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機械設計メモ2

・2D・3Dについて

2DCAD及び3DCADの違いと使い分け方

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今日は「2DCAD及び3DCADの違いと使い分け」についてのメモです。先日から、数年ぶりに2DCADを利用した設計を行っていまして、普段3DCADを使っている私にとって、2DCADと3DCADの違いについて多くの気づきがありました。今日はその感じたことを纏めてみたいと思います。これからCADを購入検討される方や機械設計士を目指す方は是非参考にしてみてください。

PIRO4D / Pixabay

2DCADと3DCADの違い

今日は2DCAD及び3DCADの違いと使い分けについてメモを残しますが、ここでは一般的な機能面の「2DCAD及び3DCADの違い」ではなく、実務においての使い分けなどに特化してみようと思います。一般的な解釈として説明が的確だと思うサイト様の文章を引用させてもらいますので、把握してみてくださいね。

引用:キーエンス様より(部分引用)

2DCADは「三角法」というルールに基づき、正面図、平面図、側面図という構成で描かれており、3つの角度から見た形を2Dの図面で表現します。これは手書き図面と同じ作業ですが、コンピュータで行うところが2D CADのメリットです。簡単な図面であれば誰でも理解できると思いますが、複雑な図面を理解するには経験が必要です。

3D CADでは立体そのものを作成するため、任意の視点から立体をすぐに見ることができ、複雑な立体を認識しやすいことがメリットです。3D CADデータがあれば、専門知識がない方でも容易に形状を把握でき、コミニュケーションが図りやすくなります。

以上のように2DCAD及び3DCADの違いがあるかと思います。時代は3Dデータの有効活用ですが、2DCADはまだまだ必要です。

断言します。2DCADはこれからも必要です。

機械設計の仕事をする上で、今では3DCADは必須のスキルです。2DCAD時代から設計をしている人にとって「3DCADなんて使いづらくて、出来るなら触りたくない」という方も多いと思いますが、その殻を破り実務でバリバリ3DCADを自在に操れる設計士にとっては「慣れれば3Dのほうが圧倒的に早い」という考えになります。始めから3DCADを使ってきた若手設計士にとっては「今更2DCADなんて出来ない」という思いが強いと思います。

3DCADは非常に便利で設計以外にも大きなメリットがあります。しかし、あれもこれも3DCADで設計を行うことが難しいのが現実です。例えば製品設計においてはもう2Dの出る幕は非常に少ないと考えたほうが良いですが、設備系に関してはこれからも2DCADが必須です。そのため設計の内容によってCADを使い分ける必要があります。

 

設計内容による2DCADと3DCADの一般的な使い分け

CADの使い分けですが、実際のところ

  • 製品設計:3DCAD
  • 設備設計:2DCADもしくは2D要素が強い3DCAD

というのが一般的な使い分けだと思います。その理由は、製品設計のようにそれ単体で、余計なものを必要とせず完結できるものに関しては3DCADを利用するのが一般的です。

設備設計などの設計においては、設計したコンベアと周りの機械や建屋の壁などとの取り合い関係を表す必要がある場合、2DCADのほうが圧倒的に「でっちあげやすい」わけですね。なんとなく解りますでしょうか。2Dはその面に線を使って書いているだけなので、周辺の関係ある部分だけを作図し、線を途中からバッサリとカットすることが容易です。しかし3DCADはなんとなく見えていれば良い回りの環境を表現するのに、そのためのモデルが必要です。

ですので、2DCADの持つ最大のメリットは「設備設計は周りのあいまいな部分を設計図として表現できる」所にあります。そして各設計が始まる前段階、ざっくり検討する計画図や検討図などのラフスケッチには抜群の利用価値があります。要するに2DCADの強みとは「表現の豊かさ」にあります。

 

 

2DCADと3DCADどちらが覚えやすいか

実際、2DCADと3DCADどちらが覚えやすいかというと、私の経験上おそらく操作自体を覚えるのはほぼ同じだと思います。

絵を描くこと自体が出来ればよいとすれば2DCADでも3DCADでもすぐに出来ます。しかし、絵描きより先の機能、例えば3DCADについている解析などモデリング+αの部分を使いこなそうと思えば3DCADのほうが覚える項目が増えます。例えばそのモデルに材料特性・力の定義をして行なう応力解析や、モーション解析などです。

設計の質においては2DCADは設計者の頭に入り、3DCADはモデルにその履歴が残るようなイメージです。

2次元CADと3DCAD覚えたらどちらのほうが作業が早いか

先ほど3DCADのほうが慣れれば圧倒的に早いといいましたが、イメージとして2DCADはスタートダッシュ(計画図)が特に早く、3DCADは設計中盤から後半でスピードが伸びてくるイメージです。最高速は圧倒的に3DCADです。

Sponchia / Pixabay

3DCADは「履歴」を持つものと持たないものがありますが、どの3DCADも「関連性」というものがあり「アッセンブリのモデルを直すと部品図も直っている」ということが大きな効率化を図っています。ですから、設計において計画の方法を間違えず2DCAD並みに早くできれば「3DCADを自在に操れる設計士にとっては、慣れれば3DCADのほうが圧倒的に早い」ということになります。

私も始めは「アセンブリ変わってモデルも変わるなんて怖くて仕方が無い」状態でしたが、慣れてくると関連性も含めた設計をするようになりますので、たいした問題ではありませんでした。

 

2DCADと3DCADはどちらが設計スキルが必要か

これすごく重要なところです。「図面を見る」という観点から言えば、先ほどの引用にあります通り

  • 2DCAD:複雑な図面を理解するには経験が必要
  • 3DCAD:専門知識がない方でも容易に形状を把握でき、コミニュケーションが図りやすい

ということです。ですので図面を見る能力は圧倒的にスキルが必要です。複雑すぎる場合、見難くなることから、理解しやすいように線を消したりするのが2DCADです。設計士として「平面に何重にも重ねられた物」を捕らえる力は2DCADのほうが必要になってきます。3DCADは解りやすいですよね。形状がすぐに理解しやすい。 ですが2DCADに関しては「物」を捕らえる力が無かったら3面(正面・平面・側面)書くことが出来ません。ですから図面を見て物を把握することに加えて表現を理解する力も2DCADは必要になってきます。

次に、「設計をする」という観点から言えば

2DCAD、3DCAD共に同等の設計力が必要です。計算や構造を理解していないとどのCADを利用していても出来上がるものはクオリティ低いですね。3DCADだから設計がうまく出るかというと決してそうではありません。

さらに「設計の意図の把握」という観点から言えば

  • 2DCAD:線だけの表現なので把握がしやすい
  • 3DCAD:流用性を上げるためのモデルの作り方など、そうなっている意味が解る理解度(経験など)

が必要です。

 

3DCADから見る2DCADの難しさ

2DCADは基本的に紙に手で絵を書くのと同じ手間が掛かります。3DCADの設計士は皆「3面がすべて一致している」のが当たり前ですが2DCADの場合「3面は設計士が合わせて書かなきゃ合わない」のが当たり前です。3面書こうと思えば1面書いて、2面目を書いて、3面目を書くわけです。

だから「2DCADは難しい」とされるのです。

いまや3DCADが普及しているので3DCADを扱う場合「3面は設計士が合わせて書かなきゃ合わない」という考えは不要になってきていますが、2DCADでお仕事をする場合には必ず必要な心構えとなります。実務でいうと、2DCADは3面を合わせて重ねチェックして線がズレていないかなどのチェックが非常に手間で難しかったりします。

 

若手は2DCADを覚えるべきなのか

ここもすっごく重要です。答えを言ってしまうと「必要ないなら覚えなくて良い」ということになってしまいますが、メカ設計のエンジニアが不足している今、2DCADのスキルは以前より必要とされている気がします。正直2DCADと3DCADをバリバリ扱える20~30代の設計者は比較的少ないと思います。

各社、設備のデータをどのようにして持っているか解りませんが、私の知る範囲では昔2DCADで作った設備の老朽化による更新設計や、新規の装置を付け加える場合などの仕事が増えてきているような気もいたします。

2DCADを扱える設計士がこれからもっと不足してくる中、今ある設備を3Dモデルに置き換えるにはものすごいパワーが必要で、思ったより効果が薄い場合も多々あります。

私の思いとしては、技術の継承も含めて2DCADでの設計案件も行えると良いと思います。2DCADを使える人がその設計事務所に居なくなったらもう手遅れです。

あと、3DCADはCADが解析などの根拠を示してくれますが、2DCADは設計士がそこをやらないといけないので、私個人の意見では2Dのほうが設計者スキルが必要だ思っています。ですので若手には2DCADを覚えさせたいです。

 

2DCADをよく扱う会社さんは3DCAD化の際にICADへの乗り換えが多い

そうはいっても2DCADでずっと行くことに不安を感じ3DCADを導入する会社さんで、特に設備設計を主なところはICADを使っているところが多いです。

一般的に3DCADといえば「部品図直したら組図も変る」とかのモデルと図面の「関連性」がぐっとあがる印象ですよね。このICADは3DCADなんだけれど2D図面との関係を切ることが出来たり2次元図面だけ使うなんてことも出来ます。とても便利ですよ。

ただ、それが災いを起こすことも実は多々あるので作業する人のルールを徹底しないといけません。ちなみに、設備系であるとICAD多いですが、ソリッドワークスなどでもかなり大きな設備設計できますし、操作面ではソリッドワークスのほうが扱いやすいです。

これから検討される方はどのCADにするかものすごく沢山触れてみての判断をお勧めします。3DCADは値段高いし保守高いし、小さな会社になればなるほどきついですから・・・。

 

【まとめ】

今日は、2DCADと3DCAD両方を使っている私なりの「使い分け」についてまとめてみました。どうでしたか?理想は2DCADと3DCADをうまく使い分けてお仕事するのが良いですよね。私はこれからも両方バリバリ使って設計していこうと思います。

以上です。




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