今日は「機械設計者だからこそCADオペレーター以上にスキルを上げる必要があると思う理由」についてのメモです。
私たち設計者の間では CADはツールだから設計とはまた別物 という話を耳にします。私自身、結論としてCADはツールで間違いないと思いますが、ツールで片付けてしまうと少し勿体ないと思うこともしばしばあります。
この件について、僕が設計者として意識している事があるので、今日は設計者としてのCADスキルについてメモしておきます。
この記事は主に
- 若手設計者の方
- CADオペレータの方
に向けた内容になっています。
CADは「何をする為」のツールか
結論からいうと、CADを一人で利用する場合
- モデルを描くためのツール
- モデルにリアルを与えるツール
- 検討するツール
- 人に伝えるツール
であり、チームとしてCADを使うのであれば一人で利用する内容に加えて
- 連携する為のツール
と言えますね。
このように CAD自体は表現・連携ツール なので設計とは別物とされるわけです。CADで回転機構を書くにしても、回転するであろう駆動条件を計算をし、荷重に耐えられる軸受けを配置したりするのが設計となるので「CADを使える=設計ができる」とはならないんですよね。
そうは言っても CADを使いこなしている設計者のレベルって物凄い高い んです。
CADは表現ツールだからこそ極める必要がある気がする
先ほど書いた、回転するであろう駆動条件や荷重を計算して軸受けを選定するのはCADは基本的に無くても最低限できます。
但し、
- 重量ざっくり
- 重心ざっくり
- イナーシャざっくり
では 大は小をかねる設計しかできない わけです。
先ほど言ったCADを使いこなしている設計者はCADの機能を使うメリットを理解していますし、条件が変わればその場ですぐ把握し直します。本当の検討はCADで当ててみないとわからないのと、CADで得られる結果で設計が大きく変わる可能性もあるわけです。
そして、
- CADオペレーターに依存するか
- CADオペレーターに設計者のあるべき姿を明示できるか
というのも、お客様への提案力や部下の成長へ大きく影響すると思うんです。これって結構重要なポイントですよね。
だから僕が思うに、レベルの高い設計を目指すならCADスキルが高い方が良いです。
急がば回る ということわざがあります。
引用
急ぐからといって慣れない近道を通れば、道に迷うなどして、かえって遅くなるもの。 それよりも、多少の手間や時間がかかる回り道であっても本道を行くほうが、結局は早く目的地に着くということ。急ぐからといって慣れない近道を通れば、道に迷うなどして、かえって遅くなるもの。 それよりも、多少の手間や時間がかかる回り道であっても本道を行くほうが、結局は早く目的地に着くということ。
出典:故事ことわざ辞典
機械の設計ではなおさら 多少の手間や時間がかかる回り道であっても本道を行く という事が大切です。
打ち合わせの時に 詳細は帰って検討します(帰ったら他人に計算させる) というよりも、その場でCADを高速操作して検証し、方向性を出せるだけでも全然違ってきます。ましてやその場の雰囲気・大体でものを語り結論をそこで出す事は絶対やってはいけませんよね。
また、打合せ・DRの時にお客様からの様々な提案を頂きますが、それに対してCAD表現の面倒くささや、すぐに操作できない状態がの場合は自分の都合で断る事が出てくるのでそれも注意が必要です。
だから、
急がば回る=答えに近づく行動だと思うので、その為に機械設計者だからこそCADオペレーター以上にスキルを上げる必要があると思うんですよね。
最後に
もちろん、各会社さんで色々なルール・仕組みがあるでしょうからこれが全てでは無いと思うんですが、これはあくまで僕の理想です。
何でも出来る設計者って格好いいですよね。今回の記事を、若手設計者の方とCADオペレータの方に向けて書きますと冒頭で書きましたが、CADは伝えたい事を表現する手段なので、出来る設計者になるにはCADをまずマスターする必要があるということを伝えたかったんですよね。
あと、CADオペレータは設計ができないとか言われるのって嫌じゃないですか。
自分はCADオペレータだから設計が出来ないと決め付けるのではなく、CADを隅々までマスターしているから様々な検討が出来ますと言えるとしたら素晴らしいことだと思います。
以上です。
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