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ガススプリングの選定・計算・扉での使用例

2018年2月12日

今日は「ガススプリングの選定・計算・扉での使用例」についてのメモです。ガススプリングを初めて扱う方は、ガススプリングの使い方に悩むと思います。今日はガススプリングを使う場合の計算方法と、使用上の基本的な注意点、若干のアドバイスを添えてメモしたいと考えています。

 

ガススプリングの選定・計算・扉での使用例

以下にガススプリングを利用する際の基本的注意点を纏めます。

 

ガススプリングの使用上の基本的な注意点

基本的には打痕・曲がりにご注意を

ガススプリングを機械で利用する場合、基本的にはガススプリングのロッドやシリンダへの打痕や、ロッドの曲がりには注意する必要があります。変形によりオイル漏れや作動不良を起こす原因となります。

 

使用できる範囲は「-20~80℃」などです

ガススプリングを利用する際には、使用するガススプリングの使用温度範囲も気にしてください。

 

ガススプリングは、摺動部への注油はダメです

中でも、意外と気づかない注意点として、シリンダとロッドの摺動部への注油を行なってはいけないことです。これも注油をすることでシール性を悪くしてしまったり、オイル漏れ、反発力の低下の原因となります。

 

ロッドは伸びきった状態で、出来るだけ回しちゃダメです

ガススプリングはシリンダとロッドの取付面を変えることが出来ますが、ガススプリングが伸びきった状態でロッドの向きを変える行為は、基本的にガススプリングの「引っ張り力は許容されていない」状態でグリグリ回してしまう事になるのであまり良くありません。

 

ロッドが伸び切ってしまう場合は手前でメカストッパを付けてください。

これも重要です。先ほども書きましたが、基本的にガススプリングの「引っ張り力は許容されていない」ので、壊れるかもしれないのでストッパーは付けるようにしてください。

 

ガススプリングのみで長期間保持に使っちゃダメです。

ガススプリングを使う機械は、車のリアゲートをイメージしてもらうとわかり易いのですが、扉を上げきると保持して下げきるとそれもまた保持してくれる使い方ですね。しかし、このガススプリング単体で保持できるからといって、長時間の利用は想定しないので、長時間保持する場合は別途ストッパーを利用するという考えを持っておくべきです。その理由は予期せぬ力が加わることが合った場合戻ってしまう場合があるからです。

また、直期間でなくても、出来るようであれば安全対策にストッパー及びキャッチャーを利用するのが良いです。

 

ガススプリングの取付支点を変更出来るよう仕込んどいた方が良いです

ガススプリングを利用する際には、持上る物の重量と重心位置が理解できていないと「思っていた操作力とは違うなぁ」という場合があるので、そんな時に、取付の支点調整できるように設計を仕込んでおくのは良いと思います。

 

ガススプリングの選定・計算方法

ガススプリングの計算方法を簡単に説明すならば、持上げて保持したければ、扉重量のトルクよりもガススプリングのトルクが上回ればよいです。持上げて扉を開放し保持、そして扉を閉じる際ガススプリングの力で押さえつけたい場合は、押さえつけるように支点関係を考慮すればよいだけです。

 

持上げる物の重量が大きい場合で保持したい場合

  • 持上げ位置:ガススプリングの力が上回るような支点関係にします。
  • 持上げ最中:ガススプリングは操作力の補助的役割として利用します。
  • 下げ位置 :持上げる物の重量によるトルクが勝りガススプリングが押さえつけられます。

※メモ

重量が大きい物を下げ位置で保持したい場合、ガススプリングが下げ位置に強く押し付けるような支点関係にすると持上げが扉の重量以上の力が加わるので持上げずらくなります。扉重量で下げた位置で保持できているのにさらにガススプリングが押さえつけてしまうためです。。

 

持上げる物の重量が小さい場合で保持したい場合

  • 持上げ位置:ガススプリングの力が上回るような支点関係にします。
  • 持上げ最中:ガススプリングは操作力の補助的役割として利用します。
  • 下げ位置 :ガススプリングが持上げる物を下げ位置に押さえつけるような支点関係にします。

※メモ

重量が小さい物を下げ位置で保持したい場合、ガススプリングが下げ位置に押し付けるような支点関係にします。軽量な物の自重で保持することは外力に弱いためガススプリングで押さえつけます。構造上押さえつけられない場合はキャッチャーなどの保持器具を利用し保持してください。

 

ガススプリングを補助的に使い、手で扉を動かす場合の狙い値は?

ガススプリングを取り付けることによって、どれだけ扉の動きを軽くするか、もしくは利用者がどれくらいの力でその扉を動作させるのか。ということは重要です。その操作力は20N~70Nまでと言われていますが、30N辺りを私は狙うようにしています。

 

ガススプリングの選定・計算式

以下にガススプリングを利用する際に検討できる計算エクセルシートをUPしておきます。今回の計算シートは「栃木屋様」と「TOKICO様」の資料を参考にしています。

以上です。