今日は、先日ツイッターでアンケートを取らせていただいた「こんなサービスがあると機械の自動化が進み易くなると考えますか?」というアンケートの結果報告と補足情報を添えてメモしておきます。
生産の機械自動化の課題について
そもそもこの機械自動化に関するアンケートを行ったのは、僕にモヤモヤしている気持ちがあって、それの答え合わせに皆様のご意見をもらった形になります。
質問の背景
モヤモヤしていた部分の話を少しすると、私は22歳からずっとこの業界の人間なんですが、誤解を恐れずにいうとここ最近機械で自動化をしたくても出来ない、多くの会社さんが抱えている課題は似ているじゃないか?というのを感じていました。
仕事が少ないとかそういう話じゃなくて、色々な工場を見ていく中で自動化に踏み切っている所となかなか踏み切れない所の違いがちょっとずつ見えてきていたんです。
ただ、それは僕視点からなので、それらの答え合わせとしてTwitterでアンケートさせていただきました。Twitterを選んだ理由が、幸いにも僕のアカウントをフォローしてくださっている方たちは大変良くしてくれる方が多く、気を使わず率直なご意見もらえると思ったんです。
質問の内容
自動化の実現に悩んでる下請け製造業様にお聞きします。技術者の集まるコミュニティがあり、そこでは依頼主の課題に対し【自動化するための見積りが取得できる程度の簡易的な計画図・仕様書】が無料で成果物として上がってきますこんなサービスがあると自動化が進み易くなると考えますか?
という質問で、この質問にあるコミュニティ及び無料というのは想定です。
自動化の課題アンケート結果
アンケート結果は以下の通り。
- はい(すぐ必要)・・・・26%
- はい(条件による)・・・・38%
- いいえ(自社で足りてる)・・・・0%
- いいえ(自動化の課題はそこじゃない)・・・・36%
はい(すぐ必要)が26%
この結果にはびっくりしました。こういったサービスをすぐ必要だと感じている人が結構いらっしゃるんですね・・・
引用:Twitter
費用対効果の算出は自動化に踏み切る第一歩なので見積もりと構想が早いのはありがたい。
と、このようなコメントを頂きました。なるほど。
はい(条件による)38%
もちろん条件付きなのは十分承知していましたが、条件次第が4割近いのにも驚きました。多いですね。 条件によるという部分の補足を、ダイレクトメッセージやコメントでいただきまして、それらを簡単に纏めると
- 守秘義務のルールの作り込みができている
- 製品により自動化が難しいものがある
納得の内容です。もしこんなサービスがあるとしたら、守秘義務は守り、自動化できる製品の見極めをクリアすれば良さそうですね。
いいえ(自社で足りてる)0%
自社で足りているという回答が・・・・まさかのゼロ・・・。(中小に限ってでしょうか・・)
いいえ(自動化の課題はそこじゃない)36%
そして自動化の課題はそこではないという別の見方も、大きな割合であることが解りました。
”自動化の課題はそこじゃない”について追加のアンケート
そこで、自社で足りていないという回答と自動化の問題がそこじゃないという部分に関係性があるのでは?と思い、恐縮ながら追加でアンケートを取らせていただきました。質問の内容はこちら
引用:Twitter
追加のアンケート失礼します。【自動化の問題はそこじゃない】は、どこにあるとお考えですか?
そしてその回答が以下になります。
- 社 "内" の技術者不足・・・・ 46%
- 社 "外" の技術者不足・・・・ 4%
- 予算が取れない(会社の意識不足)・・・・ 37%
- それらでもない・・・・14%
以上の結果でした。うーん、この業界で働く方々が感じている事は同じなのかもしれませんね。この結果で僕のモヤモヤが晴れました。
技術者の不足や会社自体の意識、今の日本は製品を製造するにあたって多品種対応、スマートな段取り変え、検査データの蓄積・監視、生産スピード、その他諸々。ぶっちゃけ乗り越えるのが難しい問題に直面してると思うんですよ。
だから、昔みたいにガツガツ量産するからとにかく機械作る!元は取れる!とにかく人も入れて!っていう話じゃない。単純な人材不足と捉えるよりも会社の数値目標に合わせるための生産技術力を、より高度化させる必要があり、それらを具現化できる人材が少ないということがあるのではないかと思うんです。
ポイント①:人は少ないのに仕事が難しくなってきている。
また、機械による自動化の難しさについてこんなコメントを頂いています。
引用:Twitter
同じものを続けてなら自動化は大いに賛成。ただ多品種小ロットに変幻自在に対応できる自動化が出来ないと現実は無理
引用:Twitter
自動化というのは小品種の大量生産に向くため、少量他品種を対象とする中小企業には自動化が難しいのでは?あるいは他品種を自動化するための構想設計する技術が社内に無いか。構想も立てられないから社外に投げられないということはあると思います。
さらに、
引用:Twitter
自動機械設計の担当いわく「自動化」というところに夢を持っている方が多く「条件は自分で考えるんですよ」と言うと一気にテンション下がる、のだそうです。でも、そりゃそうですよね。そこをいかにやる気を削がずにやる気をもって条件を自分で決めてもらえるか、がポイントではないかな、と思います。
自動化機械の仕様部分の難しさがありますね。コスト面ではこんなコメントもいただきました。
引用:Twitter
- 機械で自動化するよりもバイトを雇う方が安い
- 機械での自動化も正直メリットを中小には見いだせない
ポイント③:難しいからコスト高い = 人の方がコスト安い
会社の意識について
さて、機械で自動化できない要因に「予算が取れない(会社の意識不足)・・・・ 37%」という結果もありましたが、これまで触れたように機械での自動化が難しい事が沢山あるからなんだと思いますね・・・、ここにも自動化を推進する部署は、どのように難・高コスト自動化設備の予算をとるかという難しい問題もあります。要するに伝えたいことが伝わらない。内容ではなく表面や一時的な出費に対して拒否されるなどですね。アプローチや裏付けが非常に重要かと思います。
あと、時代の流れが早くて踏み切れないか。(潰しの効かない機械は作りたくない・・・など)ここもいつか深堀してみたい所ですが、今回のアンケートは以上です。
最後に
今回、アンケートに対し沢山のご回答をいただけて心から感謝しています。コメント・DMも大変ありがとうございました。このアンケート結果を理解し、今後一層厳しくなるであろう製造業の一員としてどんなトライをしていくべきか、しっかり考えていきたいと思っています。
以上です。