今日は「アルミニウム合金の熱膨張による長さ変化」についてのメモです。
アルミニウム合金に熱を加えた時に、その材料が持つ線膨張によってどれだけの伸びか起きるか、そしてその線膨張は材料別でどれくらいの差があるかを見えるように表にしています。
アルミニウム合金の熱膨張による長さ変化
アルミニウムの物理的性質の中で線膨張係数は通常の場合、合金の種類や質別にかかわらず「24㎛/m・℃」が用いられます が、この記事では機械設計において比較的多く利用するアルミ材質の線膨張詳細を記載しています。
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アルミニウム合金の平均線膨張係数
アルミニウム合金の熱膨張による長さ変化
ここでは実際どれくらいの長さ変化が起きるのかの計算式をメモします。
例1)A5052(合金定数1.01)を精密計算する場合
L0:1000mm、t:50℃の場合
その温度での長さ=1000*(1+(1.01*((22.29*50)+((0.01009*50)^2))*(10^-6)))=1001.125902mm となります。
例2)アルミニウム合金を一般的な値で簡易計算する場合
先ほどの計算式は少し難しく、そこまで必要が無い場合は、一般的に使われる線膨張係数を利用して簡易計算を行うこともできます。
その計算式は以下の通り。
線膨張係数 × 元の長さ × (変化後の温度-元の温度)=寸法変化量 という計算式(Δl=α×l×Δt)です。
これに一般的な線膨張係数(24㎛/m・℃)を適用し、寸法単位を揃えて当てはめるとこのようになります。
(0.000024m)×(1m)×(50℃-0℃)=0.0012m 伸びる つまりmmでみる場合は *1000 して 1.2mm 伸びる という事になります。
例3)A5052を5052の一般的な値(線膨張係数23.8)で簡易計算する場合
次に、一般的ではなくA5052が持つ線膨張係数で計算すると以下のようになります。
(0.0000238m)×(1m)×(50℃-0℃)=0.00119m 伸びる つまり *1000 して 1.19mm 伸びる という事になります。
これらの結果をどう判断するかは設計者次第ではありますが、状況に応じて計算方法を選択すればよいと思います。
合金定数C
各アルミニウム合金の合金定数は以下の通りです。
以上です。