機械設計士のブログ。機械設計の仕事・ノウハウ・感じた事・設計資料をシェアしています

機械設計メモ2

6.機械要素

【初心者向け】電動ドライバーの選定方法

投稿日:




今日は「【初心者向け】電動ドライバーの選定方法」についてのメモです。先日、電動ドライバーを選定する機会がありました。その内容を、電動ドライバー選定初心者の方へ向けて、出来るだけ基本的な所を解りやすくまとめメモを残したいと思います。

 

電動ドライバー

電動ドライバーとは

blickpixel / Pixabay

電動ドライバーを利用する目的として「単純にネジを楽に締めたい」といった目的と「生産性を上げつつトルクを管理したい」という二つの要求があると思います。メーカーのカタログでは、それら区別を明確にしずらい事もあり、実際カタログを開くと多種多様で、どれを選定すればよいか迷う方もかなり多いのではないかと思います。

 

電動ドライバーの選定のコツ

電動ドライバーを選定する前に基礎知識として必要な情報があります。

 

1.ねじ締めを行なうトルクを把握する

ねじ締めを早く的確に行なう目的で電動ドライバーが利用されると思います。これはカタログに載っている場合がほとんどなので、難しいことはありませんが悩むのが「どの範囲を買えばよいかな?」と悩みます。要するに、今回電動ドライバーを利用する場所やねじサイズだけを考慮するのであれば選定は楽だけれども、今後のことを考えるとレンジの広いものを選ぶべき・・・と考えてしまって答えが出ないパターンに陥ります。

そのため、項2以降に示す各電動ドライバーが持つ特徴を理解して頂き、実際に作業される状況・環境にマッチした電動ドライバーで、一番レンジの広い電動ドライバーをご選定いただければと良いのではないかな?思います。

 

2.形式の特徴や違いを把握する

まず、電動ドライバーのモーターは、DCモーターとACモーターかで分かれます。

  • AC駆動:AC駆動ドライバーはトランスレスと呼ばれ専用電源(コントローラー)が不要のため省スペースで利用できます。
  • DC駆動:DC駆動ドライバーはAC(交流電源)をDC(直流)に変換する必要があるために専用電源(コントローラー)を必要とします。

電動ドライバーの選定にあたり、AC駆動とDC駆動の違いで注意するところは下記の2点です。その他の違いは選定に影響しないため割愛します。

 

  • ねじ締め速度を選ぶか可変させるのか

AC駆動とDC駆動の電動ドライバーで、2種類があることがご理解いただけたと思いますが、ねじ締めを行なう場合の回転速度(ねじ締め速度)もどんな特性があるのか知りたい所です。結論を言ってしまうと、AC駆動の電動ドライバーでは「回転速度選択」と「速度可変タイプ」の両方が存在し、DC駆動の電動ドライバーでも「回転速度選択」と「速度可変タイプ」の両方が存在します。カタログを見ていてもイメージが付かないので、こればかりは実機を借りるなどしてどの回転数が生産性を悪化させずに安全な締め付けが行なえるか検討が必要です。

 

  • 電動ドライバーAC・DC駆動両方にあるブラシ付きとブラシレスの違い

電動ドライバーの内臓モータには、ブラシ付きかブラシレスかの違いがあります。ブラシレスはブラシ交換不要でメンテナンスフリーです。ブラシ付きは内部でブラシが擦らせていますので、寿命が早いのが欠点です。その分一般的にブラシ付きのほうが安価と言われています。高耐久性である点を見るとブラシレスを第一選定の条件としてブラシレスを採用すると良いと思います。ブラシ付きの場合参考ですが100万回程度が保証範囲であると思います。

 

3.電動ドライバーを何に利用するのかを明確にする

AC駆動の電動ドライバーとDC駆動の電動ドライバーでは、先ほど専用電源が不要なのがAC駆動で、専用駆動電源が必要なのがDC駆動と言いました。省スペースにはACがもってこいですが、トルクの精度に関してはDC駆動の電動トルクドライバーが有利になるそうです。

 

4.取り扱いのしやすさ

電動ドライバーを利用するにあたり、持ち方って非常に重要になってきます。大きく分けて電動トルクドライバーはレバースタートとプッシュスタートがあります。

  • レバースタート:レバーを握ると作動します。
  • プッシュスタート:ドライバを押し込むと作動します。

これ、どちらが良いかは締め付けるネジの種類によって分けても良いかもしれません。ここは私個人の考えですが、プッシュスタートは、ネジ締め動作に慣れるまで危ない感じがしています。押し付けてスタートになるので、トラスネジな曲線の頭でなおかつ十字穴の場合、一瞬でネジをダメにしたりしてしまいます。逆にレバースタートは、押し付け後にレバー動作で回転ONなので、慣れてくると面倒に感じる人も多いと思います。

ここの考えは、ネジ締め時に起きるリスクとして何が考えられるのかで決めれば良いかと思います。ミスが起きないとすれば作業を最速にさせるのはプッシュスタートです。ミスが製品の品質に大きく影響しそうな場合はレバースタートでよいと思います。

 

5.魅力度

最後は各メーカーが出している電動ドライバーの魅力度です。例えばソフトスタートという機能と、ソフトストップという機能があるかどうかなどは重要だと思います。メーカーによってはショックレスという呼び方で、ねじ締め動作完了時の締付けショックを最小にしてねじ締めを安全に行なえるものがあります。

  • ソフトスタートとはゆるやかに回転速度を上げ、ねじ頭の損傷を防止します。
  • ソフトストップとは:ゆるやかに回転速度を下げ、ねじ締め品質の向上が図れます。

特に、十字穴付きボルトを締付けの場合、ほとんどのネジが材質的に弱い場合が多いので、この機能は重要です。

トランスレスについて

専用コントローラ不要。商用電源につなげて駆動します。これは基本的に作業スペース確保するかどうかによります。

 

ねじ締めカウンタについて

ねじ締めカウンターって必要?と考えている方は、ネジ締めカウンタの機能を把握して、実際の現場で使えるか検討してください。一般的には、ねじ締めは人が行なう作業ですので、ねじ締めが上手くいかなくてカウントしたくない場合であったり、一回途中まで締めたけれど、戻してもう一回締め直したい場合もあるかと思います。現在はそれら現場でよく起こるであろう状況にも対応できるねじ締めカウンタ機能を持ち合わせているものもあります。

以上です。




-6.機械要素
-,

Copyright© 機械設計メモ2 , 2018 All Rights Reserved.