今日は「スプリングのばね定数計算に出てくる横弾性係数」についてのメモです。
圧縮スプリングの計算において、ばね定数を算出する際に「横弾性係数」というキーワードが出てきます。今日は
- 横弾性係数とは何か
- 横弾性係数の算出方法
についてまとめてみました。
この記事の目次
横弾性係数とは
横弾性係数とは、せん断力による変形のしにくさ、つまりせん断に対する抵抗値となります。よって、この横弾性係数値が大きい材料ほどひずみにくいと言えます。
横弾性係数の定義
- せん断応力とせん断ひずみの比
横弾性係数の記号
横弾性係数の記号は「G」です。(補足:縦弾性係数=E、体積弾性係数=K、ポアソン比=V)
横弾性係数の別の呼び方
- 横弾性率
- 剛性率
- せん断弾性係数
- せん断弾性率
- ずれ弾性係数
- ずれ弾性率
横弾性係数の求め方
横弾性係数は以下の計算式で求めることができます。
横弾性係数の公式
G=E/2(1+V)・・・・・横弾性係数=縦弾性係数/2(1+ポアソン比)
例)参考:スプリング用ピアノ線の横弾性係数
一般的にピアノ線で言われている横弾性係数は 78500N/mm^2 とされています。このピアノ線の横弾性係数は 78400 や 78500N/mm^2 と、ばねメーカー・材質によって数値が違いますのでご注意ください。ミスミでは78000N/mm^2となっています。
これら数値の違いについては、材料力学の「おおよそを捉えた物性値」であるので数値の違いは嘘ではなく目安としてとらえるのが適切だと思います。
最後に
私はピアノ線を利用する場合は
- 横弾性係数を 78500N/mm^2
- 縦弾性係数を 20600N/mm^2 としています。
今回は、スプリングのばね定数から縦弾性係数について触れましたが、当ブログ内「縦弾性係数・せん断弾性係数・体積弾性係数が解る関係式」という記事にて関係式から各係数を求める方法を公開しています。宜しければそちらもご確認ください。
以上です。