CKDのアブソデックス。オプション電磁ブレーキを必要とする理由

2019年4月7日




 

今日は「CKDブソデックス。オプション電磁ブレーキを必要とする理由」についてのメモです。以前設計した機械において起こした設計ミスと、そのミスに対応するための設計方法の一例をメモに残しておこうと思います。

電気式インデックステーブル

電気式インデックステーブルの代表的なのはCKDさんのアブソデックス だと思います。 このアブソデックスには電磁ブレーキがついていない物と、電磁ブレーキの付いているアブソデックスがあります。

 

通常、サーボモータなどに付いている電磁ブレーキはZ軸に利用する際の落下防止などの目的 で利用されます。 しかし、アブソデックスはテーブルに置いて利用されるのが殆どで、落下防止とは無縁のように感じます。

 

そして、この電磁ブレーキ付きのアブソデックスをカタログを見るとブレーキ付きでない物と比べて一目瞭然、ものすごいスペースを使います。

 

水平回転系のモーターにブレーキが必要なのか。

 

今日は、この電磁ブレーキが必要な場所を今日のメモとします。

 

 

アブソデックスを使い設計した機械の一部に問題があった

どんな場所にブレーキ付きのアブソデックスが必要か。 設計ミスを話すのはとても恥ずかしい事ではありますが、ここで私が起こした設計ミスの事例の話を少し話します。

 

そのアブソデックスを利用した機械では、上で述べたようにテーブルに載せた利用方法でした。

テーブルを回転させて各分割された位置で位置を決め、各行程を行う部位です。 アブソデックスの周辺ではアブソデックスを囲うように各行程のユニットが並んでいました。そのステーションの一部で圧入行程があったんですが、その 圧入を何度か繰り返しているうちに「発熱異常」で止まること がありました。

 

状況を把握するまでに時間を要しまして、結果的には押し付けるユニットのフレームの強度不足で、プレスが反ってしまい回転方向に力を逃がしてしまう状態が原因でした。サーボ本体がその回転に抵抗しようと電流値を上げたためだということです。修正は大がかりになりました。

 

 

アブソデックスの電磁ブレーキタイプが必要な場所

上記のような問題が起きる事から、 電磁ブレーキのないアブソデックスは位置を保持させるために外部から回転トルクのかからないようにする必要があります。 電磁ブレーキを動作する時の制御によって回転トルクをブレーキで保持することになります。よって発熱による異常にはならないそうです。

 

【補足1】ブレーキではない位置決め方法もある

アブソデックスを使った場合の位置固定動作は、ブレーキ付きを選定せずに外部からのピンを差し込む位置決めの方法もあるそうです。

 

サーボオフ → ピン差し込んで位置決め。

 

この部分の設計方法は各社様々だということで、その位置決め構造は状況に合わせて設計する必要があります。ですので、ブレーキ付きを選定するか、別途設計して外部からの位置決めにするか検討してみてください。

 

【補足2】回転方向に力の掛からない構造

もう一点。私が起こした設計ミスは大きく分けて2つ。1つは圧入行程のユニットが取り付くフレームのねじれ(ほんのわずか)が、テーブルまでの距離で大きな誤差となったこと。2つ目は、例えそうなったとしても回転方向に回らないような設計をしていなかった事です。 ですので、設計する際には注意して取り組んでいただければ大丈夫かと思います。

 

最後に

最後に、私が起こした設計ミスへの対処を少し。色々検討し結果的に、圧入ユニットのフレームを強化し反らない状態にして真っ直ぐ押せるようにしました。それで安定したので良かったですが、次回からはこれら経験をもって設計したいと思います。

 

以上です。

 

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