今日は「光電センサで覚えておきたい一般情報まとめ」についてのメモです。
機械を設計する上でセンシングは欠かせないのですが、センサには得意・不得意があり知れば知るほど選択肢・使い方に自由度が出てきます。しかし、センサも一歩間違えばコストが急に跳ね上がるので、不要な機能は省いてコストもムダを省きたい所。
今日は一般的に多く利用される光電センサーの基本情報を纏めています。本当は各メーカーのカタログを見るのが良いかもしれませんが、私個人用にそれら複数情報を簡潔に纏めています。
光電センサ
光電センサとは 投光部から発射される可視光線・赤外線の光を受光部で検出し出力信号を得るセンサ です。受光できるか出来ないか、受光していても光量の減り具合で検出するセンサで 非接触で汎用的に多くの用途で使えるセンサ でもある。
センシングの方法は大きく分けて以下の3つ
- 透過型:投光器・受光器間の光軸を検出物体が遮ることで検出
- 反射型(拡散反射型):投受光器から出る光が検出物体に反射され戻ってくる光を検出
- 回帰反射型:投受光器から出る光が反射板に反射され戻ってくる光を検出
など上記の方法があります。(各メーカーごとさらに細かい分類があります)
アンプ内蔵型とアンプ分離の違い
アンプ内臓とアンプ分離のメカ的な違いは以下の通りです。
アンプ内蔵型
センサ単体で設定・表示確認をするタイプ。ボディが大きい
アンプ分離型
センサヘッドと、設定・表示確認出来るアンプを別取り付けするセンサ。センサヘッドは小型で調整が容易なセンサが多い。
一見、センサヘッドが小さいアンプ分離が良さそうにも見えますが、組立調整時にはアンプ内臓型の方が見やすく感度の調整がしやすいですし、通常運転時にもセンシング対象とセンシングの状況が見えるアンプ内臓型の良い所もあります。
光電センサの特徴メモ
ここでは、光電センサの使い勝手や、光電センサではこんな事が出来るという内容を簡単に纏めています。
①一般的な光電センサの特徴
- 非接触
- 検出位置精度が高い
- 光量で検出出来るので検出対象物の範囲が広い(ガラス・液体もOK)
- 検出距離がメートル単位で長く取れる物もある
- 電源電圧の影響がほとんどない(光電センサはすべて内部に定電圧回路を有している)
- バリエーションが広いので目的別に選びやすい
→ 透過:不透明体であれば、形状・色・材質に関係なく検出可能
→ 回帰反射:不透明体であれば、形状・色・材質に関係なく検出可能
→ 拡散反射:反射体であれば透明体も検出可能、色判別可能
→ 狭視界反射:小物(マーク)検出可能
→ 限定反射:背景の影響が少なく、小さな凹凸の検出可能
→ 距離設定:色・材質の反射率が違っても安定検出可能、小物検出可能
②環境に対する光電センサの特徴
屋外使用はやめたほうが良い
- 光電センサは基本的に屋内仕様だと考えて良い(保証外の可能性あり)
- また、紫外線を浴びるところはケースが劣化するためやめたほうが良い
暗い場所での使用は〇
- 自らの光を受光するため周囲の暗さが問題になる事は無い
磁界の発生している場所での使用は本体〇、アンプ×
- センサの発している光は磁界の影響をほとんど受けないが、アンプは磁界の影響を受けないところに設置する必要がある。
蒸気のかかるような場所での使用は×
- 温度変化の大きい場所では水分の内部侵入の可能性が高くなるための使用は避けた方が良い。光自体も蒸気による感度落ち(受光量の減少)が問題となる
切削油などが掛かる環境は「耐油」を選択すれば〇
- 耐油の光電センサは売られている
防爆エリアは×
- 防爆エリアでは光電センサは使用できない
真空環境・状態は×
- 真空状態で使える光電センサはない
最後に
まとめの参考にさせて頂きました(感謝)
以上です。