今日は「亜鉛三価有色クロメート(亜鉛メッキ有色3価クロメート)の表示」についてのメモです。
亜鉛有色三価クロメート(亜鉛メッキ有色3価クロメート)
早速ですが、亜鉛有色三価クロメートの表示は以下の通りです。
アルファベット記号の意味は以下の通りで、「/(スラッシュ)」で区切ります。
- Ep-Fe:電気亜鉛めっきの記号で、鉄素地(Fe)に 電気めっき(Ep)をする処理
- Zn5:亜鉛めっきの最小厚さ5μm を指定している部分
- CM2:クロメート(CM)有色(2)を指定している部分
そして、末に記載した(三価クロメート)の意味 ですが、JISでは6価クロメートの指示はありますが JIS規格で3価が規定されていないので図面で指示する場合は 3価のものを使用してほしい旨を別途記載する必要があります。 その為、この記事では Ep-Fe/Zn5/CM2(三価クロメート) と記載しました。 ですから、 亜鉛三価有色クロメートEp-Fe/Zn5/CM2 と図面に書いても良いことになります。
私のように、電気亜鉛めっきの表示を探して6価と3価の違いや、各WEBページで紹介している表示方法を見て、どうしたら良いか悩んだ方はこれで解決 ですね。
補足1:電気亜鉛めっきについて
Ep-Fe の電気亜鉛めっきについては JIS H 8610 に記載されていますが Ep-Fe/Zn5 にある Zn5 の部分は最小厚さを示し、以下の種類があります。
1級:めっき最少厚さ2μ ⇒ Ep-Fe/Zn2(Ep-Fe/Zn[1])
2級:めっき最少厚さ5μ ⇒ Ep-Fe/Zn5(Ep-Fe/Zn[2])
3級:めっき最少厚さ8μ ⇒ Ep-Fe/Zn8(Ep-Fe/Zn[3])
4級:めっき最少厚さ12μ ⇒ Ep-Fe/Zn12(Ep-Fe/Zn[4])
5級:めっき最少厚さ20μ ⇒ Ep-Fe/Zn20(Ep-Fe/Zn[5])
6級:めっき最少厚さ25μ ⇒ Ep-Fe/Zn25(Ep-Fe/Zn[6])
また、上記の厚さは級表示することも出来ます。( )内の級表記は同等の意味を示しますが、一般的には Ep-Fe/Zn5 などの表記が多い と思います。
補足2:電気めっきの記号表示方法(クロメートの色について)
クロメートの色については JIS H 0404 に記載されています。
今回の CM2は有色クロメート処理 を表しており、他には CM1光沢クロメート処理 や、bk黒色クロメート などがあります。
以上です。
関連記事:熱処理/表面処理