今日は 「アルミニウムに質別記号T6とT651」 についてのメモです。
質別記号T6・T651
航空機関係や宇宙関係の部品を作っている所や、設計しているところでよく目にする「T6とT651」。
例えば機械部品に使われる材料の表示で A6061-T6や、A6061-T651 と表示されていていますが、A6061はアルミの材質で、後ろにつくT6やT651が「質別」 になります。 頭につく「T」の文字は熱処理を示す質別の場合に使われる記号 です。
ぱっと見て「T」が付いていたら「熱処理してあるもの」と理解すればよいです。
T6とT651の違い
T6とT651の違いは以下のようになります。
T6
T6とは 溶体化処理後に、人工時効硬化処理したもの で、溶体化処理後に積極的冷間加工を行わず人工時効硬化処理したもの となります。
その為、矯正してもその冷間加工の効果が小さいものになります。
T651
T651は 溶体化処理後に、残留応力を除去した後、人工時効硬化処理したもの で 溶体化処理後に永久ひずみを与える引張加工によって残留応力を除去し、加えて人工時効硬化処理したもの です。
補足
溶体化処理とは
固溶体に溶解する温度まで加熱して急冷すること。（固溶化熱処理）
時効硬化処理とは
硬さ、強さ、耐食性を増進させるために、適切な温度または室温で溶体化処理した製品を均熱保持する処理
残留応力除去とは
溶体化処理後に、1.5％以上、3％以下の永久ひずみを与える
以上です。