↑クイックリンクです。プルダウンが表示されない場合は再読み込みしてください。

振動試験について

2016年2月3日

今日は 振動試験について のメモです。 振動試験を行ったときに学んだことや振動に関する情報をメモしておきます。

振動試験

振動試験とは

振動試験とは 一定の時間間隔をおいて、同一の状態または特定の状態を繰り返す運動を試料に与え、機能や性能、信頼性など品質を評価する手段。

東京都立産業技術研究センター様よりお借りしました

 

振動試験の基本的な試験種類

振動耐久試験

設計・製作された製品が、使用される振動環境に耐えて、その寿命まで性能を発揮できる事を確認する試験

 

輸送梱包試験

輸送時に受ける予想の振動を与えて、製品及びそのパッケージに問題がない事の確認

 

生産ラインの検査

製品のハンダ、ネジ止め、配線の外れ等の検査

 

地震対策の試験

地震による破損や性能障害の検査

 

振動計・地震計の校正

振動計・地震計の校正やセンサ等の動作確認

 

振動解析・計測

設計に反映する為の基礎試験

 

工業用生産機器

粉体の充填・流体の攬絆等

 

試験条件に必要な情報

  1. 試料質量、冶具質量、可動部質量
  2. 最大加速度
  3. 振動数及び振動数範囲

 

加振力の算出する必要がある場合の計算方法

加振力(N)=(試料質量kg+冶具質量kg+可動部質量kg)×試験加速度m/s^2

 

 

重力加速度「g」とは何か

物体を加速したときに、その物体の速度が時間当たりにどれだけ速くなるかを示した量
単位:g(m/s2)

例)
1g=9.80665m/s2 → 1秒後に 9.8m/sの速度まで加速している。(そのとき35.3km/h)
2g=19.6133m/s2 → 1秒後に 19.6m/sの速度まで加速している。(そのとき70.5km/h)
100g=980.665m/s2 → 1秒後に 980.665m/sの速度まで加速している。(そのとき3530.4km/h)

 

 

振動の種類

正弦波振動またはサイン振動

基本的な振動の代表とされ、振幅と時間の関係が正弦波(サインカーブ)になる振動(単振動)のこと。 設定されたサイン波の振動を発生させる振動試験では、ポイント試験とスイープ試験がある。

 

ポイント試験

固定振動数試験とも言い、任意の設定振動数特性評価や共振耐久評価などを目的としている。

 

スイープ試験

掃引試験とも言い、共振探索や任意の振動数範囲の特性評価を目的としている。

 

ランダム振動

不規則振動とも呼ばれ、振動振幅が時間とともに変化し且つその変化に規則性が無い振動現象のこと。 同時に多くのサイン振動成分で振動させることができるので、実際の振動に近い振動環境を再現することができる。 また、多くの振動数成分で同時に振動させることができるために、短時間で共振現象を捉えることが可能となる。

 

矩形波

矩形波とは非正弦波形の基本的な波形の一種で、LOWとHIを周期的に繰り返す波形のこと。

 

振動振幅

振幅:波動の振動の大きさを表す非負のスカラー量

 

 

振動試験を行なう前に把握しておくこと

固有振動について

対象とする振動系が自由振動を行う際の振動系に働く特有の振動。そしてこのときの振動数を固有振動数という。固有振動数もしくは,それに近い周波数で加振すると共振を起す。

 

共振とは何か

外部から与えられた刺激により固有振動を起こすことで、外部からの刺激が固有振動数に近い状態のときに起きる。もっとも低い共振周波数は「基本周波数」と呼ばれている。

 

振動数(周波数)

振動運動や波動が単位時間当たりに繰り返される回数で、振動数は運動の周期の逆数となる。
単位:Hz(ヘルツ)

 

固有値解析

意味:固有値解析は構造が持っている振動的な特性を求める解析手法である。基本的に過度でない限り減衰を考慮することはできず、通常の固有値解析では減衰がない状態での固有振動数とされている。

 

固有値解析の用途

振動的な問題で多くの場合、共振によって問題が発生し、共振により振幅が増大してしまうため、共振は避けなければならない現象である。固有値解析は、構造の固有振動数と固有(振動)モードを求め「どの周波数でどのように振動するか」を解析する。設定する荷重の周波数と固有値解析によって、構造側の固有振動数を求めることで、共振が発生するかどうかについて事前に確認することができる。

 

固有値解析に必要な材料特性

  • 弾性係数(ヤング率)
  • ポアソン比
  • 質量密度(比重ではない)

 

固有値解析で計算しない項目

  • 変位
  • 応力

 

設計において考慮すること

楽器などの「共振動作」で機能する製品以外では「固有振動数」と「加振周波数」が一致しないように設計をする必要がある。

 

以上です。