチールで作られており、他の材質では対応できない特殊な環境でその価値を発揮します。 特に、極めて高いクリーン度が求められる環境や、高温環境での使用に最適です。

 

 

金属系ベルトのメリット

最大のメリットは、そのクリーン性です。 金属ベルト自体から摩耗粉やガス(アウトガス)がほとんど発生しないため、半導体製造装置や電子部品の搬送など、微細な塵を嫌うクリーンルームでの使用に適しています。 実績として、クラス100のクリーンルームでの使用例もあります。

 

また、樹脂ベルトのように静電気を帯びないため、静電気放電(ESD)に弱い電子部品を安全に搬送できます。 耐熱性にも優れ、材質によっては300℃の高温環境でも連続使用が可能です。 さらに、熱湯や各種薬品による殺菌・洗浄にも耐えるため、衛生管理が厳しい食品や医療分野でも利用されます。

 

 

金属系ベルトのデメリットと注意点

一方で、金属系ベルトにはデメリットも存在します。 まず、樹脂ベルトやゴムベルトに比べて非常に高価であることが挙げられます。 また、柔軟性に乏しく、急な屈曲には弱いため、設計の自由度が制限される場合があります。 ゴムのように衝撃を吸収する能力がないため、強い衝撃が加わると破断してしまうリスクも考慮しなければなりません。

 

選定にあたっては、使用する温度や薬品に対する耐食性を材質ごとに確認することが重要です。 また、金属ベルトは伸びがほとんどないため、正確な位置決め搬送が可能ですが、その反面、コンベアフレームやプーリには高い設置精度が求められます。

 

 

フェルトなどその他の材質の用途

樹脂、ゴム、金属といった主要な材質の他にも、特定の用途に特化した材質が存在します。 代表的なものがフェルトやコットン(綿)です。 これらは汎用性では劣るものの、他の材質にはないユニークな特性を持っています。

 

フェルトベルトは、その柔らかくクッション性の高い表面が特徴です。 そのため、ガラス製品や塗装後の部品、傷つきやすい電子基板など、搬送物に傷をつけたくない場合に最適です。 また、パン生地を扱う工程で、余分な打ち粉を吸着させる目的で使われることもあります。

 

コットンベルトは、吸水性や通気性が求められる場面で利用されます。 例えば、洗浄後の製品から水分を取り除きながら搬送する工程や、通気性を確保しながら乾燥させる工程などで活躍します。

 

これらの材質は、一般的な物流や重工業の現場で使われることは稀ですが、製品の品質を維持するために特定の工程で重要な役割を担っています。 ただし、耐久性や耐摩耗性は樹脂やゴムに比べて低いため、ベルトの寿命や交換頻度を考慮した上で採用を検討する必要があります。

 

 

ベルトの寿命を左右する心体材質別知識

ベルトの性能は表面材質だけで決まるわけではありません。 ベルト内部の骨格として強度を支える「心体(カーカス)」の材質も、ベルトの寿命や走行安定性に大きな影響を与えます。 心体は、主にポリエステルやナイロンといった化学繊維で織られた布(帆布)が使われます。

 

 

ポリエステル(EP) vs. ナイロン(NN)

ゴムベルトや樹脂ベルトで最も一般的に使用される心体が、ポリエステル(EP)とナイロン(NN)です。この二つの違いを理解することは、設計者にとって非常に重要 です。

 

  • ポリエステル(EP): 最大の特徴は、伸びが少なく、寸法安定性に優れている点です。 また、水をほとんど吸収しない疎水性のため、湿度の高い環境でもベルトの長さが変化しにくいというメリットがあります。  この特性により、ベルトの蛇行が起こりにくく、長距離のコンベアや、頻繁な洗浄が必要なラインに適しています。 ただし、ナイロンに比べて衝撃や引き裂きには比較的弱い傾向があります。

 

  • ナイロン(NN): 非常に弾力性に富み、衝撃吸収能力や耐引裂性が高いのが特徴です。 大きな塊状の搬送物が落下するような、強い衝撃がかかる場所でその性能を発揮 します。 しかし、水分を吸収しやすい親水性のため、高湿度の環境では時間とともにベルトが伸び、蛇行の原因となりやすいというデメリットを抱えています。

 

 

心体選定のポイント

ベルトの蛇行は、多くの場合、ベルトの不均一な伸びが原因で発生します。 したがって、安定した走行が求められるラインでは、寸法安定性に優れたポリエステル(EP)心体を選ぶのが基本です。 衝撃が最大の懸念事項である場合に限り、ナイロン(NN)心体の採用を検討するというのが、賢明な選定アプローチと言えます。

 

特性 ポリエステル (EP) 心体 ナイロン (NN) 心体
寸法安定性 高い(伸びにくい) 低い(伸びやすい)
耐衝撃性 比較的弱い 非常に強い
耐水性 高い(水を吸いにくい) 低い(水を吸いやすい)
蛇行しにくさ 蛇行しにくい 蛇行しやすい
主な用途 一般搬送、長距離、湿潤環境 重衝撃がかかる搬送

 

 

形状で機能が変わる構造タイプ別の特徴

ベルトコンベアのベルトは、平らな形状のものだけではありません。 搬送の目的や効率を向上させるために、様々な構造や形状、そして二次的な加工が施されたベルトが存在します。

 

代表的なベルトの構造タイプ

  • 平ベルト: 最も一般的で、一枚の輪状になったベルトです。水平搬送や緩やかな傾斜搬送で広く使われます。
  • モジュラーベルト: 小さなプラスチック製のブロックをレンガのように連結させたベルトです。スプロケット(歯車)で直接駆動するため蛇行せず、洗浄や部分的な交換が容易なため、特に食品業界で多用されます。直線とカーブを1本のベルトで組み合わせることも可能です。
  • タイミングベルト: ベルトの内側に歯があり、プーリの歯と噛み合うことで、滑りのない正確な同期搬送を実現します。製品の正確な位置決めや、一定間隔での搬送が求められる自動組立ラインなどで不可欠です。

 

 

機能性を高める表面形状と二次加工

  • ラフトップ: ベルト表面に網目状などの凹凸パターンを付けたもので、摩擦力を高めて傾斜搬送時の滑りを防ぎます。壊れやすい搬送物へのクッション効果もあります。一般的に20~30度程度の傾斜に対応できます。
  • 桟(さん)および波状桟: ベルト表面に物理的な壁を取り付け、急な傾斜でも搬送物が滑り落ちるのを防ぎます。垂直に近い搬送も可能になります。
  • Vガイド: ベルトの裏面にV字型のガイドを溶着し、コンベアフレーム側の溝と噛み合わせることで、物理的に蛇行を抑制します。ただし、これはあくまで対症療法的な側面もあり、ベルトに余計な負荷をかける可能性も考慮する必要があります。
  • 穴あけ加工: ベルトに穴を開け、下から空気を吸い込むことで、紙やフィルムのような軽量物を吸着させて搬送する(バキューム搬送)ために利用されます。

 

これらの構造や加工を適切に組み合わせることで、単に物を運ぶだけでなく、搬送プロセスに付加価値を与えることが可能になります。

 

 

最適なベルトコンベアのベルト種類とベルト選定の要点

これまで解説してきた内容を踏まえ、最適なベルトコンベアのベルト種類とベルト選定を行うための要点を以下にまとめます。

 

  • ベルト選定は搬送物の特性(重量、形状、温度、油分、粘着性)から始める
  • 使用環境(湿度、温度、クリーン度、洗浄の有無)の確認を忘れない
  • 表面材質は主に樹脂系、ゴム系、金属系の3つから考える
  • 樹脂系のポリウレタン(PU)は耐摩耗性と耐油性に優れ、食品用途で主流
  • 樹脂系のポリ塩化ビニル(PVC)は経済的で、一般物流の標準的な選択肢
  • ゴム系は耐久性と耐衝撃性が高く、土砂や鉱石などの重搬送で活躍
  • 金属系はクリーン性や耐熱性が求められる半導体や高温工程で採用される
  • ベルトの骨格である心体は、強度と寸法安定性を左右する
  • 安定走行を重視するなら、伸びの少ないポリエステル(EP)心体が第一候補
  • 強い衝撃が加わる場合は、衝撃吸収性に優れたナイロン(NN)心体を検討
  • ベルトの蛇行に悩まされる場合は、構造的に蛇行しないモジュラーベルトが有効
  • 正確な位置決めや同期搬送が必要な場合は、タイミングベルトが必須
  • 傾斜搬送では、角度に応じてラフトップや桟付きベルトを選定する
  • 食品が直接触れる用途では、食品衛生法への適合と耳シール加工を確認する
  • トラブルを未然に防ぐため、ベルトメーカーの推奨する最小プーリ径を必ず守る

 

 

参考サイト紹介

最後に、記事で解説している「ベルトコンベアのベルト種類とベルト選定」について、より専門的な情報を提供している企業や権威性の高いサイトを5つ、簡単な説明と共に以下に記載します。

  1. ニッタ株式会社
    • URL: https://www.nitta.co.jp/product/belt-conv/belt/
    • 説明: 樹脂ベルトの「ニューライトグリップ(NLG)」シリーズで知られる大手ベルトメーカーです。食品搬送用から一般搬送用まで、用途に応じた詳細な製品情報や技術資料が豊富に掲載されており、特に樹脂ベルトの選定において非常に参考になります。
  2. 三ツ星ベルト株式会社
    • URL: https://www.mitsuboshi.com/product/conveyor/
    • 説明: 「Tailorbelt®」ブランドで知られ、物流から食品業界まで幅広い用途の樹脂コンベヤベルトを提供しています。近年ではバイオマス素材を使用した環境配慮型ベルトの開発にも力を入れており、サステナビリティを考慮した選定の際にも有益な情報が得られます。
  3. バンドー化学株式会社
    • URL: https://products.bandogrp.com/product/
    • 説明: 「サンラインベルト」シリーズで有名な総合ベルトメーカーです。樹脂ベルトからゴムベルト、タイミングベルトまで、製品ラインナップが非常に幅広く、各製品の特長や用途が詳細に解説されています。耐熱性や耐油性など、特定の性能を求める際の選定基準が明確になります。
  4. 横浜ゴム株式会社
    • URL: https://www.y-yokohama.com/product/mb/industrial/conveyorbelt_01/
    • 説明: タイヤで有名ですが、重工業向けのゴムコンベヤベルトでも高い技術力を持つメーカーです。特に、砕石や鉱石を搬送するような過酷な環境で使用される、耐衝撃性や耐摩耗性に優れたゴムベルトに関する専門的な情報が充実しています。
  5. フォルボ・ジークリング・ジャパン株式会社
    • URL: https://www.forbo.com/movement/ja-jp/
    • 説明: 世界的なベルトメーカーであり、樹脂ベルト「トランジロン」やプラスチックモジュラーベルト「プロリンク」などを提供しています。製品カタログや技術資料は非常に詳細で、グローバルな視点での材質選定や、食品安全規制(EU規則など)に関する情報も得られます。

 

以上です。