今日は「機械設計の仕事を振り分けるコツ」についてのメモです。私が機械設計の経験を積んで約8年くらい経った頃からでしょうか、部下やお手伝いさんを持つようになりました。※今はフリーランス&リモートで複数人の設計者さんとやり取りしています
機械設計では、完璧に仕事ができる人や自分の頭の中で行程を組める人、特に責任感のある人は「説明する時間がもったいない。説明している時間で自分がやってしまえばその仕事は終わってしまう」という事がありますし、仕事を振ることで結果的にチェック項目が増えてしまうので、そのリスクを考えると仕事を振ることがなかなか出来ない(したくない)と思います。
スキルを持った仲間が多いほうが良いですし、それを会社経営陣に求めがちになります。
しかし、ここが運命の分かれ目と言いますか、自分のスキルを複製していく方法が解ると飛躍的にパフォーマンスが上がります。なので、今日は私が業務振り分け・引き継いでいく過程で理解した事を簡潔に纏めようと思います。よかったら参考にしてみてください。
機械設計の仕事を振り分けるコツ
仕事を振り分けれる立場になったあなたはすごい
まず、仕事を誰かに振り分ける立場になったあなたは今までの自分の努力を認められたと理解して良いと思います。あなたに仕事を任せている上司や、お客様からあなたへの期待が高まっている証拠です。
また、仕事を一人でこなせない量の仕事を請けたという事は
- 貴方にしかできない仕事だから頼まざるをえない
- 貴方に任せればどうにかなると期待されている
- 貴方並の作業スキル増強を期待されている
という事だと思います。今まで個人戦で実績を積んできた所から、仕事を振り分けて効率よくこなし自分自身のキャパを超えるようなパフォーマンスを発揮するにはどうしたら良いか。
私が現時点で理解している振り分けのコツは3つ。
- 仕事・成果物の細分化(程度の提示)
- 丁寧な説明とサポート
- 放置
です。以下に少し補足を交えて説明してみたいと思います。
仕事・成果物の細分化(程度の提示)
一つ目の「仕事・成果物の細分化(程度の提示)」ですが、説明が不要かもしれないですね・・・。自分の仕事スキルを複製・振り分けるわけですから、
- 自分がしている仕事を小分けにする
- 各作業段階での具体的成果物を明確にする
- 成果物の程度を明確にする
これが出来れば振り分ける事が可能ですよね。もちろん機械設計というお仕事は詰めていくような仕事なので順序だって流れを作るというのも大切ですね。
例えば、「数点あるPDF図面から3Dモデルをつくり、図面まで作る」という作業があるとします。大きく分けると「トレース」という一つの仕事ですが、小分けにするとを以下のような順番があります
- PDF図面をみてモデルを作る
- PDF図面をみて図面を作る
- PDF図面と作った図面をチェックする
このように上記が仕事・成果物の小分け状態で、ここに程度を加えると
- モデルの程度(スケッチの描き方・面の設定・穴の作り方・・・など)
- 図面の程度(図枠の選び方・寸法の書き方・・・など)
- チェックの程度(何処をチェックするべきか、アセンブリにして確認したか・・・など)
このように、仕上がりの程度も明確にする事は大切ですね。
丁寧な説明とサポート
次は「丁寧な説明とサポート」についてです。仕事を振るときに多くの方が考える「マニュアル化して提供する」という行為。
これ、合っていますが足りないものがありますよね。そこに「丁寧な説明とサポート」が必要だと思うんです。その目的は各作業の成果物の程度の意図まで引き継ぐためです。
例えば自分の作業をマニュアル化することで成果物の程度は明確になりますが「その成果物の程度は最適なの?」という疑問を持つ事も大切だと思うんです。
要するに、マニュアル化することは相手が適切に作業を行うための標準となるが、そうなった意図を把握してもらう事で最低限のレベルは確保される という状況を作る事ができると思うんです。
ちょっと、何言っているか解らなかったらごめんなさい。
その説明は次の「放置」に繋がります
放置
仕事を細分化して、マニュアルも作り、意図も伝えたらその後何をするか。
僕は 放置 だと思っています。自由にお仕事してもらうんです。大切なのは 自分が進捗を把握したいからという理由で定期的なチェックをいれるとかしない事です。進捗を把握したいのはとても解ります・・・。解るんですが我慢。
だって、見たところで自分を満足させて終わりです。進捗が遅かったら急がせますよね?急がせると成果物の質は落ちるし、相手のやる気も下がっちゃいますよね。
というのも、この機械設計というお仕事で大切なのは 自分でやる事・作り上げる事 が やりがい や 働く姿勢 に出てくると思うんですよね。ですから、先ほど書いたマニュアル化も大切だけれども、丁寧なサポートをして意図を伝える作業が重要だと思うんです。
作業を細分化して、欲しい成果物を提示、その成果物を作るためのマニュアルは作ったとしてもそうしている意図も伝える。 そうすることでマニュアルから少しズレても意図に対する処置が同じなら同等の成果物か、より質の上がった成果物になるかもしれません。
そのための 放置 です。
少し話がそれますが、リモートワークについても同じことが言えます。リモートワークはまさに上記仕事を振り分けるコツを完全マスターすると問題なく行えますし、下手したら一緒の空間で作業するより効率・生産性が良いかもしれません。
機械設計におけるリモートワークに関しては別途記事を書きたい所です。(しばらくお待ちください)
まとめ
私もまだまだ未熟者ではありますが、この機械設計という難しいお仕事の攻略に日々立ち向かっています。自分のスキルを複製していかないと技術は衰退していきます。ただ、スキル複製に伴って
- 自分で作業するより余分に時間が掛かるリスク
- 自分で作業するよりミスが起き易いリスク
これらは絶対に出てきます。このことを理解した上で、それらを無くせるように準備し、取り組んで行きたいと思います。
以上です。
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