今日は「機械設計の仕事で結局時間が掛かってしまう進め方」についてのメモです。
機械設計の仕事において、新しい事を実現させるにはトライ&エラーは付き物です。今日はそんなトライ&エラーから学んだ事をシェアしたいと思います。
機械設計の仕事
装置の改造
今回お話する機械設計のシチュエーションは、新規設計案件で一旦作られた装置を改造し、より良いものにするための改造案件です。
新規の設計では、自ら選んだ機構がお客様の性能に始めから届かない場合もあります。それらは「思ったより強く押しすぎてしまった」や「調整機構がここに欲しかった・・・」などの組立をした後に発見することが多いです。
また、初めての装置では組立て調整が終わり、電気とのやり取りに移行してから改造する必要のある場所が見えてくることも多々あります。例えば、稼働最大スピード・反復運動等による共振などの揺れなどの解消です。色々あります。
既設装置の改造で避けられない要求
既設設備の改造をするにあたっては「既設設備への追加工をできるだけ避けたい」という要求が必ず出てきます。その理由は簡単で「出来る限り無傷で改造を終えたい」という気持ちからです。
一度設置した機械は、1部品取り外すだけでも手間がかかります。それに加えて追加工の手配であったり、追加工の図面であったり・・・。新規部品とは違い、既存の部品があるから楽だとおもいきや、手間の増える工程となってしまいます。また、納期という問題も出てきます。基本的にはスケジュールの余裕分はその時点で大体使い切っています。苦笑
結果的に時間が掛かってしまう本当の理由
結果的に、何がだめで時間が掛かってしまうかというと、改造案が適切でなく再度やり直しが掛かることです。私がなんとなく感じている、結局時間が掛かってしまう理由は「急いで設計して、手配して!」という周りの声と、それにプレッシャーを感じ、急いでしまう設計士。
避けて通れない全体の流れです。
もちろん。急ぐ必要はあります。
ですが、既設の設備を避けて新しい機構を追加する。そこに入る機器を探してレイアウトする。そりゃ、確かに既存品は無傷で、追加機構もすんなりついて、尚且つ納期が早い購入品や加工品で構成されていれば最高ですが、設計って、原理原則に基づく必要があって、やっぱりそこをしっかり検討していないといけないから、理想が先に立つのは、やっぱり違うんですよね。あと、納期が早い購入品で設計せざるを得ない方たちは今たくさんいると思うんですよね。
LMガイドなどの直動関係なんて、半年以上待ちますよね?ひどいものは納期が一年後(2018年3月時点)の物もあります。だから仕方なく、性能もイマイチわからない外国製のガイド使わないといけない設計士の方々も多いんじゃないでしょうか。
なんか、すっきりしませんよね。
そんな時に注意したい事。その1
そんな急ぎの時こそ意識して動きたいことがあります。
それは設計士と現場指揮者との間で、DRBFMをちゃんと行なうことです。最低でも設計士と監督は同じ内容を共有する必要があります。そして適切なリスケをする必要があります。
そんな時に注意したいこと。その2
次に大切なことは、その対応をした設計士以外の設計士が、検図を行うということです。人は何かに夢中になっていると、見落としが必ずおきます。そして一人で完結してしまうと最後までわからないまま進んでしまいます。
急ぐ時こそ、じっくりと。大切なことは急がば回れです。ドタバタするのは損をします。やっつけ仕事は結局時間掛かるんですから・・。
以上です。
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