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機械設計メモ2

・カップリング

共振対策・振動を抑えるカップリング

2019年7月18日




今日は「共振対策・振動を抑えるカップリング」についてのメモです。もうご存知の方も多いんですが、最近関わったお仕事で改めて「すごいな」と思ったので、サーボを扱う装置で共振・振動に悩まされている方や、特に気にせず従来のディスクカップリングなどを使っている方はサーボシステムの性能を最大限に引き出せるよう是非確認してみてください。

共振対策・振動を抑えるカップリング

高減衰能ゴムカップリング

カップリングは種類がとても多いんですが今日紹介するのは数年前にデビューした「高減衰能ゴムカップリング」です。

詳しくは使用するメーカーの詳細を確認して欲しいんですが、サーボモーターを使う装置(以下サーボシステム)のカップリングには歴史があって、速度応答周波数の高いサーボモータの性能に対応するため

 

スリット ⇒ ディスク ⇒ 高減衰能ゴム

 

こんな順序で進化してきたみたいです。

速度応答周波数の高いサーボモータの性能を生かして装置を動かそうとすると、ディスクカップリングでは「共振」が邪魔をしてサーボシステムの性能を最大限引き出すのは難しかったようです。その高い速度応答周波数帯を吸収する減衰性が必要で、その解決のため高減衰能ゴムカップリングが開発されたみたいなんですよね。

この高減衰能カップリングは、僕らメカ設計士としてはスリットタイプやディスクタイプに比べ高トルクでの使用が可能なのがうれしいですね。あと、我々が設計する機械は「動作チャート」という基本的な動作スケジュールを予め決めて、それを満足する機器を選定し設計を進めますが、構造体のバランスが悪かったりすると予定通りのタクトで動けなくなります。これが共振だったりボールねじのたわみだったりするわけです。

 

カップリングでどう生産性が上がるのか

よって、振動を抑える高減衰能ゴムカップリングはサーボモータの高ゲイン・高応答に対応するので、サーボモータの限界ゲイン向上により整定時間を短縮(=生産性向上)できます。

 

高減衰能カップリング = 振動を吸収する = 整定時間の短縮(モノによるがおおよそ80%) = 生産性向上

 

となるわけです。

 

【補足】高ゲイン化とは

ゲインとは、サーボモータを指令どおりの動作をさせるかの追従性を表す指標で、

 

  • ゲインを上げると整定時間を短縮
  • ゲインを上げ過ぎるとハンチングが発生しサーボモータの制御が難しくなる
  • ゲインを上げ過ぎると機械の固有振動数と共振を起したりする

 

このように、動作の整定時間を縮めようとした場合、オートチューニングで対応できない場合は各パラメータの調整を行う必要があるそうなんですが、この高減衰能カップリングを利用する事で振動吸収の性能が上がるので高ゲイン化(整定時間の短縮)が可能になるという事です。

 

高減衰能ゴムカップリングを扱う代表的メーカー

下記は、共振・振動対策に使える高減衰能カップリングを扱う代表的メーカーと製品名です。

 

  • NBK(鍋屋バイテック):XGシリーズ
  • 三木プーリ:ステップフレックス
  • ミスミ:カップリング防振ゴムタイプ

 

最後に

冒頭に少し触れましたがカップリングはとにかく種類が多いです。私なりに用途を纏めた記事もありますのでそちらもどうぞご確認ください。

参考:カップリングの選定や使い方のまとめ

以上です。

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