今日は「生産技術と製造技術の違いとするべきこと」についてのメモです。
先日、製造業に勤めようとしている友人との会話で、生産技術と製造技術の違いを聞かれましたので、そのときお話した内容を纏めてみたいと思います。
生産技術と製造技術の違い
生産技術と製造技術の違いは、製造業にお勤めの方であれば想像がつくかもしれませんが、実は結構あいまいな認識の人が多いのではないかと思います。特に、これから製造業に就職する人にとっては気になるところですね。ここでは一般的な捉え方を解説します。
生産技術は「安定生産」する「技術」
生産技術についてはウィキペディアにも載っています。(製造技術は載っていません)簡単に纏めると以下のようになります。
生産技術とは、実際に製品(もの)を作っていく「製造工程」と「生産工程」を「いかに効率よく行なうかを設計する技術」になります。簡単に言えば生産体制を築く仕事です。
上記の説明ではピンとこないかもしれませんが、生産技術者のする仕事は幅広く具体的に言うと以下のようなお仕事になります。
- 専用機の新規製造設備の開発・導入
- 量産ライン(国内・海外)の新規設備設計・更新設備設計・設備導入
- 革新的な製造プロセスの開発(工程設計など)
- 作業標準化の資料作り
- 生産設備の品質維持
まさに、設備屋の私達へ「作って欲しい機械の仕様書」を出す所から立ち上げまでを面倒見ますし、現場からの要望を吸い上げて社内への提案などのお仕事ですね。生産技術のお仕事は「現場がお客様」です。この生産技術のお仕事は、会社の扱う製品によって色々な形態があり、社内で生産技術者を大量に所持する企業と、生産技術に特化した子会社を持つ企業もあります。
大変なお仕事ではありますがやりがいはあると思いますね。
製造技術は「造る」ための「技術」
先ほどの生産技術は「生産の仕方」を考える(トータルコーディネートのような)仕事でしたが、製造技術は「つくり方を考える」仕事になります。
- どうやったら綺麗に削る事ができるだろうか。
- どうやったら上手く成型できるだろうか。
といったように、誰もが知りえないような「より深い要素に入り込んでものを作る」のです。実は、製造技術というポジションでなくても、この製造技術の仕事をしている人は沢山居ます。 例えば加工機を扱って物を削っている職人さんも、製造技術としての仕事をしているのです。
生産技術と製造技術の関係。あなたはどっちを選ぶか
上記までの説明で、生産技術と製造技術の違いがお解りいただけたかと思いますが、この2つの技術を理解し、会社へ貢献するために意識するべきことがあります。生産技術は「対象の物を作る能力のある機械(道具)や流れ」を勉強・導入し、製造技術はその機械(道具)を使ってどう上手に作るかを考える必要があるということです。逆もあります。製造技術からの要求スペックの機械(道具)を勉強し、生産技術が生産設備へ導入する形もあります。
生産技術も製造技術も同じ機械を扱うので、どれだけの情報共有が出来て目的を達成できるかが重要です。一体感を求められます。
多くの会社(特に下請け加工業者など)は、この製造技術の割合が多く、生産技術の仕事をしている方は少ないと思います。それは製造技術のような目の前にある「物と機械」との扱いだけでなく、会社の目標に対して「創造」し、答えを出していく仕事だからです。
以上です。
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